2025/07/01
心理学に関わる仕事に就きたい方に、ぜひおすすめしたいのが心理学の資格の取得です。資格を持っていることで、就職や転職の際に選択肢がぐっと広がるだけでなく、資格手当で給料アップも狙えます。
そこで、今回は代表的な心理学の資格や、大学の心理学部で取れる資格を紹介します。
特に、信頼性の高い資格は取得に長い時間がかかるもの。早めに把握して、資格取得の準備を進めましょう。
心理学に関する資格で、代表的な資格を8つまとめました。特に公認心理師と臨床心理士は信頼性が高く、おすすめの資格です。
公認心理師は、心理系初、かつ唯一の国家資格です。誕生は2017年で、比較的最近生まれたばかりです。国家資格であるため、後に紹介する臨床心理士と並んで信頼性の非常に高い資格といえます。公認心理師の資格取得には公認心理師試験に合格する必要がありますが、受験には一定の要件が求められます。
厚生労働省が発表している、公認心理師の資格取得方法については以下のとおりです。
出典:公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ厚生労働省ホームページ
この中でもっとも一般的なルートは、「区分A」、すなわち4年制大学で指定の科目を履修した後、大学院に進学して指定の科目を履修するルートです。
試験が開催されるのは、毎年3月です。合格率は6~7割ですが、年によって合格率に差があります。
4年制大学はどこでもよいわけではなく、心理学部や心理学に関連する学部を卒業する必要があるため、公認心理師の取得を考えている方は進路や試験について早めに準備を始めましょう。
出典:公認心理師厚生労働省ホームページ
臨床心理士は、長らく心理系でもっとも信頼性のある資格とされてきた民間資格です。現在は、前述の公認心理師と合わせて心理系資格の二大巨頭とされています。
公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会が認定する、心理専門職(カウンセラー)の証となる資格です。
臨床心理士の資格を取得するには臨床心理士資格審査に合格する必要がありますが、受験資格として主に「日本臨床心理士資格認定協会が指定する大学院を卒業していること」が求められます。
資格審査は毎年10~12月に開催され、筆記試験と口述面接試験で構成されます。合格率は、例年60%台です。
出典:臨床心理士になるには公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会ホームページ
臨床心理士について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
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臨床心理士の年収を徹底解説!職業別・年代別・規模別・地域別でご紹介
認定心理師は、公益財団法人 日本心理学会が認定する資格です。「心理学の専門家として仕事をするために必要な、最小限の標準的基礎学力と技能を修得している」として認められます。
資格を取得するのに試験を受ける必要はありません。大学などで心理学の科目を履修し、規定の様式に修得した科目や実施した実験実習を記載して提出すれば、認定を受けられます。
心理学の資格でも基礎的な立ち位置にあり、カウンセラーなどを目指すのに有利になるというよりは、大学で心理学の専門科目を履修したことの証明となる資格です。
出典:認定心理士の資格を取りたい方公益財団法人 日本心理学会ホームページ
社会調査士は、一般社団法人 社会調査協会が認定する資格です。社会調査の知識や技術があることを証明します。
世論や市場動向、社会事象などを的確に捉えた上で、社会調査を行う能力が求められます。そのため、人々の心理が社会でどのように影響を与え、そして影響を受けているのかを学び、仕事に生かしたいと考えている方におすすめの資格です。
試験を受ける必要はなく、大学で社会調査に関する科目を履修したこと、大学を卒業したことを証明する書類を提出することで、審査・認定してもらえます。
出典:社会調査士とは一般社団法人 社会調査協会ホームページ
学校心理士は、一般社団法人 学校心理士認定運営機構・日本学校心理士会が認定する資格です。特に、学校で活用できる心理学の知識・技術があることを証明します。
資格を取得するには書類の提出や試験の合格が必要です。受験資格としては、公認心理師の資格が取得できる大学院の卒業や、教員の経験などが求められます。
出典:学校心理学とは 学校心理士について一般社団法人 学校心理士認定運営機構・日本学校心理士会ホームページ
産業カウンセラーは、一般社団法人 日本産業カウンセラー協会が認定する資格です。仕事によって生じたストレスや心の問題に対するカウンセリング、キャリア形成のためのカウンセリングを行えることを証明する、産業分野での心理系の資格です。
資格取得には試験に合格する必要があります。受験資格として、4年制大学で公認心理師になるために必要な科目を履修したことや、協会指定の講座を修了することなどが求められます。
出典:産業カウンセラー試験について一般社団法人 日本産業カウンセラー協会ホームページ
精神対話士は、一般財団法人 メンタルケア協会が認定する資格です。メンタルケアスペシャリスト養成講座を修了し、精神対話士選考試験に合格することで資格を取得できます。
「治療」を目的とする臨床心理士などの資格とは異なり、「温かな対話」を通してクライエントの不安や孤独感に共感するという立ち位置にあるのが特徴です。
出典:精神対話士について一般財団法人 メンタルケア協会ホームページ
メンタルヘルス・マネジメント検定は、大阪商工会議所が主催する検定試験です。働くビジネスパーソン一人ひとりに求められるストレス対処法や、企業に求められる社員へのメンタルヘルスケアを学ぶ検定となっています。
一般社員を対象とする「Ⅲ種(セルフケアコース)」、管理監督者(管理職)を対象とする「Ⅱ種(ラインケアコース)」、人事労務管理スタッフ、経営幹部を対象とする「Ⅰ種(マスターコース)」の3コースに分かれているのが特徴です。
出典:精試験のご紹介 メンタルヘルス・マネジメント®検定試験とは大阪商工会議所ホームページ
これまで解説してきたように、認定心理士や社会調査士は、心理学部で特定の科目を修了すれば、卒業と同時に取得できます。
しかし、心理系の資格として権威性の高い公認心理師や臨床心理士は、心理学部を卒業するだけでは取得できず、さらに大学院に進学しなければなりません。
もちろん、認定心理士や社会調査士を持っているだけでも、心理学に関する仕事をすることは可能です。しかし、応募の時点で公認心理師や臨床心理士を必須としている求人もありますし、公認心理師や臨床心理士の資格があれば就職に有利になることは間違いありません。もし、カウンセラーやほかの心理職として活躍していきたいのであれば、心理学部だけでなく、その先の大学院への進学も見据えて進路を考えるべきでしょう。
立正大学 心理学部では、上記で紹介したさまざまな資格を取るのに有利になる講義が、数多く開講されています。
立正大学 心理学部は2つの学科に分かれていますが、それぞれ学べる内容や取れる資格に違いがありますので、ここから一緒に見ていきましょう。
臨床心理学科では、悩みを抱えた人の心をどのように理解し、援助すればいいかを探求する学問「臨床心理学」を中心に心理学を学びます。
カウンセラーとして、また教育や福祉などの対人支援の現場で活躍したい方におすすめの学科です。
臨床心理学科では、4年間を通じてカリキュラムに免許・資格取得のためのプログラムが組み込まれており、さらに学部やキャリアサポートセンターが多彩な講座を随時開講しているため、資格を取得しやすい環境が整っています。
以下は、臨床心理学科で取得を目指せる資格です。
特に、心理学において権威性の高い「臨床心理士」の取得を目指せるのが臨床心理学科の魅力です
対人・社会心理学科は、自分と他者を理解する力、人づきあいを円滑にする力、社会を動かす力の3つの力を獲得することを目指し、心理学を学んでいくのが特徴です。
対人コミュニケーションはもちろん、営業や販売、人材管理、マーケティング、コンサルタントなど、社会に出てから求められる力を身に付けられます。
対人・社会心理学科は、心理学に基づいた対人スキルを学べるのが何よりの特徴。
学部やキャリアサポートセンターが随時開講している多彩な講座を通してさまざまな資格取得を目指せるのは臨床心理学科と共通していますが、対人・社会心理学科の課程を修了し申請することで、社会調査協会から認定を受けられるのが大きな魅力となっています。
以下は対人・社会心理学科で取得を目指せる資格です。
代表的な心理学の資格には、公認心理師や臨床心理士、認定心理士などがあります。そして、心理系唯一の国家資格である公認心理師と、権威性の高い心理系の資格である臨床心理士は、心理学の資格として特におすすめです。
将来心理学に関する仕事に就きたい方や、心理学の資格を取りたいと考えている方は、立正大学 心理学部への進学も考えてみてはいかがでしょうか。
公認心理師の第8回国家試験(令和7年実施)の区分A(4年生大学を卒業した後、大学院で所定の科目を履修した方が受験する区分)において、立正大学 心理学部卒業生の合格者数は19名であり、全国の大学で第6位の合格者数でした。
公認心理師や臨床心理士の資格取得には、大学卒業後に大学院に進学するのが一般的なルートです。長き道のりを支えるため、立正大学 心理学部では、臨床心理学の専門的知識・技能を備えた人材の養成に尽力しています。