社会福祉学とは?学ぶこと・資格・社会福祉学部の就職先まで詳しく解説!

2025/05/31

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社会福祉学とは、「すべての人間一人ひとりが、人間らしく生きていく」ことを追求し、社会問題の解決や社会福祉について研究する学問です。
しかし、社会福祉学では、具体的にはどのようなことを学ぶのでしょうか?
今回は、社会福祉学と、大学の社会福祉学部で学ぶことについて解説しながら、立正大学 社会福祉学部で学べることについても紹介します。
さらに、社会福祉学部の就職先や社会福祉学に関する資格も紹介するため、社会福祉学に興味がある方、社会福祉学部への進学を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

社会福祉学とは

社会福祉学とは、「すべての人間一人ひとりが、人間らしく生きていく」をテーマに、それを実現するために社会問題や社会福祉にどうアプローチすべきかを研究する学問です。
社会福祉というと、まず思い浮かぶのが子どもや障がい者、高齢者などに対する福祉サービスではないでしょうか。
社会福祉学では、主にそういった福祉サービスについて、現在ある制度を学びながら、福祉サービスを受ける人々がもっと「人間らしく、幸せに生きる」ためにどうしていくべきかを考えます。
それだけでなく、社会福祉学が対象とするのは全人類です。福祉施設のほかにも医療機関や住宅、道路など、すべての人々が利用する施設についても、現在抱える課題やよりよくするための方法へアプローチします。
さらに、国内にとどまらず世界に目を向け、戦争や飢餓問題を取り扱うこともあります。

社会福祉学部で学ぶこと

大学の社会福祉学部では、社会福祉についてと、子どもや高齢者、障がい者などそれぞれを対象とした福祉を学修するほかにも、将来の進路を意識して特定の資格取得を目指す講義が設置されていることが多いです。
代表的な講義としては、社会福祉学の基礎となる「社会福祉原論」、福祉に関する法律や制度について学ぶ「社会福祉法制論」、生活保護の仕組みや運用について考える「公的扶助論」などがあります。
専門科目として「児童福祉論」「障害者福祉論」「地域福祉論」「医療福祉論」「社会保障論」などが設置されているのも一般的です。
加えて、後述する社会福祉士や保育士といった資格取得を目指した講義や、実際に福祉の現場で働く実習も履修できます。

立正大学 社会福祉学部で学べること

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立正大学には、社会福祉学部があります。
ここでは、立正大学 社会福祉学部の2学科で学べることについて、それぞれ解説します。

  • 社会福祉学科

    社会福祉学科は、社会福祉の価値や倫理を理解し、多角的な視点から、福祉・人間・社会・文化・教育を学べる学科です。
    社会福祉学科は、2つのコースに分かれているため、それぞれ紹介します。

    • ソーシャルワークコース
      ソーシャルワークコースは、「支援」に関する知識と技術を幅広く学び、人々の生活を支えるソーシャルワークのエキスパートを目指すコースです。
      国家資格の社会福祉士や精神保健福祉士、任用資格の社会福祉主事や児童福祉司、児童相談員などの取得をサポートする講義や実習が数多く用意されています。
      注目の講義は以下のとおりです。

      • ソーシャルワーク総論Ⅰ・Ⅱ…ソーシャルワークの基礎知識を学修します。
      • 精神保健福祉の原理Ⅰ・Ⅱ…精神保健福祉士の役割と、精神保健福祉の基本的な考え方について学びます。
      • スクールソーシャルワーク論…スクールソーシャルワーカーの役割と職務内容などについて学びます。
    • 教育福祉・社会デザインコース
      教育福祉・社会デザインコースは、さらに4つのプログラムに分かれます。
      • [特別支援プログラム]
        特別支援プログラムでは、人間の発達や福祉に関する知識を身に付け、障害のある子どもたちに対する教育実践力を高めることで、「教育」と「福祉」の双方の観点を持つ特別支援学校教諭を目指します。
        特別支援学校教諭一種免許(知的障害者、肢体不自由者、病弱者)、中学校教諭一種免許(社会)、高等学校教諭一種免許(公民)、障害者スポーツ指導員などの資格取得をサポートする講義や実習が充実しているのが特徴です。
        「障害者教育総論」や「障害児教育アセスメント法」、「知的障害者の心理・生理・病理」といった講義が受けられます。

      • [地域づくりプログラム]
        地域づくりプログラムは、福祉の観点から多様な人々の生き方や地域の課題に向き合い、解決に取り組む主体性と実行力を身に付けるプログラムになっています。
        社会調査やフィールドワーク、起業プランニングができるのが特色で、公務員や一般企業、福祉系企業・NPOへの就職のほかにも、起業を目指せるのも特徴です。

      • [多文化共生プログラム]
        多文化共生プログラムでは、多様な文化や価値、異文化コミュニケーションについて学び、多文化共生社会のあり方について学べます。
        一般企業(旅行業界等)や福祉系企業・NPO、公務員への就職のほか、英検準一級やTOEIC600点以上を目指せるのが特徴です。

      • [ユニバーサルデザインプログラム]
        ユニバーサルデザインプログラムは、多様な立場にある人たちと新しいコミュニケーションをひらくために、福祉の視点と考え方を理解し、実践する手法を学べます。
        NPOや福祉関連企業、一般企業への就職のほか、ユニバーサルマナー検定や色彩検定UC(色のユニバーサルデザイン)級などの資格取得を目指せるのが特徴です。

  • 子ども教育福祉学科

    子ども教育福祉学科は、教育・福祉・心理の3つの領域を総合的に学び、乳幼児・児童の発達の支援と、その家族や地域を支援する力を身に付けられる学科です。
    子ども教育福祉学科は、2つのコースに分かれているため、それぞれ紹介します。

    • 保育士 + 幼稚園教諭
      保育士 + 幼稚園教諭コースでは、保育士資格や幼稚園教諭一種免許、小学校教諭一種免許を取得するための実習を行っているのが特徴です。
      保育士資格や幼稚園教諭一種免許、認定心理士、准学校心理士、幼保英検、リトミック指導者資格、児童厚生員などの資格取得を目指すことができ、将来の進路として子育てや保育に関わるさまざまな職種を選べます。
      注目の講義は以下のとおりです。
      • 乳児保育…保育所等における乳児(0・1・2 歳児)の保育を担うために必要な知識や技術や、乳児を育てる保護者を支援する方法を学びます。
      • 保育内容の指導法…保育所や幼稚園等の子どもの育ちを支える教育に関わる領域の指導法を学びます。
      • 社会的養護…施設養護や里親制度、児童養護施設をはじめとする子どもたちの入所処遇に共通する養護上の基本原理、児童虐待における児童福祉施設の役割などについて学びます。
    • 小学校教諭 + 幼稚園教諭
      小学校教諭 + 幼稚園教諭コースは、GIGAスクール構想に対応した情報機器(ICT)が活用できる小学校教諭・幼稚園教諭を目指せるカリキュラムになっているのが特徴です。
      小学校教諭一種免許や幼稚園教諭一種免許、リトミック指導者資格、認定心理士、准学校心理士、幼保英検、児童厚生員などの資格取得を通して、小学校教諭・幼稚園教諭を目指します。
      注目の講義は以下のとおりです。
      • 教育学の基礎…身近な話題から教育問題を捉えることで教育とは何かを考える、課題解決型の授業です。
      • 国語…国語を巡るさまざまな考え方を理解し、小学校国語科を実際に指導するための基礎知識を学びます。
      • 初等教科教育法…小学校の教科の指導法に関する科目で、各科目を指導する上で必要な教材研究やICT(情報機器等)の活用方法などについて学びます。

社会福祉学部の就職先

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社会福祉学部は、就職や資格を意識したカリキュラムが組まれていることが多いため、就職がしやすいのが特徴の一つです。
ここでは、社会福祉学部を卒業した後の就職先として、代表的なものを紹介します。

  • ソーシャルワーカー

    ソーシャルワーカーとは、社会生活に支障を抱えている人々の相談に乗ったり、社会的支援を行ったりする仕事の総称です。
    具体的には、生活相談員や児童福祉司、障害者福祉司、ケースワーカー、地域包括支援センターの相談員などが挙げられ、就職先や対象とする相手によって名称が異なります。
    福祉の面から、困っている人々をサポートする仕事なので、社会福祉学部の就職先としては第一に挙げられるといえるでしょう。

  • 社会福祉施設

    社会福祉施設とは、子どもや障がい者、高齢者などで、社会生活を送るために福祉サポートを必要とする方々に支援を行う施設です。
    公営のものと私営のものがあり、私営のものは社会福祉法人や医療法人、株式会社などによって運営されています。
    具体的な名称としては、児童福祉施設、障害者支援施設、老人福祉施設、保護施設、婦人保護施設などがあります。

  • 介護職

    介護職は、主に高齢者や障がい者の生活を介護する仕事です。
    老人ホームやデイサービス、障害者支援施設、訪問介護事業所、医療機関などが主な就職先となります。
    特に資格を求められないことも多く、高齢者や障がい者の生活を身近に支えられるのが特徴です。

  • 公務員

    福祉に関する仕事が多い中、社会福祉学部の就職先として公務員が挙げられるのを意外に思う方もいるかもしれません。
    しかし、社会福祉学部を卒業して公務員になる方も多く、社会福祉学部のカリキュラムで得た価値観は、行政の場で国民や市民に寄り添う形で発揮されます。
    また、公的機関で前述のソーシャルワーカーとして働く場合も、公務員という扱いになります。

  • 病院

    社会福祉学部を卒業して病院で働く場合、「医療ソーシャルワーカー」として勤務することが多くなります。
    医療ソーシャルワーカーは、患者に対して心理的援助を行ったり、社会生活を滞りなく営めるよう支援を行ったりする仕事です。
    特に大きな病院だと、病院内に「福祉相談室」を設置し、そこで患者や家族からの相談を受け付けます。

社会福祉学に関する資格

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ここでは、社会福祉学に関する資格で、代表的なものを紹介します。

  • 社会福祉士

    社会福祉士は国家資格で、その名のとおり社会福祉学にもっとも関わりの深い資格といえます。
    社会生活に支障を抱える人々に対して、相談を受け付けたり支援を行ったりするソーシャルワーカーとして認められた証になります。
    社会福祉士試験は、福祉系の大学を卒業していれば受験資格を得ることが可能です。

  • 介護福祉士

    介護福祉士は、介護職の国家資格です。
    介護福祉士試験の受験資格を得るには、指定された養成施設や福祉系高校を卒業するか、実務経験を3年以上と指定された研修を修了することが求められます。

  • 精神保健福祉士

    精神保健福祉士は国家資格で、精神に障害や病を抱えた方を支援する仕事です。
    精神科病院や障害者支援施設、刑務所などに勤務します。
    精神保健福祉士試験の受験資格を得るには、福祉系の大学を卒業したり、相談援助実務を決められた年数経験したりすることが必要です。

  • 保育士

    保育士は、保育所や児童福祉施設などで児童を保育する仕事で、国家資格です。
    保育士になるには、指定保育士養成施設を卒業するか、保育士試験に合格する必要があります。
    保育士試験を受ける場合は、大学や短大を卒業していれば受験資格を得られます。

  • 社会福祉主事任用資格

    社会福祉主事任用資格とは、公務員として社会福祉に関する業務を行う際に必要となる任用資格です。
    任用資格とは、特定の職務に就く際に必要となり、そこで働くことで初めて効力を発揮する資格をいいます。
    社会福祉主事任用資格を取得するための試験はありませんが、大学や短大で指定科目を履修した上で卒業したり、都道府県の講習会を受けたりする必要があります。

  • 児童指導員任用資格

    児童指導員任用資格は、児童指導員として働く際に必要となる任用資格です。
    こちらも試験はなく、社会福祉学科を卒業していれば取得できるほか、児童福祉施設において2年または3年の実務経験があれば取得できます。

まとめ

人間一人ひとりの幸福を追及し、社会の問題や社会福祉について研究する社会福祉学では、各福祉分野の知識や技術、またさまざまな人が生きやすい社会について学んでいきます。
社会福祉学部の就職先として、社会福祉士といった福祉分野はもちろん、培った価値観を生かして公務員や一般企業も選択肢に入るでしょう。
立正大学 社会福祉学部は、社会福祉学科と子ども教育福祉学科に分かれており、学生の興味や進路に沿った多様な資格取得支援も行っています。
社会福祉に興味がある方は、立正大学 社会福祉学部への進学も考えてみてはいかがでしょうか?