臨床心理学専攻は、平成17年4月より公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会により第1種指定大学院に指定され、準拠したカリキュラムのもと臨床心理学の各種理論に基づく実践的学習と研究に力点を置いた教育を行っています。臨床心理士資格を有する10名以上の教員が指導にあたり、教育、福祉、医療、産業、司法など様々な臨床領域の経験豊かな教員による実践的な研究指導体制がとられています。
また、豊かな人間性と広い視野を持ち、高度な専門的知識と技術を身につけた専門的職業人、社会性・共感性のある心理的援助職従事者を養成するため、学内の「心理臨床センター」や学外の学校、福祉施設、保健医療機関、教育相談機関などで実習や教育訓練が行われています。
最終的に、所定の単位を30単位以上修得し、修士論文を提出して審査に合格すると、臨床心理士受験資格を得ることが出来ます。さらに、専門性を深め、研究者を目指す修了生もいます。
応用心理学専攻は、専門性が高い心理学または教育学の知識に基づく教育・研究の推進により社会に有為な人材の育成をめざしています。本専攻では、認知・行動・産業・教育などの心理学および教育学の主要領域をカバーし、それらの諸領域に関わる理論的・実証的研究に重点をおいたカリキュラムが編成されています。このカリキュラムのもとに理論と実習を組み合わせた学習に力点を置くと同時に演習科目の充実を図り、指導教員による徹底した個別指導によって、研究を遂行するために必要な多面的な力を育てていきます。
また、修士課程修了後、研究者としてあるいは実践家として自立するためには、狭い専門性にとらわれることなく幅広く現代の科学的心理学の知識を体得していくことも重要です。そのため、学外から招聘する専門家による特論科目が設置され、これらを履修することができます。
このような教育・指導体制により、国際化・高度情報化・少子高齢化社会に対して、幅広くかつ柔軟に対応し得る専門的な応用心理学的スキル、教育学的スキル、産業心理学的スキルなどを習得することができます。
修士課程対人・社会心理学専攻は、平成23年度に心理学部の中に対人・社会心理学科が設置されたことを受けて、平成24年度に心理学研究科に開設された専攻です。カリキュラムには対人・社会心理学の広範な領域(自己・対人領域、社会・文化領域)をカバーした専門科目に加えて、社会調査士の資格取得者には専門社会調査士の資格が取得できるスキル系科目を設けています。
また、多様な要望や関心に応えることができるよう、この分野においてそれぞれ異なる研究テーマを持つ専門教員を多数配置し、きめ細やかな研究指導を行っています。これにより、幅広い社会現象や社会的行動に対して実証的にアプローチする技能と対人・社会心理学の高度かつ専門的な知識を修得し、その知識・技能を活かして現実社会の諸課題を深く理解し、解決していくことのできる人材を育成することを目標にしています。
博士後期課程の心理学専攻は、心理学の高度な知識と実践を融合し、21世紀における少子高齢・高度情報技術社会がもたらす様々な問題に対して柔軟に対応できる専門性の高い人材養成を目指していきます。
本専攻は主に、臨床、応用、および対人・社会心理学の3領域から構成されております。博士課程に在籍する学生は、3年間の個別研究指導を通して所定単位を取得し、さらに自ら選んだ研究テーマに沿って学会機関誌へ論文投稿を行い、それが採択されることによって博士論文提出資格が得られます。
心理学研究科は、心理学の基礎知識・技能を基に、これをさらに発展させ、建学の精神を身につけて時代の変化に即応できる柔軟な思考と能力をもつ自立的な研究者・高度な職業専門人を養成することおよびそのために必要な教育研究を行うことを、人材の養成に関する目的その他の教育研究上の目的とします。