学長メッセージ

学長メッセージ 第36代学長 北村 行伸

立正大学は日蓮宗の教育機関「飯高檀林」を源流に持ち、明治5年の小教院設立から150余年を数える由緒ある大学です。現在は品川と熊谷のキャンパスに9学部16学科、1万人強の学生を擁する総合大学にまで成長しました。

現在、世界は情報通信技術やAIの急激な進歩を背景に、新しい産業革命期に入っています。その中で、大学に求められる人材育成のあり方も当然変化しています。私は立正大学を「知的拠点」としてさらに発展させ、世界史的な視野をもって、今後の日本社会、そしてより広く国際社会に貢献していく人材を育成し、大学自体も様々な形で社会貢献していけるよう導いていきたいと考えています。そのためにも今後は立正大学の姿を国内外に積極的に情報発信し、確かなメッセージを出していく必要があると思います。

本学は日蓮聖人の教えに根差した「真実の探究」「正義の追求」「和平の願い」を建学の精神とし、「モラリスト×エキスパート」を学園メッセージとして掲げ、豊かな倫理観と高い専門性を兼ね備えた人材を育てることを目指しています。ここで言う「エキスパート」とは、一時的な流行や表面的な解決策に飛びつくのではなく、10年、20年といった長いスパンで物事を深く掘り下げ、自らの専門性を磨き上げる姿勢を身につけた人材のことです。
「モラリスト×エキスパート」は「足し算」ではありません。豊かな精神性と専門性を併せ持ち、そのベクトルがより良い方向を向く「掛け算」なのです。どちらか一つが欠けても求める人材にはなりません。そのためにも、答えを急ぐのではなく、持続的に探究する。それこそ本学が目指す方向だと思っています。

学生の皆さんには幅広い倫理観と専門知識、そして飽くなき好奇心を持ち続けていただきたいと思っています。立正大学では文系・理系といった枠組にとらわれない横断的な学びも提供しています。自分に必要な知識を自らの判断で学び取る力を身につけていってください。「真面目でおとなしい」というのが世間一般の本学に対するイメージのようです。それは大変良い評価ですが、それだけに留まらず、その真面目さで課外活動やインターンシップ、ボランティア活動などにも積極的に参加し、社会とのつながりの中で「自分」を見出し、成長していってください。
立正大学は、学生が未来を切り拓く力を育む場、そして社会に貢献する知的拠点であるために、仏教の平和的価値観やエコロジカルな視点から、持続可能な社会の実現に向けた取組を強化していきます。そして皆さんが明るい未来を拓いていけるよう、全力でサポートしていきます。