宗教学とは?宗教学は仕事に生かせる?

2025/05/31

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宗教学とは、その名のとおり宗教について研究する学問です。
しかし、具体的にはどんなことを学ぶのでしょうか?
また、宗教学に興味を持っている方の中には、「宗教学を学びたいけど、将来に生かせるのかな…?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。
今回は、宗教学とは何か、具体的に解説しつつ、宗教学を生かせる仕事も紹介します。
さらに、宗教の中でも仏教に焦点を当てて学ぶことができる立正大学 仏教学部についてもご紹介します。

宗教学とは

初めに、宗教学とは何か、そして宗教学では何を学ぶのかを簡単にご紹介します。

  • 宗教学とは

    宗教学とは、仏教やキリスト教、イスラム教をはじめとしたさまざまな宗教について、その起源から思想、歴史、現代社会への影響まで幅広く研究する学問です。
    特定の宗教や宗派に絞って研究するというよりも、さまざまな宗教を学んだり比較したりすることを通して、人間の内面を探っていく学問といえます。
    人間一人ひとりの考え方や倫理観、死生観には、何かしらの宗教への信仰が影響していることが多いです。特に、海外の国々や人々ではその傾向が顕著になります。
    したがって宗教学を修めることは、自己理解や他者理解を可能にするだけでなく、現代の世界中の社会問題への深い理解と、問題解決への糸口を見いだすことにつながります。
    近年ますます必要とされているグローバル人材を目指す方にとっても、宗教学の知識、すなわち信仰を持つ人々の内面への理解は、社会で活躍する上で必ず役に立つでしょう。

  • 宗教学で学ぶこと

    宗教学では、主に宗教思想そのものや宗教学をどう活用していくかを学ぶほかに、宗教学とそのほかの分野のつながりについても学んでいきます。
    例えば「宗教思想学」ではさまざまな宗教の思想や信仰を理解し、「実践宗教学」では宗教学を現代の社会問題にどのように応用していくかを学ぶことが多いです。
    さらに、宗教と歴史の関係を学ぶ「宗教史学」、宗教が心理に与える影響を研究する「宗教心理学」、宗教を比較して分析する「比較宗教学」なども挙げられます。
    宗教そのものや宗教全体を研究し続けるのはもちろん、一つの宗教をテーマに学びを深めていくことも可能です。

立正大学 仏教学部で学べること

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立正大学には、宗教学の中でも仏教について学べる仏教学部があります。
仏教学部は、1・2年次に学部共通科目を履修し、3年次進級時に学科(コース)を決め、卒業にかけて学生それぞれが専門分野を研究していく仕組みです。

  • 仏教学科

    仏教学科は、アジアに広がる仏教の多様性を視点に、異文化理解を深めていくのが特徴です。
    仏教学科の2つのコースと、それぞれで学べることを紹介します。

    • 歴史・思想コース
      歴史・思想コースのコンセプトは、世界の異なる思想や歴史を多面的に学び、物事の本質を理解する力を育むことです。
      仏教の思想そのものや歴史的背景の理解を目的に、丁寧に文献や史料を読み解く手法を身に付けられます。
      このとき、古典文献や史料の解読に必要なサンスクリット語やパーリ語、チベット語、漢文など、特殊言語を基礎から学べるのは大きな特長です。
      さらに、伝統的な仏教学の柱であるアビダルマや中観、唯識、天台、華厳の諸思想や、日本人の思惟方法に大きな影響を与えた法華経の思想や教理などを系統的に学べます。

    • 文化遺産・芸術コース
      文化遺産・芸術コースのコンセプトは、仏像・仏画などの鑑賞や制作を通して、文化への総合的な感性を磨くことです。
      比較文化や比較宗教、文化財保存学、文化史などの多彩な科目を通して、異文化理解を深めます。
      また、仏教文化を肌で感じるべく、仏画や仏像制作などの実習型授業も受けられます。
      仏教の影響下で生み出された文化や、異なる世界観のもとで育まれた文化を、多元的アプローチで学んでいくカリキュラムが特長です。

  • 宗学科

    宗学科は、日本仏教諸宗派の思想や歴史を対象に幅広く学べるのが特徴です。
    宗学科の2つのコースと、それぞれで学べることを紹介します。

    • 日本宗教・文化コース
      日本宗教・文化コースは、日本仏教の歩みを体系的に学び、そこから得た叡智を現代に生かす応用力を身に付けるのがコンセプトです。
      日本仏教を中心とした宗教に焦点を当て、日本の歴史や思想、文化について学びます。
      そして、「人間とは何か」という問題を考えながら、現代社会が抱えるさまざまな問題にアプローチしていきます。
      仏教について段階的・総合的に学べるカリキュラムとなっており、一部科目は日蓮宗の資格「僧階講座」にも対応しているのがポイントです。

    • 法華仏教コース
      法華仏教コースは、日蓮聖人の思想や行動をたどり、法華経の教えを自ら実践しながら受け継ぐ担い手を育成することがコンセプトです。
      日蓮聖人の思想や行動、その礎となった法華経の教え、日蓮教団の歴史的展開に関する学修を通じて、高尚なる精神性を学べます。
      法華仏教の本質を段階的に学べるカリキュラムが特長で、経典や古文書の原典の講読に向けて、古文・漢文の基礎からしっかりと理解できます。

宗教学を生かせる仕事

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「宗教学は仕事にあまり役立たないのでは?」「就職に不利そう」と考えている方もいるかもしれません。
しかし、人間の心に焦点を当てた宗教学の知識は、どの業界・職種でも生きます。実際に、大学の宗教学部を卒業した学生の多くが公務員や一般企業の会社員として活躍しているのです。
そのため、ここでは、社会の数ある仕事の中でも、特に宗教学の知識が役立つ仕事を紹介します。

  • 冠婚葬祭

    宗教と深い関わりがあるのが冠婚葬祭の仕事です。代表的なのはウェディングプランナーや葬祭スタッフなどですが、僧侶や神職も冠婚葬祭の仕事に含まれます。
    僧侶は仏教を修め、寺院で故人の供養や寺院の運営業務に勤めます。対して神職は、神社にて祭儀を執り行ったり神社内を清掃したりするのが主な役目です。
    僧侶や神職になるには、修行をする、もしくは特定の課程を修める必要があります。
    一方で、ウェディングプランナーや葬祭スタッフは特別な学歴や資格こそ求められませんが、キリスト教や仏教などに基づいた儀式に携わるため、宗教学の知識が大いに生きるでしょう。

  • グローバルな仕事

    グローバルな仕事とは、例えば外資系企業の会社員や外交官、通訳・翻訳家、パイロット・キャビンアテンダント(CA)などが該当します。
    日系企業でも、海外に多く拠点を持つ企業であれば海外駐在員としてグローバルに活躍することもできるでしょう。
    宗教学では、宗教の知識を通して他者理解や社会問題への理解を深められます。グローバルな仕事に就けば、宗教学で培った知識や視野の広さを存分に生かせるはずです。

  • 研究職

    宗教学を研究することで生計を立てられるのが研究職です。
    研究職は、研究所に勤めるか、大学で教授として生徒を指導しながら研究を進めるのが主な働き方になります。
    宗教学を研究することは、現代の社会問題を解決することにつながります。
    就職難易度は高いですが、非常にやりがいを感じられる仕事といえるでしょう。

まとめ

宗教学とは、仏教やキリスト教などのさまざまな宗教について、その起源から思想、歴史、現代社会への影響まで幅広く研究する学問です。
宗教は、私たちの生活や社会に強く根付いています。
宗教学の知識は、身の回りの文化や世界中の出来事を多角的に理解する力を養ってくれるでしょう。
立正大学 仏教学部には、アジアに広がる仏教の多様性を学ぶ「仏教学科」と、日本仏教諸宗派の思想や歴史を学ぶ「宗学科」の2学科があります。
宗教の中でも、特に仏教に興味があるという方は、ぜひ立正大学 仏教学部への進学も考えてみてください。