熊谷市が「スポまち!表彰2025」受賞 —データサイエンス学部が地域スポーツDXの実現に向けたデータ活用設計・映像分析支援を担当—

教育・研究

埼玉県熊谷市(市長:小林 哲也、以下「熊谷市」)と立正大学 データサイエンス学部(学部長:家富 洋)、熊谷市サッカー協会(会長:黒澤 三千夫)、NTT東日本株式会社 埼玉支店(支店長:小池 哲哉、以下「NTT 東日本」)、株式会社NTTSportict(代表取締役社長:中村 正敏、以下「NTTSportict」)は、2025年1月17日(金)に締結した「産学官連携による映像分析を用いた地域スポーツ活性化に関する共同研究協定書※1」に基づき、地域スポーツの振興とスマートシティの推進を目的に、スポーツDXソリューションを活用した共同研究(以下、「本共同研究」)を実施してまいりました。

この度、本共同研究の運営主体である熊谷市は、スポーツ庁が主催する「スポーツ・健康まちづくり優良自治体表彰(スポまち!表彰)2025」を受賞しました。これは、スポーツ庁が2021年に創設した制度で、スポーツを活用したまちづくりに積極的に取り組む自治体を応援し、各自治体のアイデアの中から優良自治体を審査・選出して表彰するものです。

本共同研究での取り組み内容が映像分析を活用した産学官民の連携による先進的なモデルケースとして高く評価されました。

<受賞式の模様>

1.受賞概要

受賞名

スポーツ庁「スポーツ・健康まちづくり」優良自治体表彰2025
 スポーツ庁プレスリリース:https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/houdou/jsa_00211.html

授賞式

2025年11月18日(火) 三田共用会議所にて開催

受賞内容

  1. 施策名:産学官によるスポーツDXで熊谷を日本一アツいスマートシティへ
        ~AI技術で誰もがデータ分析にチャレンジできる街に~
  2. 実施期間:2025年1月17日〜2025年9月30日
  3. 実施場所:熊谷市スポーツ・文化村「くまぴあ」内 人工芝グラウンド 等
  4. 実施目的:スポーツDXを通じた地域スポーツの振興による地域活性化について調査検討すること
  5. 実施内容:
    熊谷市スポーツ・文化村「くまぴあ」内 人工芝グラウンドにAIカメラを設置し、地域スポーツの映像化及び映像分析ソフトによる映像分析を実施し、評価と課題の検討※2等を行う。

    ■技術的特徴
    AIカメラ「STADIUM TUBE」※3による自動撮影と映像分析ソフト「VIDSWAP」※4によるパフォーマンス解析で、選手の動きや戦術を可視化。指導者は客観的なデータに基づいたフィードバックが可能となり、選手の理解度や意識の向上につながりました。

    ■社会的意義
    映像とデータを“共通言語”として活用することで、指導者・選手・研究者・行政が同じ視点で課題を共有し、改善に向けた対話が生まれました。地域スポーツの質的向上に寄与しています。
  6. 施策詳細:

2.各者の役割

団体名 役割・内容
熊谷市 ・本取り組みの運営主体
・実施フィールドの提供
立正大学データサイエンス学部 ・地域スポーツ団体とのデータ活用目的および目標の設定
・映像分析ソフト等による分析およびフィードバック、データの活用方法のレクチャー等
熊谷市サッカー協会 ・協力チームの調整
・AIカメラで撮影した試合の映像データ提供
NTT東日本 ・本取り組みのプロジェクトマネジメント
・映像分析ソフトの準備、ネットワーク環境の構築
・地域スポーツ向けの新たなサービスの検討
NTTSportict ・AIカメラの機材および配信サイトの提供、導入時の運用レクチャー
・AIカメラや配信サイトや映像分析ソフト利用時のオンラインサポート
・地域スポーツ向けの新たなサービス検討

3.受賞コメント

熊谷市 副市長 大島 英司

「この度の『スポまち表彰』受賞に当たり、御支援御協力いただきました全ての関係者の皆様に厚くお礼申し上げます。データや映像は地域スポーツに関わる全ての人が立場や役割を超えて共通の視点で対話を進めるための“共通言語”となり、地域スポーツの活性化に大きく寄与すると考えています。
引き続き、スポーツを『する』だけでなく、『みる』、『ささえる』機会の創出を図ること及びスマートシティの推進に力を入れて取り組んでまいります。」

立正大学 データサイエンス学部 准教授 永田 聡典

「この度の受賞にあたり、市役所のみなさまをはじめ連携してくださったみなさま、ご協力いただいたチームのみなさまに、心より感謝申し上げます。また、本連携における分析とチームのみなさんへのフィードバックは、学生が主体的にデータ分析や課題解決に取り組んだ成果であり、そのひたむきさに深く敬意を表します。
データや映像は立場や役割をこえて対話を進めることができる共通言語でもあり、本連携は産学官民連携の価値とその必要性の高さを示すものと認識しております。立正大学データサイエンス学部では、教育・研究を通じたデータ人材育成と地域スポーツの活性化に今後も取り組んでまいります。」

熊谷市サッカー協会 会長 黒澤 三千夫

「『スポまち表彰』受賞の一端を担えたことは、関係者としての喜びとともに『産学官によるスポーツDXで熊谷を日本一アツいスマートシティへ』への一歩が踏み出せたと思います。これを機に地域スポーツのさらなる活性化と、データと映像を活用した新たな取り組みが評価されることにより、スポーツコミッションにも大きな効果を期待することができると考えています。
今後も産学官連携のもと、あらゆるスポーツを視野に入れて展開していきましょう。」

NTT東日本 埼玉支店 第一ビジネスイノベーション部 地域基盤ビジネスグループ長 田端 秀章

「本プロジェクトをご評価いただき光栄に思います。ご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
映像からのフィードバックで運動の改善をすることは、いまや小学校の授業でも行われておりますが、サッカーのような膨大な映像データからの抽出・分析は容易ではありません。
今回、誰もが簡単に映像を記録・分析できる仕組みを実現し、選手とチームの強化策における、一つのモデルケースになったと考えています。熊谷市発の本取組をもとに、全国のスポーツ発展に貢献できると幸いです。」

NTTSportict 代表取締役社長 中村 正敏

「この度の『スポまち表彰』受賞は、産学官民連携の価値を改めて示すものであり、ご尽力いただいた全ての関係者に厚く御礼申し上げます。
取り組みを通じて、地域スポーツDXが『課題の可視化』と『成長支援』に大きな可能性を持つことを確信しました。
今後も熊谷市での映像データ分析文化の定着をより一層後押しするとともに、この経験を起点にスポーツDXを全国へ展開し、地域スポーツの発展に貢献してまいります。」

4.今後の展望

今回の受賞を契機に、熊谷市ではスポーツDXの導入を通じた地域スポーツの活性化および「デジタルと人の力で、社会を前に進めていく」まちづくりのさらなる推進に向けた取り組みを検討します。立正大学 データサイエンス学部では教育・研究への応用を進め、データを扱える人材育成に取り組み、熊谷市サッカー協会では、あらゆるスポーツへの展開を視野に入れながらスポーツDXを広める取り組みとして活かしてまいります。NTT東日本および NTTSportictは、地域スポーツ向けの新たなサービス展開に向けた検討を進め、他地域への展開も視野に入れています。

今後も産学官民の連携による地域活性化モデルとして、さらなる発展をめざし、取り組んでまいります。