本学名誉教授髙嶌正人先生が2021年9月15日に(享年97)ご逝去され、2022年9月15日(木)に本学品川キャンパスにおいて「故髙嶌正人先生を偲ぶ会」を挙行しました。
髙嶌正人先生は、昭和27年3月立正大学文学部史学科をご卒業され、平成6年3月に定年退職されるまで足掛け43年間の長きにわたって立正大学学園に係わり、学生の教育と研究、大学、高校、中学並びに法人等の運営にあたられました。
昭和60年4月に立正大学文学部より校長に着任され、3期9年にわたり校長職を勤められました。また、平成12年には、学園理事長にご就任され、学園の発展にご尽力いただきました。
本日ここに立正大学名誉教授、元立正大学学園理事長、元立正大学付属中学校・高等学校校長、髙嶌正人先生のご遺徳を偲び、謹んで哀悼の意を表します。
先生は、昭和27年3月立正大学文学部史学科をご卒業され、平成6年3月に定年退職されるまで足掛け43年間の永きにわたって立正大学学園に係わり、学生の教育と研究、大学、高校、中学並びに法人等の運営にあたられました。
いま、それらを顧みますれば、昭和29年3月立正大学大学院文学研究科国史学専攻修士課程を修了後の4月に、立正大学文学部の助手、昭和33年4月に同学部の専任講師、昭和39年4月に助教授、昭和46年4月には教授として立正大学史学科の教員としてご尽力を頂きました。また、昭和56年3月に文学博士号を受け、日本古代史研究の充実発展に尽くされました。研究者としても、諸氏族の研究においては、著書「奈良時代諸氏族の研究」や「藤原不比等」、「奈良時代の藤原氏と朝政」等の不朽の足跡を刻まれました。
そして、昭和60年4月から平成6年3月までの3期9年間にわたり中学高等学校長職に就かれ、中学高等学校の6年間一貫教育の重要性と「行学二道」の建学の精神を現在に繋げるべく発展に寄与されました。また、平成12年には学園理事長にご就任され、その4月には、大学院社会福祉学研究科修士課程が熊谷キャンパスに設置され、熊谷における研究分野が大きく発展した時代でもありました。さらには、品川キャンパスにおいては、現在の11号館建設用地を取得するなど、時代の変遷に対応した学園運営に貢献されました。
以上のごとく、髙嶌先生には40数年間にわたって高等教育の研究者、教育者として、また評議員、理事、理事長としてご活躍され、立正大学学園が輝かしき歴史の一頁を飾る開校150周年を迎えることができましたのも、先生のご尽力の賜物と思います。残された私ども教職員一同、異体同心のもと、学園発展のために専心努力致すことをここにお誓い申し上げる次第です。
茲に先生の永年に亘る多大なる御功績を賛嘆し、甚甚なる感謝の意を込めて謹んで先生の増圓妙道を祈念し、お悔やみの言葉と致します。
令和4年9月15日
学校法人立正大学学園 理事長 望月 兼雄
立正大学名誉教授髙嶌正人氏は、心不全により2021年9月15日に逝去された。享年97。
1924年2月13日長崎県東彼杵郡川棚町生まれ。1942年立正大学専門部(宗教科)入学、44年9月繰上卒業、50年立正大学文学部(史学科)入学、52年同卒、52年立正大学大学院(国史学専攻)入学、54年同修士課程修了。同年立正大学助手、58年立正大学専任講師、64年助教授、71年教授、94年定年退職。2000年立正大学学園理事長。1988年~94年日本歴史学協会委員長。専門は日本古代史。奈良時代氏族(議政官補任氏族・貴姓諸氏族・卑姓諸氏族)の悉皆解明を志向し、『奈良時代諸氏族の研究-議政官補任氏族—』(吉川弘文館、83年)を公刊した。『奈良時代の藤原氏と朝政』(吉川弘文館、99年)のほか、『藤原不比等』(人物叢書、吉川弘文館、97年)で不比等を縦横に活写、また、「七、八世紀における法華経信仰の受容と展開」(勝呂信静編『法華経の思想と展開』平楽寺書店、2001年)で光明皇后の法華信仰について論じた。
他方、立正大学の史学を宗教社会史の観点から展開する方向を示し、立正大学史学会創立80周年等記念事業実行委員会編『宗教社会史研究』ⅠⅡⅢ(雄山閣、1977年・85年・2005年)を編んで後進を指導するとともに、立正大学史学会の機関誌『立正史学』、『史正』の編集刊行に尽力した。
※「学界消息」(日本歴史学会『日本歴史』第887号. 令和4年4月1日発行)
大正13年2月 長崎県東彼杵郡川棚町にて出生
昭和16年 福岡県鞍手中学校卒業
昭和19年 立正大学専門部宗教科(繰上げ卒業)
昭和23年4月 長崎県上波佐見中学教諭(昭和25年4月迄)
昭和27年3月 立正大学文学部史学科卒業
昭和29年3月 立正大学大学院文学研究科国史学専攻 修士課程修了
昭和29年4月 立正大学文学部助手
昭和33年4月 立正大学文学部専任講師
昭和39年4月 立正大学文学部助教授
昭和46年4月 立正大学文学部教授(平成6年3月迄)
昭和56年3月 立正大学より文学博士の学位授与
昭和60年4月 立正中学・高等学校長(平成6年3月迄)
昭和60年4月 立正大学学園評議員(平成6年3月迄)
昭和60年6月 立正大学学園理事(平成元年5月迄)
平成3年6月 立正大学学園理事(平成6年3月迄)
平成6年3月 立正大学定年退職
平成12年4月 立正大学学園理事長(平成13年5月迄)
導師:望月理事長
寺尾学長
大場校長
坂誥特別栄誉教授