手川誠士郎名誉教授
手川誠士郎名誉教授は、昭和44年3月に立正大学大学院文学研究科哲学専攻修士課程を修了し、立正大学文学部哲学科助手、講師、助教授を経て昭和61年4月に立正大学文学部教授、平成元年4月に立正大学学監、平成7年4月に文学部長、平成18年に立正大学学園理事に就任されました。平成23年3月に立正大学を定年にて退職されるまで哲学の教育・研究に努め、平成23年4月に立正大学名誉教授になられました。特に立正大学文学部長を務められている間には教学組織の再編等に尽力され多大な功績を残されました。また、平成13年6月から令和2年3月まで、公益財団法人小原白梅育英基金選考委員として、大学生の学びの支援に取り組まれました。
哲学の教育においては、立正大学建学の精神である「正義を尊び邪悪を除き、和平を願い人類に尽くす」ことのできる、実存的自覚をもった学生の育成に尽力なされました。また哲学の研究においては、近現代哲学の捉える具体性を欠いた単に抽象的産物にすぎない純粋自我存在を、19世紀キルケゴールから始まり20世紀のサルトルやハイデガーによって看取された具体的で批判的、かつ自律的な実存性から捉えなおし、自覚的実存を中心にすえた独自の哲学を確立し、現代社会への実存主義的批判を展開されました。