内部質保証に関する方針

本学は、理念・目的の実現に向け、大学の質の保証と向上を図り、社会に対しその状況を発信するため、内部質保証に関する方針を次の通り定めます。

  1. 基本的な考え方——本学のミッションと内部質保証

    本学は、私学として一定の自主性・自律性をもちながらも、国から学位授与機能を負託された高等教育機関として一定の社会的要請に応えるべき立場にあります。加えて、そもそも本学は、その校名の由来に示されるように、正しきを立て(=立正)、人類社会の和平の実現のために尽くすこと(=安国)を自らの理念・目的として掲げています。このように自律的・社会的な存在である本学にとって、「PDCAサイクル等を適切に機能させることによって、質の向上を図り、教育、学習等が適切な水準にあることを大学自らの責任で説明し証明していく学内の恒常的・継続的プロセス」と定義される内部質保証を推進することは、自明の責務です。
    本学は、以上のような考え方に基づき、学長をリーダーとした全学的な教学マネジメント体制のもと、教育研究等活動の質を向上させるための継続的な仕組みを開発し、これを適切かつ有効に機能させ、その結果を学内外に向けて公表し、もって教育研究等の質を自ら保証します。
    全学的な内部質保証推進の対象は、教員研究組織(大学基準3)、教育課程・学習成果(大学基準4)、学生の受け入れ(大学基準5)、教員・教員組織(大学基準6)、学生支援(大学基準7)、教育研究等環境(大学基準8)、社会連携・社会貢献(大学基準9)としますが、これらのうち教育課程・学習成果(大学基準4)をより重視します。

  2. 全学内部質保証推進組織
    1. 教育の内部質保証[大学基準4関係]
      1. 学士課程教育

        全学教育の内部質保証に第一次的な責任を負う組織は、全学教育推進センター(センター長=学事担当副学長)です。同センターは、同時に、各学部による当該学部教育の内部質保証を全学的・組織的にマネジメントする役割・責任をも担います。いずれの場合も、手続は同センター運営委員会、責任事務局は学事部学事課です。
        全学教育推進センターによる上記2つの取り組みについて、最終的な全学内部質保証推進組織としてマネジメントする役割・責任を担う組織・手続が自己点検・評価委員会(委員長=学長)で、その補助機関が同小委員会(委員長=自己点検・評価担当副学長)です。責任事務局は学長室総合経営企画課です。
      2. 大学院課程(修士課程、博士後期課程)教育

        全学教育の内部質保証に責任を負う組織・手続は、常務連絡委員会(委員長=大学院担当副学長)です。同委員会は、同時に、各研究科による当該研究科教育の内部質保証を全学的・組織的にマネジメントする役割・責任をも担います。責任事務局は学長室秘書課です。
        常務連絡委員会による上記2つの取り組みについて、最終的な全学内部質保証推進組織としてマネジメントする役割・責任を担う組織・手続が自己点検・評価委員会(委員長=学長)で、その補助機関が同小委員会(委員長=自己点検・評価担当副学長)です。責任事務局は学長室総合経営企画課です。
    2. その他(教育以外)の内部質保証[大学基準3, 5-9関係]

      その他(教育以外)の事項に関する内部質保証に責任を負う全学的な組織・手続は、当該事項を所掌するセンター・委員会等(責任者は当該センター長、当該担当副学長等)です。当該センター・委員会等は、同時に、各学部・研究科による当該事項に関する内部質保証を全学的・組織的にマネジメントする役割・責任をも担います。いずれの場合も、責任事務局は当該事項を所掌する事務局です。
      当該全学組織による上記2つの取り組みについて、最終的な全学内部質保証推進組織としてマネジメントする役割・責任を担う組織・手続が自己点検・評価委員会(委員長=学長)で、その補助機関が同小委員会(委員長=自己点検・評価担当副学長)です。責任事務局は学長室総合経営企画課です。
  3. 全学内部質保証推進組織と学部・研究科等との関係

    大学運営を円滑かつ実効的に行うのに必要な事務組織を置き、その相互の連携を図ります。事務職員の資質向上・職能開発(SD)については、大学をめぐる社会的動向と事務組織・職員の役割を知るための研修機会を学内外で設けるとともに、個々人のSD努力・成果に対する支援策を講じます。人事においても、可能な限り、各職員の資質・能力を活かせるような人事計画・制度を不断に追求します。

    1. 学部・研究科による内部質保証

      上に掲げた全学組織を第二次的または事項により第三次的な組織とすれば、各学部・研究科は、当該事項に関する第一次的でより直接的な内部質保証推進組織として位置づけられます。複数学科・専攻からなる学部・研究科にあっては、当該学科・専攻との関係では第二次的な組織となります。
      各学部・研究科による内部質保証推進の対象は、教育課程・学習成果(大学基準4)、学生の受け入れ(大学基準5)、教員・教員組織(大学基準6)、学生支援(大学基準7)としますが、これらのうち教育課程・学習成果(大学基準4)をより重視します。
    2. 全学内部質保証推進組織との関係

      各学部・研究科による内部質保証について、最終的な全学内部質保証推進組織としてマネジメントする役割・責任を担う組織・手続が立正大学・立正大学大学院自己点検・評価委員会(委員長=学長)で、その補助機関が同小委員会(委員長=自己点検・評価担当副学長)です。つまり、各学部・研究科(学部長・研究科長)は、同委員会(学長)との関係で、自らが行う内部質保証の機能の有効性について同委員会(学長)に対し責任を負うという関係性になります。
  4. 教育の内部質保証システムの運用指針
    1. PDCAサイクル

      P:理念・目的および教育目標に照らして、「卒業認定・学位授与の方針」、「教育課程編成・実施の方針」、「入学者受入れの方針」(以下、「三つの方針」という。)を一体的に策定します。三つの方針については、その他の方針とあわせて「方針集」に集約・掲載することで、日常的に携行・参照可能な形をとります。当該年度の教育関連事業計画および将来計画は、三つの方針等に基づいて立てます。

      D:三つの方針・計画等に基づき、正課の内外で、当該年度の教育活動を展開します。

      C:自己点検・評価活動として、当該年度の教育活動の有効性について、特に学習成果の多角的な測定方法を組み合わせながら、検証します。検証結果については、毎年度作成・公表する自己点検・評価報告書に集約します。その作成過程では、自己点検・評価小委員会の年次報告書部会と各責任主体との意見交換会を重視します。同報告書の終章では、全学的・組織的に把握・共有すべき当該年度の主要な課題とGP(グッドプラクティス)を明示します。自己点検・評価の客観的な妥当性を担保するため、外部評価委員会を毎年開催し、その結果を公表します。認証評価機関(公益財団法人大学基準協会)による大学評価・認証評価は7年以内に1回受審します。方針そのものの妥当性については、「定期検証事項チェックリスト」によって検証します。

      A:上記Cで把握した課題やGP(グッドプラクティス)は自己点検結果リスト(タスクリスト、GPリスト)に掲載し、全学内部質保証推進組織たる自己点検・評価委員会において全学的・組織的に共有すべきものとして公認します。当該責任主体は、当該公認課題について具体的な改善計画を立て、タスクリストに記入し、提出するとともに、学長との関係で必ず改善を図るべき立場に立たされます。かくして、検証結果を踏まえた教育課程・方法等の向上・改善を確実に図ります。
    2. 全学内部質保証推進組織の役割・責任

      全学内部質保証推進組織は、教学マネジメント上、関係全学組織および各学部・研究科によるPDCAサイクルの運用が有効に機能するよう必要な指示または支援を行い、もって本学の教育全体の質を向上させ、かつ学内外に対して保証する責任を負います。