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ゼミナール

山本貴啓ゼミ

山本貴啓ゼミ詳細

決算書の読み方を学び、ブラック企業を見分ける術を身につける

ビジネスパーソンにとって、上場企業の決算書を読めるようになるということは必須の要件です。山本ゼミでは、例えばキリンビールとアサヒビール等のように、業界を代表するライバル企業について、各種の分析ツールを用いて財務諸表分析を行っていきます。これにより規模の大小を問わず、共通の土俵で企業間比較が可能となります。

なお財務諸表というと簿記が苦手な方は敬遠する傾向がありますが、財務諸表分析においては精算表や合計試算表等の電卓による集計の正確性を問うような作業は一切要求されません。仕訳を即座に切る能力も必要とはされず、頭のなかで順を負って仕訳の意味さえ理解できれば十分です。簿記はあくまで財務諸表を作成するための手段であって、目的ではありません。

これは経済学における数学の利用と似ています。私も初めは数学が嫌いでしたが、学部時代ミクロ経済学の授業でラグランジュ乗数法という数学を用いた厚生経済学の基本定理の証明を学び、これにより数学に多少関心をもち勉強するようになりました。

これと同じで財務諸表分析により会社の数字に興味をもち、そこから手段である簿記そのものを再度勉強する方も多いので、簿記が苦手な方もぜひとも躊躇せず、当ゼミの門を叩いてください。

ゼミの特徴・ゼミで学べること

メインは財務諸表分析ですが、それと併せ有価証券報告書のなかで公表される企業の重要な非財務情報についての分析も行います。これによりいわゆるブラック企業かどうかの判定も行えるようになり、就活に向けての実戦的な知識を身につけることができます。またビジネスパーソンであれば、通常の日刊紙に加え、日本経済新聞を読んでいる方が多いと思いますが、本ゼミでの学習により、日経新聞の財務面の記事をすらすら読めるようになります。

さらには、格差社会と言われる現在の日本ですが、これも企業の公表する有価証券報告書を読むことにより、具体的な実感としてつかむことができます。例えば日産自動車の従業員の平均年収はおよそ795万で、これとてかなり高い水準ではありますが、社長であるカルロス・ゴーン氏の報酬は10億7千百万円で、なんと社員の平均年収の135倍近くももらっていることになります。これなどはまさに格差社会を象徴するものでしょう。こうした情報も有価証券報告書を読むことにより、得られるわけです。

ゼミの取り組み

2年では財務諸表分析に必要な基礎知識の修得をめざします。
3年ではその知識をベースとして、ゼミナール大会での発表に向け、グループワークを行います。そしてこれらの学習の集大成として、各自で選んだ代表的なライバル企業につき、卒論の完成をめざします。

ゼミで行った研究・プロジェクト・行事

例年ゼミ大会で上場企業の財務諸表分析についての発表を行い、これまではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯3社の財務分析。またテレビ業界、コンビニ業界等の財務分析を行ってきました。さらに実地調査も兼ね、工場見学も実施しています。
春には新人歓迎の懇親会、夏にはゼミ合宿を行い、ゼミ生同士の交流を図っています。

ゼミ生に求めること

言われてしかたなくやるのではなく、自主性をもってゼミ活動に取り組んでください。ゼミでやりたいことを積極的に提案してくれるゼミ生が多数出てくれることを希望します。

ゼミ生の将来像・進路

財務諸表分析がメインのため、経理部を志望するゼミ生が比較的多くを占めています。また就職先の業種は、製造業、小売、信用金庫等多岐に渡っており、教員免許を取得し、高校の商業科の教師になったゼミ生もいます。
卒業後も訪ねてきてくれるゼミ生から「ゼミ時代に勉強したことが社会へ出てから大変役立った」と言われると教師冥利に尽きる思いです。


大学生のみなさんにとって今後の人生において、大学の4年間を除いて本当の意味で自由といえるのは、定年後の期間しかありません。今後どう変わっていくかはわかりませんが、日本の企業では残業を美徳とする風潮があり、有給すら満足に取れないのが現状です。アップル創業者の故スティーブ・ジョブズ氏のスタンフォード大学卒業生に向けた伝説のスピーチの中で、
If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
という一文があります。
貴重な自由の期間である大学の4年間は、あっという間に過ぎていきます。みなさんにもこうした気持ちをもって、最後の学生生活を有意義に過ごしていただければと思います。