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ゼミナール

村井ゼミ

村井ゼミ詳細

「成長を続けながら働く人々の学び」について理解を深め、品格を高める

村井ゼミでは、若年者のキャリア形成と組織適応行動について研究します。ゼミ生には、企業での聞き取り調査をとおして「職場における人々の学び」について調べ、考える機会が用意されています。「成長を続けながら働く社員像」について実際的な理解が深まるでしょう。具体的には「組織社会化」とデイビッド・コルブの「経験学習論」の専門書や論文を相互に関連付けて読み、フィールドワーク(実地調査)と口頭発表をとおして「働き続けられる能力や態度」を身につけることが期待できます。
「働き続けられる能力や態度」とは、他者と自己の両方に対して尊敬と配慮・責任をもって接することができ、職業生活において誠実に行動できることを意味します。そのためには、年齢や専門知識の異なるメンバーとの協同作業を行いつつ、自己の限界に挑戦する態度や行動を選ぶことが求められます。

ゼミの特徴・ゼミで学べること

プロジェクトマネジメントと人格教育の研究・経験の蓄積をもとにアクティブラーニングの一手法であるPBL(Project Based Learning)による教育・ゼミ活動を行っています。PBLは、学生が課題達成に主体的に取り組みながらプロジェクトを実施する形式の学習法です。日本語では「プロジェクト型学習」や「問題解決型授業」などと訳されます。村井ゼミでは、学生同士の評価や意見を交えながら、教室にいる全員で授業を作り上げていく雰囲気を大切にしています。学生がさまざまな意見や価値観を知ることにより、他者の立場に身を置く機会を得たり、円滑な人間関係を築く能力を身につけたりできるよう工夫・指導しています。

イギリスの哲学者 フランシス・ベーコンによると「読むことは人を豊かにし、話し合うことは人を機敏にし、書くことは人を確かにする」そうです。村井ゼミの2年生は、学生生活さらには社会人として必要とされる読書スキルとテキスト批評の修得に加えて、「職場学習」に関する基礎知識の習得をめざします。3年生では、「経験学習論」と「プロジェクトマネジメント」に関する専門知識の習得をはじめ、フィールドワークと論証およびプレゼンテーションの方法を修得します。4年生は、フィールドワークの成果を検証・考察して卒業論文を完成させ、発表します。「場を読み、先を読み、人を読む」ことが、学びのゴールです。

次の学力観により、学生への指導・支援および評価をします。
[知識・理解] 用語の記憶、概念の説明、数量・時間の計算
[技能・表現] データの収集と可視化、調査法の実践、機器操作、コミュニケーション能力、プレゼンテーション・スキル
[認知・探究] 論理的思考、問題解決、試行・実験、学習方略(知識の応用・分析・類推・統合)
[情意・態度] 挨拶、共感、興味・関心・意欲の自律、内省的知性(価値付け・判断・意義・倫理)、幸福の追求

学生に期待される学習成果と到達目標は、次のとおりです。
・挨拶や報告、確認、記録などのコミュニケーションが適切に行える。
・時間を管理して、割り当てられた課題を完成させる責任感と能力を身につけている。
・仲間の努力や貢献を公正に認め、積極的に助け合うなどの配慮ができる。
・テーマに関する概念や問題点、私見を論理的に説明できる。
・フィールドワークに必要な基礎知識とスキルを適切に行使できる。

ゼミの取り組み

2018年度から始まったゼミですから、イベントの企画・運営を学生と相談して決めています(例:新歓合宿/京都5月、ゼミ合宿/国内8月、ゼミ対抗ボーリング大会/品川11月)。主として「計画性」「協働性」「責任」を身につけることを目標とし、その伸長を学生が相互に評価します。これらの活動が、企業からの求人・採用にもつながると期待しています。
「自らの成長を通して一隅を照らす(自ら成長し、仲間と協力して困難に立ち向かい、失敗を乗り越える忍耐力と隣人愛あふれる学生を育てたい)」という思いから、教員自らの実務経験(商社・研究所・短大講師)や学問を追究する姿勢などを語りながら、学ぶことの楽しさや意義を学生に気付いてもらえるような授業をめざしています。

各学年の学修活動は、次のとおりです。

【2年生】
1. 読書技術とテキスト批評の方法を修得する
2.「職場学習」に関する基礎知識を習得する
3. グループによる協同学習と成果を発表する

【3年生】
1. プレゼンテーションとフィールドワークおよび論証の方法を修得する
2.「経験学習論」と「プロジェクトマネジメント」に関する専門知識を習得する
3. 研究テーマを設定し、計画書を作成する

【4年生】
1. 先行研究を整理し、批評を加える
2. フィールドワークの成果を検証・考察する
3. 卒業論文を作成し、発表する

ゼミで行った研究・プロジェクト・行事

企業や自治体、NPO法人、学校とも連携し、協同学習も交えながら学生の興味や意欲を喚起する実践型演習を企画・実施したいと考えています。これまでの演習内容は、次のとおりです。

  1. 農作業体験および農産物を戦略的資源とした商品ブランド化の研究
  2. 近隣商店街での商品企画プロジェクト
  3. 海外協定校における交流活動

ゼミ生に求めること

勉強はひとりでもできますが、ビジネスは相手との協調が欠かせません。ゼミの行動規範である「優しく」「賢く」「品高く」にふさわしく、自分と同じく他者にとっての最良・最善を望んで努力を続ける、責任感ある学生を求めています。加えてゼミ生には、授業とプロジェクトへの自発的な参加およびグループによる協同学習に積極的に取り組む態度が求められます。ランドセルを背負ってから16年間の学びの仕上げとして、卒業後30年におよぶ職場学習の基礎的な準備(体験知の内省的省察と抽象的概念化)をゼミ3年間で修得してもらいます。卒業後も「書物を常に離さず、自分の道を独力で拓ける人物」になれること期待しています。

ゼミ生の将来像・進路

私は、ゼミ生の「出口保証」に責任をもち、彼らが希望する仕事に就けるようサポートしていくために、実務経験をはじめ経営学と教育学の複眼的視点から教育・研究活動に精励しています。「出口保証」とは、学生の人間的成長を促し、彼らの就職活動のみならず入社後のキャリア形成までも支援する意味をもつ、私の造語です。
ゼミ生は、地域や海外・企業とのつながりを大切にして、自制や工夫・積極性などを発揮しながら、自他が抱える課題や要望に継続的に取り組んでいます。その結果、食品メーカーをはじめ、繊維メーカー、専門商社、不動産、コンサルティング、福祉、フィットネス、コンビニなどの業界へと就職した卒業生たちは、顧客や従業員から愛され続けており、卒業生の離職・転職率は、留学生も含めて14%に留まっています。