私は日本航空株式会社(JAL)の破綻と再生に関するケーススタディーを2012年から5年程かけて100人以上の社員へのインタビュー、会議、作業現場の観察などをもとに実施しました。
ケーススタディーではフィールド(現場)に身を置き、目で見て、耳で聞き、手で触れ、肌で感じ、舌で味わった生の体験を調査レポートとしてまとめます。これによって文献からは分からない、組織の人々に関する生々しい情報を収集することができます。
このゼミではケーススタディーの対象となる強い組織を教員と学生で相談して決め、強い組織の組織構造、経営戦略、人事制度、管理会計システムなどを分析して、強さの秘訣を探ります。
会社の人へのインタビューでは、深く具体的な内容に突っ込んだ質問項目を作り込むことによって、説得力のある情報を入手しようとします。実際に社長などにインタビューをするときは入念な下調べ、滑らかなトークおよび度胸が必要となります。このプロセスで「リサーチ力」と「コミュニケーション力」が磨かれます。
また他人に理解してもらえなければ、その研究に価値はありません。ゼミ大会のプレゼンで、より多くの人に理解してもらえるようにインタビューで収集した情報を整理し、素人にも分かりやすく説明する練習をします。このプロセスで「プレゼンテーション力」が磨かれます。
フィールドワークをベースにしたケーススタディーをつうじてビジネスに不可欠な「リサーチ力」「コミュニケーション力」「プレゼンテーション力」を磨く点が近藤ゼミの特徴です。
2017年度は、猿田彦珈琲(http://sarutahiko.co/)、POTER CLASSIC(http://porterclassic.com/)、ミュージックセキュリティーズ(https://www.musicsecurities.com/)のケーススタディーを行っています。
近藤ゼミに入った生徒は、他のゼミに入るという道があるなか、その道を蹴りこのゼミに入りました。ゼミ生一人ひとりが「近藤ゼミに来て、心の底から良かった」と思えるためには、ゼミ生自身が充実したゼミ生活を送ることが大切です。そのとき以下のような考え方を持つことが大切になります。
「人生の結果=能力×熱意×心」
近藤ゼミでは能力を最重視していません。自らの能力を過信し努力をしない人よりも、自分には普通の能力しかないと思って誰よりも努力した人の方がはるかに素晴らしい結果を残すことができるからです。したがって能力があることよりも熱意を持って学業に取り組むことを求めます。
また能力、熱意にはマイナスはありませんが、心にはマイナスがある点に注意してください。
プラスとなる心 «» マイナスとなる心
前向きであること «» 後ろ向きであること
協調的であること «» 非協調的であること
明るい思いを抱いていること «» 暗く意地が悪いこと
善意に満ちていること «» 悪意に満ちていること
真面目、正直、謙虚であること «» 不真面目、嘘つき、傲慢であること
感謝の心を持っていること «» 不平不満ばかりを抱いていること
マイナスの心を持っている人とは一緒に勉強したくないでしょう。そのためプラスの心を持つことが充実した学業生活を送るために最も大切になります。
このゼミは教員と学生、先輩と後輩、ゼミ仲間同士の繋がりを大切にしています。何事にも感謝する美しい心を持っている人を、教員、先輩、仲間も自然と助けてくれるようになります。プラスとなる心を持って、充実したゼミ生活を送ってください。
このゼミでの経験は営利企業あるいは非営利組織で働こうとしている人にとって役立つことはもちろんのこと、将来、経営者、経営コンサルタント、公認会計士・税理士になりたい人にとって非常に有益なものになります。