浦野ゼミでは毎年、産学連携プロジェクトを行っています。
産学連携プロジェクトとは、大学と企業が連携し、新製品やサービス、新規事業などを創出する活動です。本ゼミナールでは、過去にニューバランス、三越伊勢丹、HIS(エイチ・アイ・エス)等とプロジェクトを行ってきました。
2024年度は今年で通算4度目となる、アサヒビールとプロジェクトを実施しました。
2024年度は、イタリア発祥のペローニ ナストロアズーロについて、マーケティング戦略の企画・立案を行いました。
ペローニ ナストロアズーロは、イタリアを代表するプレミアムビールブランドです。1963年に誕生し、「ナストロアズーロ」はイタリア語で「青いリボン」を意味し、1930年代に行われた大西洋横断レースで最速となったイタリア客船のオーシャンライナーレックスに贈られた「ブルーリボン賞」にインスピレーションを受けたことが、その名の由来となっています。
今年度(2024年)、3年生は、アサヒビールが販売している「ペローニ ナストロアズーロ(以下、「ペローニ」とする)を首都圏に住む20~30代の男女をメインターゲットとした販売戦略案をテーマに、半年間にわたり産学連携活動を実施しました。キックオフミーティング、中間意見交換会、スーパードライミュージアム(茨城工場)の見学からマーケティング戦略へのヒントを収集、提案に向けた議論を重ねました。最終審査報告会では浅草にあるアサヒビール本社にて、アサヒビールの社員の方々を審査員としたプレゼンテーションを実施しました。
プロジェクト開始にあたり、まずはアサヒビールを深く知るため、全員でスーパードライミュージアム(茨城工場)を見学しました。新製品やサービス、新規事業などを創出する活動です。工場見学では、アサヒビール製品の品質やブランド価値に対する理解が深まり、また、市場競争において差別化を図るためのアイデアや戦略を感じることができました。
アサヒビール様との産学連携プロジェクトを通じて、学生のみんなが熱心に取り組む姿を見守り、その成長を感じられたことを大変嬉しく思います。
今回のプロジェクトでは、ペローニというブランドに新しい価値を見出し、日本市場への浸透を目指す挑戦的なマーケティングテーマに取り組みました。それぞれのチームが議論を重ね、具体的な提案を完成させた真剣さと情熱は素晴らしかったです。最終プレゼンテーションでは、堂々と発表し、アサヒビールの皆様にもその成果と思いをしっかり届けることができたと思います。
このような経験が皆さんの未来の挑戦に役立つと信じています。最後に、このような貴重な機会をくださったアサヒビールの皆様に、心より感謝申し上げます。
It was a pleasure to work with Rissho University on this project to understand how we can launch Peroni beer in Japan. I really enjoyed seeing the passion and energy coming from Japan’s next generation of Marketers.
The task wasn’t easy however the students did an excellent job in showing the opportunity for Peroni in Japan and they also kept real consumers at the heart of their ideas which is always very important. There really is no substitute for real world experience and I hope working with Asahi Breweries on this project gives students practice on a real case study with actual business opportunities and challenges.
I wish them the best of luck and thank the whole team at Rissho University once again for partnering with us. Salute!
【和訳】
立正大学とこのプロジェクトで連携し、日本でペローニをどのように発売できるかを探ることができたことは、とても喜ばしいことでした。日本の次世代のマーケターたちの情熱とエネルギーを目の当たりにし、本当に楽しかったです。
課題は簡単ではございませんでしたが、学生の皆様には日本におけるペローニのビジネスチャンスを示す素晴らしい取組みをいただきました。また、実際のお客様を常に念頭に置いてアイデアを考えていただきました。これは非常に重要なことです。実社会での経験に代わるものはございませんので、このプロジェクトでアサヒビールと連携したことで、学生の皆様が実際のビジネスチャンスや課題をケーススタディとして実践できることを願っております。
学生の皆様の幸運を祈るとともに、私たちと取り組んでくださった立正大学の関係者の皆様に改めて感謝いたします。
「プレミアム」を「日常の中での想い出」と再定義し、親しみやすさを重視した新たな価値を提案しました。アンケート調査から、海外ビールを飲む際に体験価値を重視する傾向が見られたほか、若者の多くがイタリアに具体的なイメージを持っていないという課題も明らかになりました。これを踏まえ、「アモーレ」という言葉を架け橋として活用し、ペローニとイタリアを結びつける方法を考案。具体的な施策として、電車広告やテレビCMを作成し、提案しました。
問題意識としてご提案頂いた「プレミアムの再定義」において、イタリアに対するイメージ調査や日本人の分析を行い、日本人にとって特別なものとは"自由"であると定義しました。さらに分析をしていく中で新たなニーズを導き、自由を奏でるビールというキャッチコピーのもと、ターゲットを若者・余裕がある人・余裕がない人の3つにセグメントし、それぞれに「ペローニを通じて伝えたい想い」を反映したSNS広告やCM案を具体的に作成し、提案しました。
「ペローニとイタリアを結びつける」というブランド戦略を基に、日本の食生活課題の改善を目指し、イタリアの「Dolce Vita(甘い生活)」という人とのつながりを大切にする文化に、ひとり時間の要素を加えた「甘い生活」を日本市場に浸透させることを目的として、ターゲットを4象限に分け、それぞれの価値観に響くCM案と汐留イタリア街での体験型イベント案を考え、「ペローニ×甘い生活」として新たな生活文化の創造を提案しました。
アサヒビールという歴史と伝統を持つ大企業との「産学連携」という貴重なプロジェクトに、学生主体で取り組めたことは、今後の人生における大きな財産となりました。アサヒビール様から提示いただいたテーマを基に、課題発見力・課題解決力・プレゼンテーション力を総合的に鍛える中で、戦略を構築する難しさや、各グループで協力し合い目標を達成する喜びを深く実感しました。今回のプロジェクトを通じて得た知見や経験は、今後のキャリアや人生に大きく役立つと確信しております。 最後に、このような貴重な学びの場をご提供くださった浦野先生、そしてアサヒビールの皆様に、心より感謝申し上げます。