ヒマラヤ山岳域の降水は、南アジア域の水循環や洪水・地すべりに伴う災害と密接に関係しています。そのため、ヒマラヤ山岳域の降水の特性を解明することは重要です。

平田先生らの日本—ネパールの国際研究チームは、高解像数値シミュレーション、衛星観測データや再解析データなどを組み合わせて利用することで、201978日にネパールヒマラヤ東部のロールワリン谷で観測された豪雨の発生プロセスを多角的な視点から調査しました。その結果、モンスーン低気圧による3次元的な水蒸気輸送や陸面からの熱・水蒸気供給の日周変動が豪雨の原因となっていることを解明しました。これらは、これまでの研究では指摘されていなかった新しい発見です。これらの結果は、ヒマラヤ山岳域における降水の特性に対する理解を深めることに貢献します。

この研究成果をまとめた論文は、2023327日に、アメリカ気象学会が発行する「Journal of Hydrometeorology」からオンライン公開されました。

・論文情報
Hidetaka Hirata, Hatsuki Fujinami, Hironari Kanamori, Yota Sato, Masaya Kato, Rijan B. Kayastha, Madan L. Shrestha, Koji Fujita: Multiscale Processes Leading to Heavy Precipitation in the Eastern Nepal Himalayas. Journal of Hydrometeorology, 24(4), 641-658 

▼以下、リンク
journals.ametsoc.org/view/journals/hydr/24/4/JHM-D-22-0080.1.xml
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