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2023年度 浦野ゼミ × アサヒビール 産学連携プロジェクト【後編】

更新日時:2024.03.15

4年生の取り組み:ハイリキ

取り組みの概要

浦野ゼミでは、例年3年生が企業とタッグを組み産学連携活動を行なっています。ですが今年度は、浦野ゼミとしては初めて、「チャンスがあれば、産学連携を再びやってみたい!」という有志の4年生が自主的に集まり、4年生特別チームを1チーム編成し、産学連携プロジェクトに参加しました。
なお、本年度の産学連携は、3・4年生共に、連携先として3年連続となるアサヒビール様と半年に渡るプロジェクトを実施しました。テーマは3年生がウイスキーの定番「ブラックニッカ」、4年生が元祖チューハイブランド「ハイリキ」について提案を行いました。

4年生 産学連携プロジェクトのテーマ

元祖チューハイブランドである「ハイリキ」は、1983年に発売されました。かつては下町を中心に広く愛されたチューハイブランドでしたが、時代の移ろいと共にそのブランド力を失っていきました。そんな歴史ある「ハイリキ」を令和の時代の若年層にファンになってもらうためのブランディング提案が今回のテーマとなりました。

スケジュール

2023年6月のキックオフミーティングに始まり、10月の中間意見交換会、11月のハイリキフラッグシップ店にて行われた「ハイリキ会」を経て、最終提案に向けた議論を深めました。 最終的な成果報告として12月に、アサヒビールのマーケティング本部の担当者の皆さまを審査員とした最終審査会を行いました。

「ハイリキ」フラッグシップ店にて行われた「ハイリキ会」

4年生の行った産学連携は、3年生のコンペ形式とは異なり、4年有志1チームのみでの参加となったため中間意見報告会とは別に、アサヒビールの皆様とのハイリキフラッグシップ店での意見交換会ならびに親睦会を実施しました。
「ハイリキ」を嗜みながら、お店自慢の料理を楽しみました。砕けた環境で行う意見交換には、それぞれの想いや本音が随所に感じられ、非常に有意義な時間となりました。

浦野先生からの言葉

浦野ゼミの4年生は、新たな挑戦として、「伝統と革新の融合、新たな価値創造」を目的に「ハイリキ」という歴史あるチューハイブランドのマーケティング戦略をいかになすべきかについて企画・立案しました。 学生たちは、ハイリキの歴史や、市場での位置づけについて学び、伝統的な製品の現代的なマーケティング手法や、新しい消費者層へのアプローチ方法について研究しました。
この産学連携では、アサヒビールの皆様と密にコミュニケーションさせて頂くことで、理論だけでは得られない実践的な経験を得ることができました。
ハイリキご担当のアサヒビールの皆様は、前向きで明るく熱意があり、学生共々知的好奇心を刺激して頂き、大変感謝しております。

アサヒビール RTDマーケティング部 次長(2023年当時)
佐藤 猛博 様からの言葉

はじめに学生最後の年に参加してくださった4年生の皆さんに心から感謝を申し上げます。難しい取組みテーマだったと思いますが、「ハイリキ」の持っている価値を深堀りした上で、ブランドの強みを再定義していただきました。提案のストーリーもしっかりと構築されていて、学生の皆さんならではの考え抜かれた具体性のある面白い提案内容でしたし、当社のビジネスも考慮した上での実現性の高いアプローチも素晴らしかったです。また、我々企業サイドとしても学生の皆さんと実際の取り扱い店に一緒に行き、親睦を深めながら意見交換を出来たことは新鮮で、若い皆さんの発想に刺激も受けました。ご提案いただいた内容をヒントに、より多くのお客様に対してブランドの魅力を発信し接点を作って行くことで、皆さんの頑張りにお返しができるようにしていきたいと思います。
2年連続当社との取組みに参加してくださった4年生皆さんの今後の社会でのご活躍をお祈りいたします。

4年ゼミ生の提案概要

「ハイリキ」は"認知度"と"販路の少なさ"に課題を抱えていました。その課題を突破するために、様々なアイディアを検討したところ「ハイリキ×サウナ」という案が生まれました。ハイリキが独自に持つ特徴である"爽快感"とサウナから出た時の"喉の渇き"が非常にマッチしていると考えました。
また、サウナ施設で現在流行しているドリンクにヒントを得て、ハイリキを用いた新商品のドリンクを考案しました。そして、ドリンクとしての美味しさはもちろんのこと、更なる話題を呼ぶきっかけになるのではないかと思い、キャッチーなネーミングもつけ、広告戦略も立案しました。
最終のプレゼンテーションでは、自分達が考案したドリンクも実際に作成し、審査員の皆様に試飲して頂きました。

学生の感想

上高牧

このプロジェクトでチームリーダーを務めることができ、非常に光栄でした。産学連携の経験は、私のキャリアにおいて貴重なものです。チームメンバーのみんなと協力し、大学4年間の集大成として学んできたことを最大限に出せた発表となりました。

伊藤

今回はコンペ形式ではなかったため、真にアサヒ様(ハイリキ)の利益や将来について熟考したため、実現可能性や世の中に与えるインパクトを追い求める事に苦労しました。しかし、学生の立場でこのような機会をいただけて本当に良かったと思います。

後藤

今回も施策を実現するために検討してくださっているそうで、自分たちの案が世の中に出ていく可能性があることが非常に嬉しく、今年も参加してよかったです。

櫻井

アサヒビールの皆さんはとても暖かく、優しい皆さんと一緒にハイリキについて考えたり話し合うのがとても楽しかったです。

福島

今年もこのような貴重な機会に参加することができ、大変嬉しく思います。今回で得た学びを今後にも活かしていきたいです。

編集後記

今回の産学連携プロジェクトには4年生として参加したからこそ得られた収穫が大いにあったと感じています。就職活動や卒業論文の執筆でビジネス視点での意見がより深く出てきたり、自身の研究分野外のことに関する学びが得られたり、学生生活の集大成としてはこの上ないものとなりました。
しかし、すべてがリズム良く進むわけではなく、実現可能性をどの程度追うのか、アイデアに新しさはあるのかなど様々苦労しました。実際に企業のマーケティング部に入ったかのような経験は、これまで学びや教えを教授されていた側から、社会人となり何かを生み出す側になる22歳という節目の時期に、良い刺激と教訓になりました。
本来4年生は実施しない産学連携プロジェクトですが、本気で「アイデアをカタチに」しようとして下さるアサヒビール様と、私たち学生に多くの時間を割いて下さる先生がいてこそ今回のプロジェクトが生まれたと思います。この場を借りて、感謝申し上げます。

執筆・編集 伊藤隆太郎

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