立正人（第０５回：蛭田　佳人さん　①）

日本への貢献と見据える未来

立正大学経営学部　蛭田　佳人

横須賀明光高校　出身

2021年　経営学部経営学科　卒業

蛭田さんは、2021年3月まで本学に在籍し、卒業を迎えたばかり立正人です。在学中の2019年から起業を経験している蛭田さんの魅力について、全3回に分けてご紹介します。

第1回テーマは、「学生時代の起業経験と見据える未来」です。

大学を受験する時点で、経営者に興味を持っていたのですか？

　いや、全く考えていなかったので、まさか起業を経験するとは思いませんでした。経営学部を選んだ理由としては、お金に関する学問を学びたかったことと、将来サラリーマンとしてやっていく中でビジネスのことについては知っておきたかったという漠然とした理由でした。

起業した会社では、どのような仕事をしていましたか？

　新卒の社会人や大学生などを集めてビジネスコンテストを開催するなど、いわゆるイベント運営事業を行っていました。起業のきっかけは、他大学の教育学部の友人の誘いを受けて、自分自身が経営学を積極的に勉強してきたこともあり、声をかけていただいた事です。最初は共同経営という形で起業して、資金は異業種交流会などでご縁のあった投資家の方などに出資していただきました。

　また、その後は会社を退職し、私個人で事業を立ち上げたり、投資家として活動していました。

経営を外れた理由は何ですか？

　一番大きな理由としては、将来私がやりたい事を考えたとき、それが今の事業とは少し異なっていると思ったからです。大学に入学してから経営をして、様々な発見や気付きもあり、経験としては非常にプラスになりました。一方で、自分の人生をかけて本当にやりたい事を考えた時、今の事業とはズレがあると感じた部分がありました。自分が本当に進みたい方向、人生の目的を考えたとき、「日本企業の競争力の底上げに貢献したい」と思いました。

　そのため、卒業後の進路についても、就職が最も適していると考えました。経営者としてゼロから起業するよりも、サラリーマンとして日本企業の生産性向上に貢献できる事業をやっている会社に入り、その会社の事業を活用して、サポートをしていく方が効率的だという考えがありました。

なぜ日本企業に貢献したいと考えたのですか？

　理由は三つあります。一つ目は、小さい頃から父親の友人に中小企業の経営者が何人かいて、その方々から、「将来、日本を背負って立つのは君みたいな若い人たちだからこそ、日本のために頑張ってね」と言われてきました。そのため、昔から日本のために貢献したいという漠然とした思いがありました。

　二つ目は、日本企業が伸び悩んでいる現状と、日本経済の先行きの暗さです。小さい頃は、日本の企業は世界で活躍しているすごい会社ばかりなのだろうという印象を持っていました。しかし、平成から現在に至るまで、伸び悩んでいるのが現状です。世界時価総額ランキングをみると、平成元年は上位の大半を日本企業が占めていましたが、現在は日本企業がほとんどランキングに入っていません。わずか30年で世界が大きく変わり、GoogleやAppleのように創業から数十年の企業が世界トップになっています。このように、長い年月をかけて成長してきた日本企業が、伸び悩んでいるということがものすごくショックでしたし、危機感を持つようになりました。

　三つ目は、高校まで勉強が苦手で大嫌いだった私が、経営学に出会って大きく変わったことです。経営学に出会ってからは、勉強が面白いと感じましたし、それによって人生がとても楽しくなりました。そういった理由から、ビジネスという分野で、自分は戦っていきたいと思いました。

　これらの三つを合わせたときに、ビジネスを通じて日本企業を支援したいと考えるようになりました。

サラリーマンで知見を広げた後、将来的にはまた起業を考えていますか？

　はい。起業かサラリーマン経営者かはわかりませんが、もう一度、経営者としてビジネスをしていきたいとは思っています。また、将来的には今までの経験を活かして、大学等で教壇に立ちたいとも思っています。経営学を通じて、１人でも多くの若者にビジネスの面白さを伝えていきたい。そのためにもまずは、サラリーマンとして力をつけ、ビジネスの世界をより深く学んでいきたいです。様々なことを経験させてもらったあとに、その時の最善の選択をできたらと思っています。

次回は「立正大学での学びと経験」というテーマで引き続き蛭田さんをご紹介します。
立正人（第０６回：蛭田　佳人さん　②）｜立正人｜RISSHO UNIVERSITY NEWS