造化三神とアマテラス

立正大学大学院文学研究科国文学専攻
修士課程

研究内容

『古事記』と『日本書紀』を主な検討対象として、造化三神とアマテラス(天照)の関係について研究しています。
造化三神とは、高天の原(たかまのはら)に最初に成り出た独り神の三柱で、アメノミナカヌシ(天之御中主)、タカミムスヒ(高御産巣日)、カムムスヒ(神産巣日)を言います。その後も多くの神がうまれ、国生みの神として知られるイザナキ(伊耶那岐)とイザナミ(伊耶那美)が最後に登場します。
アマテラスは、国生みの神イザナキの左目から生まれた神です。時を同じくして右目からは「ツクヨミ(月読)」、鼻からは「スサノオ(須佐之男)」という神が生まれています。
現代では、アマテラスが最高神として扱われることが多いのですが、「我が祖神にアマテラスとタカミムスヒがいる」という顕宗天皇の発言が『日本書紀』に残されていたり、元々はタカミムスヒが最高神だったのではないかという説もあり、造化三神とアマテラスとの関係はまだまだ明らかにされていないことがたくさんあります。

研究の魅力

学部のときは哲学科に所属し、歴史哲学を学んでいました。その中で世界の神話を勉強する機会があり、日本だけ最高神が女神であるということを知りました。それは何故なんだろうというところから、日本最古の歴史書とされる『古事記』『日本書紀』について、もっと知りたくなり、大学院は国文学専攻に進学しました。
『日本書紀』は正史として扱われてきたので、古くからその存在は公然と知られていたのですが、『古事記』の存在が一般的になったのは、江戸時代に本居宣長が『古事記伝』を世に表してからです。造化三神やアマテラスに限らず、『古事記』には『日本書紀』には記されていない多くの物語が綴られています。本居宣長に再発見されるまで、1000年の悠久の時間を『古事記』が秘かに受け継がれきた理由は何なのか。『古事記』と『日本書紀』とはどのような関係なのか。『古事記』という物語に込められた古代の人々の信仰、想いとはいかなるものなのか。これらを紐解く作業には興味が尽きません。
また、古事記に由来する事物が現代に受け継がれているものも多くあり、例えば、東京大神宮にはアマテラスとともに造化三神が祭られています。その由来や物語について、学ぶこともとても面白いです。

大学院生のキャンパスライフ

大学院では、論文執筆に多くの時間を費やすことになりますが、興味があることに思う存分取り組むことができるので、とても充実しています。
今年度は修士論文を仕上げなくてはならないので、授業のない日も登校し、院生研究室で論文の執筆や文献調査、先輩たちと議論をして過ごす時間が多いです。忙しい毎日ですが、気分転換にみんなで食事に行ったり、楽しく過ごしています。


興味を持たれた方へ

研究者を目指す人や教員になりたい人、もうちょっと研究して論文を書きたい人、もっと知りたいことがある人等、志がある人にとって、大学院はとても有益な時間・環境だと思います。ただし、この時間・環境をどのように活かすかは自分次第です。

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