幕末の朝幕関係に関する研究

立正大学大学院文学研究科史学専攻
博士後期課程

研究内容

学部の頃から幕末における朝廷と幕府の政治的関係(朝幕関係)を専攻し、現在はその中でも特に「京都の警衛」を題材として博士論文の作成に取り組んでいます。
指導の先生からは、「制度と実態」という観点の照合を常に意識するようによく言われます。個々の政治状況が、政治の諸過程・諸関係の凝集である政治制度へと、どのように確定をみていったのか、という問題意識のもちようです。
関連する史料の悉皆的調査を心がけ、個別の課題に即した事実関係の究明に力を注ぐことで政治過程や政治局面を明らかにし、さらにそこから帰納的に内在する問題性・問題点を見い出し、より全体的な政治構造の問題へと関連づけて検討していくといった、事実関係の究明を方法的基調として史実と向き合っています。

研究の魅力

自分で課題を設定し、それを解決できたときは最高に楽しいです。
史学研究では、何よりも史料が重要となりますが、その史料は断片でしか残っていない上、文書館や個人宅など全国各地に散らばっています。これら離散している史料を悉皆的に収集し、史料同士のつながりを見つけたときの喜びは何事にも代えられません。
例えば、書状の往信と返信は通常別々の場所にあります。現代でもそうですが、受け取った手紙は自分の手許にあり、送った手紙は先方の手許にあります。返書だけが史料としてあった場合、そもそも往信ではどういう内容が書いてあったのかわかりません。しかし、史料を色々と調べていくと、「この書状はあの返書の往信なのではないか?」という史料同士のつながりに出会えるときがあるのです。

大学院生のキャンパスライフ

大学院のゼミは、学部と比較すると人数が少なくなるので先生との距離がぐっと近づきます。それ故、修了後も指導の先生と親交のある先輩方も数多くいらっしゃいます。
研究を進める上で、指導の先生は親身に相談に乗ってくれますが、大学院では何よりも、「自分が何をやりたいのか」ということがとても重要です。自分で課題を見つけ、批評も自らしっかり受け止めた上で、何事にも主体的に取り組んでいく姿勢が大切になります。
研究活動は学部までの学習と違い、授業終了のチャイムの数だけ進捗するわけではなく、自分で取り組んだ分しか進みません。
そのため、研究のことが四六時中頭の中にあり、ときには嫌になることもありますが、自分が興味を持ったことに没頭できる、とても充実した時間を過ごせていると思います。

興味を持たれた方へ

自分で課題を設定してそれを解決していくプロセスを楽しめる方、残された数多くの史料から歴史の断片をつなぎ合わせ、分析・考察していく作業が好きな方、何よりやる気がある方には、大学院での研究活動はとても充実したものになると思います。さぁ、一緒に!

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