学べる防犯を考える

立正大学大学院文学研究科社会学専攻
修士課程

研究内容

なぜ犯罪が起きるのか、なぜ犯罪を防げないのか。このことを知りたくて、犯罪社会学に興味を持ちました。特に私が中学生のときに起きた「長崎県佐世保市女子児童殺害事件」はとても衝撃的でした。自分と変わらない年齢の子がなぜ?という疑問は、今でも答えが見つかりません。
卒業論文は「少年犯罪とコミュニケーション」というテーマで取り組みました。今振り返れば、一方的な論理展開や踏み込み不足の事項が多々あったと感じています。修士論文では、卒業論文をどのように深めていくか、具体的なテーマをどうするか、とても悩んでいます。現在は、視野を広くして多面的な検討を加えられるようにするため、これまで履修しなかった分野の科目を学んだり、加害者・被害者という両方向から検討するため、単位互換制度を利用して、被害者学の授業を履修したりしています。

研究の魅力

指導教員の小宮信夫教授は犯罪機会論に基づいた「地域安全マップ」を考案された方なので、全国各地、また海外でも普及活動を行っています。研修会では助手として参加することが多く、いろいろな職業の方と防犯について話す機会もあるのですが、防犯をどのように考えるか、人によって様々なのが、とても興味深いです。
また、海外での活動については、昨年はインドネシアに同行させてもらい、現地の日本人学校の生徒が「地域安全マップ」を作成するのを支援しました。今年の12月にもベトナムでの「地域安全マップ」作成が予定されているので、とても楽しみです。

日本では、「犯罪原因論」という考え方が根強いのですが、「犯罪原因論」は、犯罪者個人に焦点をあてて考えるので、犯罪に遭遇しないためにどうすればよいかという視点からは答えを見出しづらい考え方です。一方、「犯罪機会論」は理論を身に付ければ誰にでも実践できるツールです。犯罪に遭遇しないための方法をなぜ学ばないのかと以前から不思議に思っていたので、「犯罪機会論」の考え方を知ったときはとても感動しました。

大学院生のキャンパスライフ

大学院では先生と学生との距離がとても近く、人数が限られるので、学生が感じている疑問や興味について、先生がとことん相手をしてくれるのがうれしいです。また、自分の裁量でスケジュールを組み立てられる範囲が広いので、自分が興味を持ったことにどんどんチャレンジできます。
学部生を教える側に回ることもあります。質問されても困らないように事前の準備がとても大変ですが、教えることで自分が見落としていた部分に気づいたり、考えていることを上手く伝えるにはどうすれば良いのか考えさせられたりします。
また、社会学専攻の院生が使用できる院生研究室があるのですが、とても快適で気に入っています。

興味を持たれた方へ

文系の大学院へ進学するというと心配されることもありますが、やっていることに自信があれば、そんなことを気にすることはないと思います。そのかわり、大学院に進学する意味を自分の言葉でちゃんと表現できることが大切だと思います。

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