ヘミングウェイとセザンヌ

立正大学大学院文学研究科英米文学専攻
博士後期課程

研究内容

アメリカ文学ですと、ヘミングウェイ、フォークナー、ナサニエル・ホーソーンなどが挙げられると思いますが、その中でもヘミングウェイを対象とし、ヘミングウェイ作品に与えたセザンヌの影響について研究しています。ヘミングウェイ自身も「セザンヌから多くのことを学んだ」と語っており、その影響が作品の中でどのように発露しているかを探っています。
ヘミングウェイ作品と出会ったのは、学部生のときに受けた授業でヘミングウェイの短編が取り上げられたときでした。主人公はニック・アダムズという少年なのですが、ニック・アダムズが小さいときの話から、段々成長を追っていく形で授業が進んでいきました。子どもの成長を見守っているような感覚になり興味が出て、それが今も続いています。

研究の魅力

ヘミングウェイ作品の特徴として、『氷山の理論』が挙げられます。ヘミングウェイ自身が作品の中で書いているのですが「氷山の動きの威厳は、海面上に出ている8分の1による」というものです。言葉で表現しているのは全体の8分の1で、残りの8分の7を想像させるように書く必要があると一般的には解釈されています。
そのため、作品をさらっと読んでるだけではわからないのですが、じっくりと深読みしていくと見えてくる部分があります。ニック・アダムズのセクシュアリティに関する問題についても、じっくりと読み込んでいくうちに「あれ?」と感じる部分が出てきました。大学院で時間をかけて取り組んだので、そのようなこともわかってくるようになりましたが、学部生の頃は読んでいても全く気づきませんでした。研究を進めていくうちに、見えなかったものが見えてくるというところがとても楽しいです。

大学院生のキャンパスライフ

興味を持ったことに多くの時間を投入できるところが、学部生とは違うところだと思います。
修士課程1年生のときは、英語漬けの毎日でこれまでで一番英語を勉強した時期だと思います。授業で作品を輪読したり、要約、和訳の課題が数多く出されて、やってもやっても終わりが見えない大変な時期もありました。しかし、興味を持ったことに集中的に取り組めたので、とても充実していましたし、そのときの蓄積が現在でも活きています。
また、大学院だと先生と1対1で話ができる機会も多いので、わからないことがあっても先生に質問がしやすいです。私の場合は、学部生のときは遠慮などからその場で聞けなかったりしたことがあるので、遠慮なくその場で質問できる環境はとても助かっています。

興味を持たれた方へ

大学院では学部よりも深く取り組むことができるので、アメリカ文学、イギリス文学、英語学、英語教育について、もうちょっと勉強したいなという思いがあれば、あまりかしこまって考えずに大学院に進学することも考えてもらえたらと思います。
いままで学んできたことをもうちょっとやってみたいなという思いがあれば、指導の先生や先輩たちはその思いをあたたかく受け止めてくれると思います。

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