近代における日蓮系在家仏教の展開

立正大学大学院文学研究科仏教学専攻
修士課程

研究内容

日蓮宗の歴史、特に明治時代の在家仏教運動に注目し、中でも田仲智学という人物について研究を進めています。明治時代は日本の体制が大きく変わる激動の時代です。大きく変動する日本社会の中で、仏教界も様々な面で変化を求められ、どの宗派でも、多くの人がそれぞれ道を模索し、色々な運動へと発展していきます。そのような運動の一つとして、在家者による仏教活動が挙げられます。
研究の中心は日蓮宗の近代史ということになりますが、明治という時代の複雑な社会関係を考えると、幕末までの仏教の歴史、当時の社会情勢、他宗派の動向など、多くのことに目を向けなければなりません。

研究の魅力

仏教は “お寺で” “お坊さんが” 修行したり勉強したりするもの。現代では多くの人がこんな感覚をお持ちではないでしょうか。確かに、教えを弘める中心として僧侶は重要な役割を担っています。ですが、仏教とは全ての人びとに開かれた教えです。たとえ仏道修行に専念できなくても、どんな形であれ各自の信仰を持つことも大切です。「信仰を僧侶に任せっきりにしない」「僧侶の身分でなくても出来る仏道修行を」そんな熱い想いから、明治時代以後、在家仏教運動が大きく発展していきました。
在家仏教者達の活動を研究することで、「お坊さん以外の人びとにとって仏教とは何なのか?」ということを考える糸口となります。それは、日本人の仏教離れが叫ばれ、お寺の法要や行事なども単なる儀式として形式的に見られがちな現代に、大きな意味のあることだと考えています。

大学院生のキャンパスライフ

大学院生になると授業も専門的になります。より狭くより深く、自分のやりたい研究を集中的に進めることが出来ます。先生方の指導も厳しくなっていきますが、 “勉強を教える” のではなく “研究を指導する” という目線で、学部生の頃よりも近い距離で指導をして下さいます。
立正大学内には、日蓮教学研究所と法華経文化研究所という二つの研究所、また院生主体の大学院仏教研究会もあり、それぞれ研究発表や研修など、授業以外にも学びの場が用意されています。これらに参加することでより多くの知識と経験を得ることができます。

興味を持たれた方へ

仏教は歴史、思想、文化など、多くの方面から研究されています。だれでも自分の興味のある分野と重なる部分が見つかるはずです。勉強から一歩進んで研究に踏み出す、学生だけど研究者の卵。その様な環境に身を置いて学ぶことが出来ることは、とても楽しいものです。少しでも仏教に興味をお持ちの方は、一緒に学んでいきましょう。

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