TOPIC（第０３回：キャリア奨学生が立正大学のあれこれを取材③）

友田先生が語る成功談や失敗談とは？
法学部２年の三輪浦さんが取材！

みなさん、学生生活は楽しめているでしょうか？

昨年からコロナでサークル活動が制限されていたりしていますよね。想像していたキャンパスライフとは違ったかもしれません。そんな大学生活ですが、横の繋がりも大切だけど、特に１、2年生は縦の繋がりが足りていないのではないでしょうか。 

学生生活をよりよくする上で欠かせない「先輩方の成功談や失敗談」。これを人生の大先輩であり、立正大学をよく知る先生から伺えれば、良い収穫があるのでは？と思い、実際に聴いてきました！ 

 

今回は立正大学法学部法学科の友田博之 教授にお話しを伺います。 

 

中央大学法学部ご出身とのことですが、どんな学生時代でしたか？ 

高校生のころに検察官になりたいと思って入学し、大学時代はサークルやゼミ、バイト(塾講師、家庭教師)に打ち込む楽しい大学生活でした。サークルの先輩の誘いで入った商法ゼミは先生・先輩・仲間に恵まれて楽しかったですね。でも、ゼミで扱う商法自体があまり好きでなかったんです。商法は対外的な諸外国との関係や経済界の意向を受けて、たとえ原理原則でも頻繁に変わる性質があり、そこが苦手でした。一方で、同じゼミで商法以外に扱っていた手形小切手法は比較的好きでした。これは手形小切手法が条約に基づき既に体系立てられていて一貫性があったからですね。 

 

ゼミでは商法を学ばれていた先生が、なぜ現在刑法の研究を？ 

旧司法試験のため学ぶ中で一番面白かったからです。刑法は小切手法と同じように罪刑法定主義などの原理原則は変わらないところがあります。それでも、解決できていない問題が多数あって、それを解き明かす学問的魅力も絶えません。 

 

大学教員になろうと思ったきっかけは？ 

学部在学中司法試験がうまくいかず、進学塾に就職しました。この仕事は楽しくやりがいもあり、給与面も良く２年間ほど勤めましたが、将来を考えた時に小・中学生相手に数十年先も体力が続くかと疑問がありました。ただ、教えることは大変楽しかったので、学部生に教えてみるのもいいなと思ったんです。一度社会人となったが、大学教員を目指し大阪市立大学大学院へ進学することを決めました。 

 

なぜ中央大学大学院ではなく大阪市立大学大学院に進んだのでしょうか？ 

司法試験の勉強中に学んだ中で「夢中になって読んだ基本書」を執筆された先生が大阪市大にいらしたからです。この先生に教わりたいと思って大阪市大に進学しましたが、その時にはご退官されていて。でも、その先生の弟弟子にあたる方が刑法学を担当されていました。 

 

どんな院生生活でしたか？ 

当時は就職氷河期で院生が多かったです。そのため、教授としての就職が保証された環境ではありませんでしたが、まず始めてみることにしました。刑法・刑事訴訟法だけで同期が４人,先輩は３人と、就職はかなり厳しい状況だったのですが、この時期にロースクールが創設され、多くの教授が駆り出されたため法学部の職に空きが出ることとなりました。今、こうして立正で教授をできているのは、運による部分が大きいと感じています。 

学生時代から学んだのは、運はいつ回ってくるかわからないということです。回ってくるのは卒業の時期ではないかもしれません。就職は結婚やお付き合いと同じで「ご縁」です。司法試験に失敗したあとも、「自分なんてだめだ」と思うことはありませんでした。もしそこで腐っていてしまったらそれまでだったはずです。ずっと逆風ということはないのに、アンテナを張ることをやめてしまえば、順風になっても気づけません。就職難が見込まれる今の学生にも、企業訪問・業界研究しながら、アンテナを絶やさず張って、風が吹いたときに備えて欲しいと思います。 

 

友田先生は終始(ガチガチだった筆者の緊張をほぐしてくださりながら)筆者の拙い質問に対しても理路整然とお話しくださりました。第二の就職氷河期が懸念される中で就活に臨む私たち学生も、「実力だけではなく、巡り合わせがあるまで積極的に備える我慢強さも大切であること」を頭の隅に留めておくことで、今後の人生が大きく変わってくるかもしれません。 

友田 博之 教授 

立正大学法学部法学科 

大阪市立大学大学院法学研究科後期博士課程を単位取得退学後、2010年より立正大学に着任。ドイツ法を比較対象とし、刑事責任能力などを「被害者と加害者の同一性」の観点から研究。教育面においては、刑法解釈学を通じて学生の論理的思考力の育成に取り組む。 

 

記事：立正大学法学部２年　三輪浦淳和