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立正人(第11回:大塚 ひとみさん)
2023/08/09
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立正卒のフリーアナウンサーが語る
〈アナウンサーは有名大学出身で、優れたコミュニケーション能力、容姿、そしてコネがないとなれない職業〉
読者のみなさんも、このようなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか?実際にキー局と呼ばれる都心の主要放送局アナウンサーの倍率は1000倍以上、地方放送局で100倍~1000倍程度とも推計されており、非常に就職難易度の高い業種であることが分かります。
この厳しい倍率を見事に突破し、NHK宇都宮放送局に内定。現在はフリーアナウンサーとして活躍する立正人、大塚ひとみさんに当時のエピソードや現在の活躍について語ってもらいます。
——立正大学に進学した理由を教えてください
高校の頃から心理学を学びたくて、心理学部が有名な立正大学への進学を考えるようになりました。私が入学する年に対人・社会心理学科も開設されて、非常に盛り上がっている時期だったと思います。
当時は対人・社会心理学科の学問にも興味はありましたが、臨床心理学科でも対人・社会心理学科の授業を受けることはできたので、在学中の4年間で両学科の学びを得られたと思います。
——心理学に興味を持ったキッカケは?
卒業アルバムの寄せ書きに書かれていた私への印象が、『空気を読める人』という事でした。そこで、「空気を読めるってなんだろう?」と考えた時に、人の感情や表情、仕草や声のトーンを自分が無意識に察しているのではないかと考えるようになり、そういう経験から、まずは自分のことよく知ってみたいと思い、心理学部への進路を考えるようになりました。
——ご自身が空気を読めるという自覚はある?
それが本当に無かったんです。卒業アルバムのフリースペースに書かれているのを見た時は、「あ、自分はこういう風に思われているのか」と驚きました。
——そこからアナウンサーを目指した経緯を教えてください
最初は臨床心理士になりたいと思っていましたが、立正大学に入学して間もない時期に、私の趣味である釣りがきっかけで考えが変わった気がします。
高校までは「エサが気持ち悪い」「日焼けが嫌だ」などの理由で釣りを一緒に楽しむ女子友達がいなかったため、大学では釣りへの誘い方、魅力の伝え方を工夫してみたんです。紙芝居風に絵や言葉で楽しさを伝えたり、実際に釣った魚を食べてもらったりしたところ、嬉しいことに「釣り良いかも!」とハマってくれる友人が現れました。
私が伝えていなかったらその子が釣りをする事はなかっただろうし、言葉と工夫を掛け合わせて伝えたことで、その友達と釣りをつなぐ架け橋になれた。そして、実際に釣りを楽しんでもらえたという経験から、アナウンサーを目指し始めました。
——4年間の学業で学べたことは?
心理学部の櫻井広幸先生のゼミに入り、「声の印象と顔の印象は一致するのか」という事について3~4年生の期間で研究・実験していました。実験は、聞き手に話し手の声だけを聞いて容姿をイメージしてもらい、それが合っているかどうか、声でもたらされる印象から形成された容姿がどういうものなのかを検証するものです。研究の結論としては、「声の印象と顔の印象は一致しない」という事が分かりましたが、今はラジオの仕事もやっているので、自分の想像できる範囲を超えて、声で様々な事を表現できることは素晴らしいと感じています。
一方で、私たちアナウンサーの中で「リスナーにこう話せば伝わるであろう」と想定しているものが、「伝わるであろう」という程度の気持ちだと、おそらく伝わらないなと考えるキッカケにもなりました。細かく表現し、リスナーに対して気を配らないと、こちらの想定通りに伝えられないので、気を配ることは常に心がけています。
——アナウンサーになるための在学中の準備
アナウンサー試験に関連するインターンシップや就活セミナーは、放送局主催のもので大学1~2年生から参加できるものもあり、繋がりを作ることができる重要な場でもありました。
私自身、早くからアナウンサーを志していて、北海道から沖縄まで全ての放送局を受けていたため、全国を周りながら学校に通うという日々でした。試験では成績表の提出を求められることもあり、授業やテストは一切手を抜けない状態。正直とても大変でしたが、友人や先生方のサポートがあり両立することができました。大学の皆さんの温かさに感謝の気持ちでいっぱいです。
——そういった努力が実ってNHK宇都宮放送局に内定が決まった時の心境は?
有名大学にもアナウンサー志望の方が多くいる中で、本当になれるんだ!と思いました。よくなれたなあと感じましたね。
——そこから経験を積んで、株式会社ウェザーニューズへの転職などを経てフリーアナウンサーになった理由は?
釣りをはじめとしたアウトドアの魅力を伝えられるようなアナウンサーになりたいと思ったからです。放送局で報道や情報など基礎を積ませていただき、今、自分が最も伝えたいことに挑戦しています。大学での卒論研究の成果も今の仕事に生きています。
「声だけで伝えた情報の受け取り方は未知数」という感性心理学の研究で、ラジオの仕事をする際、リスナーにより心配りをするきっかけになりました。アナウンサーという仕事は、取材相手、聞き手など、常に誰かの「心」と隣り合わせ。立正大学で学んだことを糧に、これからも伝え続けます。
——最後に在学生へ一言
在学中は、メディアの就職に弱いなと感じていました。もしこういった業界に興味がある方は、卒業生にアナウンサーがいることは有効に活用してほしいなと思います。立正大学の学生がメディア関係への就職に強くなってほしいですね。
——ありがとうございました。大塚さんの今後の活躍にも期待しています。
YouTubeスポニチチャンネルで配信中の【釣り女子アナリポート】はこちら
大塚ひとみさんのTwitterアカウントはこちら
フリーアナウンサー
大塚 ひとみ さん 2015年 心理学部臨床心理学科卒業
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