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先生に聞いてみた(第12回:文学部 島村幸一教授)
2022/11/10
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本土で唯一の琉球文学を専門にしている専任教員
「日本復帰」前の現地を知る教授が語る沖縄の魅力
島村先生はどんな研究をしているの?
前近代の沖縄・琉球文学が私の専門分野です。今年度は「琉球の旅歌(航海儀礼歌)の基礎的研究」というテーマで、科学研究費助成事業に採択されました。「旅歌(航海儀礼歌)」というのは、航海の安全を願う歌です。琉球・沖縄の物や人の移動は船が中心です。それで、航海の前に盛んに旅歌を謡います。
もうひとつ、科学研究費助成事業の研究成果公開促進費(学術図書)にも採択され、来年2月に『おもろさうし選詳解』という本を出す予定です。『おもろさうし』は、明治時代の初めまで沖縄にあった琉球国の儀式で謡われた歌謡集です。また、琉球王府が編纂した史書や地誌、旧記に記された物語、伝承も研究しています。
「日本復帰」前の沖縄はどのような場所だったの?
今年は、沖縄が日本に「復帰」してちょうど、50年目の年ですね。私は「復帰」の1年前の1971年に、沖縄に行きました。当時、沖縄は「外国」でした。パスポートが必要でした。通貨はドル。当時、東京の晴海埠頭から沖縄へは船で48時間。台風に遭い63時間もかかりました。船酔いでへとへとになって那覇港に着くと、防疫検査がありやっとの思いで上陸しました。
沖縄を廻ると、沖縄の人達に「日本復帰」を望んでいない人達がいることが分かりました。「復帰」をしても米軍基地はほとんどなくならないという失望。「復帰」をすると、圧倒的な力で本土資本が入ってきて、沖縄の企業が打撃を受けるのではないかという不安。本土の情報、文化が、すごい勢いで流入してきて沖縄の文化が失われてしまうのではないかという恐れなどが聞かれました。沖縄戦の時に日本兵による住民殺害の話しを聞いた時は、強いショックを受けました。旅行中はなにも分からない高校生に優しくしてくれる人がいる一方で、私達に警戒する人もいて、複雑な経験をしました。
沖縄・琉球の文化や文学に興味がある人が、沖縄に行った時、どこを見ればいい?
まずは、やはり「ひめゆり平和祈念資料館」を見て欲しい。私の先生の一人は、ひめゆり部隊を引率した仲宗根政善先生(『ひめゆりの塔をめぐる人々の手記』角川文庫の編者)です。私は仲宗根先生(琉球大学名誉教授)に直接習った最後の学年です。それと、世界文化遺産になっているグスク(城)巡りを勧めます。首里グスク、浦添グスク、中城グスク、勝連グスク、今帰仁グスク。
沖縄のグスクは、城塞であるとともに祭祀の場です。首里グスクは、半分以上は祭場です。その祭祀を司るのは、ノロといわれる女性神役です。ヲナリ神信仰というものが、沖縄・琉球文化の特徴です。ヲナリ神信仰は女兄弟は生まれながらにして、男兄弟を霊的に守る力があるというものです。御嶽(ウタキ)という聖域が、グスクには多くあります。沖縄県立博物館・美術館も充実しています。お勧めです。
島村 幸一 教授
文学部 文学科
[略歴] 1971年、高校2年生の時に行った沖縄旅行をきっかけに、沖縄の民俗学に興味を持ち、沖縄のユースホステルに泊まり込みで浪人生活を行う。その後、琉球大学、法政大学大学院に進学し、卒業後は高校教師を勤め、本学文学部に着任。2016年から2021年まで本学文学部の学部長を務める。現在、本土で沖縄琉球文学を専門とする唯一の専任教員である。沖縄琉球文学を専門とする教員がいることが、文学部文学科日本語日本文学専攻コースのカリキュラムの特色のひとつになっている。
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