IRプロジェクト

プロジェクト期間

2021.04 ~ 2024.03

プロジェクトリーダー

渡辺美智子

プロジェクトの概要

大学におけるIRInstitutional Research)とは、学内に蓄積されている様々なデータや情報を収集・分析し、大学教育、学生支援、研究活動等の改善や評価に活用する活動です。本プロジェクトでは、主に入試や成績、学生生活、就職といった学生に関するデータを蓄積したデータベースを構築したうえで、データサイエンスの手法を用いた分析を行うことによって、これまでにない新たな視点から大学運営に関する施策を提言し、学内および社会に向けて情報発信を行います。

高度なIRを実践するためには、大学教育や大学運営に関する専門知識に加えて、データ分析に関する高度な技術が必要です。そこで本プロジェクトでは、データサイエンスの専門家を含む教員と各分野の職員の協力体制のもとで活動を進めています。

プロジェクトで何を明らかにするのか(研究手法・分析手法など)

本プロジェクトは、「データベース整備グループ」「入試分析グループ」「学修・生活分析グループ」という3つのグループから成り立っています。「データベース整備グループ」では、入試、成績、授業への出席状況等の情報に加え、学生が在学中に回答する様々なアンケート調査や資格試験の結果等を収集したうえで、学籍番号をキーとして各データをリンクすることにより学生データベースを構築します。このデータベースによって、各学生が入学してから卒業するまでの様々な行動を可視化し、様々な分析を行うことが可能になります。このデータベースを用いて実際に分析を行い、様々な提言や情報発信を行うのが「入試分析グループ」および「学修・生活分析グループ」です。例えば、「入試の種別によって入学後の出席状況や成績、就職にどのような違いがあるのか」(入試分析グループ)、「退学してしまう学生は他の学生とどのような違いがあるのか、またいつの段階で退学の予兆が現れるのか」(学修・生活分析グループ)など、大学運営に関連する様々なテーマを取り扱って分析を行い、問題解決や状況改善のための提言・情報発信を行います。

プロジェクトの成果は何に応用できるのか

新型コロナウィルスの影響により、大学教育は大きく変化しました。従来のような対面授業主体の教育だけでなく、オンラインの同時双方向授業や動画配信型の授業など多様な授業形態が導入され、当初は一部にオンライン授業を導入することへの批判的な意見やオンライン授業の教育効果を疑問視する声もありました。しかしこれまでに本学が行った調査や分析からは、オンライン授業によって学生の授業時間の増加や積極性の高まりがみられ、特に動画配信を用いたオンデマンド型授業では理解度・満足度が従来よりも向上しているといったデータが得られています。一方で、オンライン授業によって学生と教員、学生同士の交流がなく、大学生活に不安を持った学生が増加したといった生活面でのネガティブな状況も明らかになりつつあります。この例のように、新たな教育上の取り組みに対しては、これまでの経験や直観のみに基づく判断ではなく、エビデンスとなるデータを収集したうえで客観的な評価を行い、それに基づいて新たな方策を考えることが必要です。本プロジェクトにおいて行った分析・研究の成果は、このような教育の質を高めるための新たな方策を立案する際の基礎となります。

これまでの成果

プロジェクトメンバー

宮川 幸三 研究員
武井 順介 研究員
友永 昌治 研究員
慶田 昌之 研究員
小林 幹 研究員
大井 達雄 研究員
亀井ダイチ利永子研究員
白川 清美 研究員
相馬 亘 研究員
高部 勲 研究員
西崎 文平 研究員
井田 政則 研究員
ジョセフ鈴木パーカー共同研究員
池田 智 プロジェクト研究補助者
田島 壮一郎 プロジェクト研究補助者
伊勢崎 奈津子 プロジェクト研究補助者
中島 洋 プロジェクト研究補助者
北島 祐紀 プロジェクト研究補助者
五味 彩織 プロジェクト研究補助者
小澤 奈々子 プロジェクト研究補助者
白川 晃大 プロジェクト研究補助者