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先生に聞いてみた(第06回:文学部 板橋勇仁教授)

2021/05/15

  • # 立正大学
  • # 文学部

自分を知るきっかけとなる哲学
哲学とは何か?生きるとは何か?

哲学に興味を持ったきっかけは?
 高校生のころに、何かにつけて自分中心で他人のことを考えていない自分がとても嫌になりました。そう思いながら何となく日々をやり過ごしている自分が嫌でした。自分が存在することは悪いことなのかなといろいろ悩むうちに、尊敬する先生から薦められた哲学の本がヒントになりました。
 本当は日々が他人とのこのうえなく貴重な出会いの場で、ここに出会えたことは奇跡的なこと。そのありのままにもう少し戻ることができれば、自分ももっと他人を大切に感じるのではないか。そう思えたら、世界の見え方が変わってきました。そんな見え方を哲学でもっと確かにしたいと思いました。

先生が専門にしている日本の哲学とは?
 たとえば、ある用事があってその目的のために急いでいると、風景にあまり目が行きませんよね。効率よく行くために必要な目標だけが意味を持ちます。でもそれでは息がつまります。もし用事への思いから少しでも解放されれば、道すがら新たな発見や出会いがあるのではないでしょうか。意味がないと思えていた些細なものも、稀有に見えて、大切なものに気づきます。
 私が専門にしている日本の京都学派の哲学は、この先の未来に行きがちな目線を少し離して、いまここにもっと眼を向ける作法を示します。いまここにすべてがあると説くのです。

ズバリ、生きることの意味とは?
  生きることの意味は「これだ」と言えるなら、そう生きなければ意味がないことになります。でも、生きるというのは意味があるとかないとかといった次元ではない気がします。私たちは気づけばいのちを授かって生きています。
 生きることは本当に稀有なこと。しかも意識せずとも、息し続け、生きようとしています。生きることを楽しめたり感謝したりするほど強くなくても、預かったいのちをいまここに生きることは、ただそれだけで尊い気がします。


板橋 勇仁 教授
文学部 哲学科

2000年に上智大学大学院の哲学研究科博士後期課程を修了。2002年より本学の文学部講師に就任し、2014年より教授を務める。日本初の独創的思想と言われる西田哲学と呼ばれる哲学や、ドイツ哲学を研究し、授業では「自分で考えることの楽しさ」を学ぶ講義や演習を行っている。  

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