経営学部は、立正大学四番目の学部として、1967年に創設され、本年で50周年を迎えました。これまで様々な形で、学部を支えて下さった皆様に心より御礼申し上げます。

50年の間に日本の産業社会を取り巻く状況は大きく変わりましたが、本学部は、常に時代に対応した先進的な教育を取り入れ、学部の教育理念である「心豊かな産業人」の養成に向け、力を注いできました。例えば、情報化社会への対応については、既に1989年に日本の社会科学系の大学で初めてパソコンを必携化し、情報教育を強力に推進してきました。また、昨今話題に上ることが多い産学交流についても早くより積極的な取り組みを続け、経営者・実務家の方々による授業は20年以上前からカリキュラムに取り入れています。

現在の経営学部において「基本的課題」として、最も重視しているのは、「共創力」の育成です。

社会が複雑になるにつれ、企業に求められる課題は、ますます多彩になってきました。もはや、経営者が、強力なリーダーシップの下で自身の考えを一方的に押し付ける形では、持続的な成果を上げることは難しくなっています。そこで必要になってくるのが、組織メンバーが、それぞれの個性・長所を活かしつつ、協力し合って付加価値を創出する活動です。こうした活動を、本学部では、「共創」と定義しています。

「共創」の必要性は、組織内部で行われる活動にとどまるものではなく、提携等を通じた他企業との「共創」、さらには、NPO、NGO等より広い社会との「共創」まで、様々な面で広がっています。

「共創」を成功させるためには、自分自身の考えをしっかりと持ちつつ、他者の意見も尊重する姿勢、すなわち「コミュニケーション能力」が必要です。また、専門理論を深く学び知識を豊かにしつつ、ロジカルに考える力も必要でしょう。そして、活動を効率的に進めていくためのスキルも重要です。こうした視点に基づいた本学部の教育の特徴をいくつか紹介いたしたいと思います。

まずは、ゼミナールです。産学交流、地域連携、大学間交流、国際展開、理論研究等の個性を持つゼミナール活動を通じて、他者と協力して問題理解を深め、問題解決につなげていく力の育成を試みています。講義系科目においても、既述のように経営者・実務家を通じて学ぶ科目を中核科目の一つとして置き、経営上の課題を「現実的」に理解できるように教えています。また、現代社会において必要とされる基礎的なビジネス・スキルを養成すると同時に、言語・文化教育を通じグローバルな視点を養成しています。

こうした教育を進めていくことで、単に四年間の大学での「学び」で終わらず、社会に出た後に他者と「共生」し、自己を高め続け、時代変化にしなやかに対応できる人材の育成を目指しています。

本学部では、創設50周年の記念行事として、来る11月11日に、東京急行電鉄株式会社の野本弘氏を講演者にお迎えし、記念講演会を実施いたす予定です。「共創」の基盤となる「信頼」に焦点を当て、「信頼し、信頼される経営」をテーマとしています。ご関心をお持ちいただけましたら、是非、石橋湛山記念講堂までおいでいただければ幸いです。

本学部は、今後も社会から求められる人材を輩出できるよう、学部教育内容のさらなる充実に向け努力を続けていく所存です。今後とも、皆様のご協力をいただけますようお願い申し上げます。