シルクロード東京 文化学術シンポジウム

平成28年10月29日(土)シルクロード東京 文化学術シンポジウム「新シルクロード・ディスカバリー」-ウズベキスタンと日本の古代文化の接点を探る-開催

立正大学では、平成28年10月29日(土)に「シルクロード東京 文化学術シンポジウム『新シルクロード・ディスカバリー」』ウズベキスタンと日本の古代文化の接点を探る-」(主催:一般財団法人日本ウズベキスタン・シルクロード財団、共催:立正大学、後援:外務省、品川区教育委員会、協力:ウズベキスタン共和国大使館)を開催しました。

本学は2014年4月に『立正大学ウズベキスタン学術調査隊』を組織し、ウズベキスタン共和国科学アカデミー芸術学研究所と共同で、同国テルメズ市郊外に存在する古代仏教遺跡「カラ・テペ」の発掘調査を進めてきました。本シンポジウムでは、その成果とともに全国から集まる第一線の研究者による古代ウズベキスタンや古代日本に関する研究の一端を発表し、中央アジアと日本の関係や日本文化の成り立ち、「シルクロード」の姿を多角的に紹介しました。

冒頭、本学調査隊の顧問として多大なるご尽力をいただき平成28年9月11日(現地時間)にウズベキスタン共和国テルメズ市にて逝去された加藤九祚氏(国立民族学博物館名誉教授)を追悼する時間を設けさせていただきました。齊藤昇学長挨拶時に黙とう、「ウズベキスタンにおける仏教遺跡発掘の概況」にて先生のお人柄、ご功績並びに先生がカラテペを掘るに至った経緯、そして先生と中央アジアの関わりなどを写真とともに解説を行う内容となり、参加者は先生の生前を偲んでいらっしゃいました。

シンポジウムは研究発表(第1部、第2部)とパネルディスカッションの2部構成で、研究発表では第1部で3年間のカラテペ遺跡調査を報告した池上悟立正大学文学部教授・副学長を皮切りに、吉田豊京都大学文学研究科教授には三蔵法師のモデルとして有名な玄奘が研究したソグドとバクトリア文字について、松田和信佛教大学仏教学部教授にはアフガニスタン・パキスタンで発見された仏教写本とその研究者たちについて、臺信祐爾九州国立博物館学芸部特別研究員には西域仏教美術の成り立ちとその特質について発表していただきました。

また研究発表第2部では、バヒリディノフ・マンスール氏よりウズベキスタンにおける古代国家の形成と外交条約について、青木健慶應義塾大学言語文化研究所兼任所員にはサーサーン朝期における天文学とイスラーム期に継承されたヘルメス主義について、菅谷文則奈良県立橿原考古学研究所所長には飛鳥を来訪したトカラ人と平城京を来訪したソグド人を始めとしたブハラ出身の来航者について発表していただきました。

パネルディスカッションでは、パネリストである本学文学部岩本准教授によるカラテペ周辺遺跡の年代観について説明がなされた後、菅谷所長・吉田教授・松田教授らパネリストにトランスオキシアナ(オクサス川より向こうの地)やその周辺地域における仏教について自身の知見をご披露いただきました。今回は中央アジアと日本との関係、シルクロード全体像の見方・捉え方をお伝えしたが、今後も継続して調査するウズベキスタン共和国にある古代仏教遺跡についても報告をしてきますのでご期待ください。

池上 悟 立正大学文学部教授・副学長

パネルディスカッション

安田 治樹 立正大学仏教学部教授

岩本 篤志 立正大学文学部准教授