社会福祉学科
教員インタビュー
人が好き。人と何かをするのが好き。
人のために動ける人が集まっています
森田久美子 教授
立正大学の社会福祉学科には、人が好きで、人と何かをするのが好きだったり、人の役に立ちたいという学生が多いと話す、森田久美子先生。すべての人が幸せに生きていくために相手の心に寄り添う手法を学べる、社会福祉学科のソーシャルワークコースについて聞きました。
社会福祉に関する幅広い知識と
専門的な分野への深い理解を培う
ー 立正大学の社会福祉学部社会福祉学科ソーシャルワークコースで学べることを教えてください。
社会福祉学科では、社会福祉学と関連領域(宗教学・心理学・教育学・生物学・法律学・経済学)に関する幅広い知識をそれぞれの専門教員の授業や演習で総合的に学ぶことができます。
そして、入学時に高齢者や障がい者、子どもなどの生活を支えるエキスパートを育成する「ソーシャルワークコース」と、福祉社会を地域から支える特別支援学校教諭や公務員などを育成する「教育福祉・社会デザインコース」の2コースに分かれ、各コースの専門知識を身につけることができます。
また、1年生から4年生までの全学生が、少人数制のゼミナールに所属し、教員の指導やゼミ生どうしの交流を通じて学びを深めます。
さらに、1年次では見学実習として高齢者施設や障害者施設などを見学させてもらい、利用者がどんな生活をしているのかを学びます。
2年次では、ゼミで社会福祉の知識やコミュニケーションの技術、面接技術を身につけるための演習を行います。ここまでの学びは、3年次に行うソーシャルワーク実習に向けての準備です。 3年次の実習では、さまざまな実習先で利用者と接したり、実際にソーシャルワーカーの方がどのような支援をしているのかを間近で見て学びます。
ー ソーシャルワーク実習の実習先も幅広く設けられているんですよね。
ソーシャルワーク実習では、高齢者の分野であれば地域包括支援センターや特別養護老人ホーム、生活保護公的扶助の分野は福祉事務所やホームレスの支援をしている施設、子どもの分野では児童養護相談所や親といっしょに暮らせないお子さんの生活をサポートしている児童養護施設、障がいの分野では障がい者支援室や就労支援の施設事業所などが実習先となります。
これらの実習先のなかには、約20年お世話になっている施設もあります。卒業生が就職している施設では、先輩たちに実習指導をしてもらうこともあって、このようなつながりのなかで学ぶことができる学生たちは恵まれていると思います。
学生どうしのサポートで
将来の人間関係の基礎を身につける
ー 実習を体験した学生のようすはどうですか?
現場に行っただけでは、「いろいろ経験しておもしろかった」で終わってしまうので、振り返りの授業を大切にしています。実習で利用者さんとのコミュニケーションがうまくいかなかったなら、自分がどうしてできなかったのか、相手の方を理解するにはどうすればよかったのかなどを話し合い、体験したことを確実に自分たちの力にしていきます。
ここでも仲間どうしの支え合いが大事になります。私たち教員は学生の力を高めたいという視点でアドバイスすることが多いのですが、同じような経験値をもつ学生どうしだと同じ目線でサポートし合えるようです。
うまくいかなかったことがあっても、チャレンジした姿を他のメンバーが認めてくれることが自信となり、どう学び直して成長していけばいいのかという道筋を自分なりに見つけていくようすに、学生どうしのサポート力の強さを感じています。
このような経験は、就職してからもスタッフどうしでサポートし合って、問題に対処し、利用者の生活を支えていけるチームワークの基礎になると思います。
社会福祉士の国家試験合格率、52.5%。
国家試験対策室の徹底サポート
ー ソーシャルワークコースの国家試験対策室について教えてください。
国家試験対策室では、社会福祉士、精神保健福祉士の国家資格の取得をめざす学生のための、基礎力養成講座、勉強方法ガイダンス、個別相談など、さまざまなサポートを行っています。国家試験対策室は国家資格を受験したい立正大学社会福祉学部の学生や卒業生であれば、だれでも利用できるようになっています。
その結果、立正大学社会福祉学部社会福祉学科の2016年度の社会福祉士の国家試験合格率は52.5%と学生の努力が光るものとなりました。 社会福祉士の合格率は、全国平均がおおよそ3割で、決して易しい試験ではありません。こつこつと勉強をした結果が資格というかたちに実を結ぶのは大きな自信になりますし、就職活動や社会に出てからも必ず役立ちます。
福祉マインドと構想力を身につけて
一人ひとりのための福祉社会を実現できる人材へ
ー それでは、ソーシャルワークコースの学生のみなさんに期待することについて、聞かせてください。
社会でおきている社会的問題を的確に分析することで、さまざまな背景をもつ人たちの気持ちに寄り添い共感する「福祉マインド」と、創造力で社会をデザインする「構想力」を身につけてほしいです。そして、一人ひとりの幸せと尊厳を大切にできる福祉社会を実現させる人材になってほしいと期待しています。
人生に無駄なことはない。
そう思える社会のあり方をいっしょに考えましょう
ー 最後に、受験生のみなさんへメッセージをお願いします
「人生のうえでのどんな経験も、例えそれが病気などのつらい経験であっても、無駄なことはない」。これは、私が大学時代の恩師から教えていただいた言葉です。病気や障がいがあっても、このように強く思える社会のあり方をみなさんと一緒に考えていきたいです。