「売り手市場」と言われる昨今、人材の獲得競争がますます激しくなっており、多くの企業で当初の計画通りの人材の確保ができない現実があります。しかし、「売り手市場」はただ学生に有利かと言えば、そうとばかりは言えません。多極化も進んでおり、うまくいく学生は早めの内定、複数の内定を獲得できる一方、乗り損ねた学生は長期化を強いられることにもなっています。また、企業研究業界研究がただし、隠れた優良企業なら採用されるかといえばそんなことはありません。中小規模の企業は、長く勤められる人材をしっかりと育てていく気持ちが強いため、さまざまよくできていないうちに内定が出て、実際に働いてみて「イメージが違った」というミスマッチも増える方向にあるようです。それだけに、学生も企業研究・自己分析など、採用活動前の「就職活動」をしっかりと行う必要があります。「売り手市場」ということで、気楽に構えていると厳しい現実が待っていることを頭に置き研究を行うよう、保護者の方はアドバイスしてあげてください。10月〜12月12.5%11.0%15.3%15.7%な角度から人物を見極めようと、選考では多様な試験や面接を実施します。選考を勝ち抜くためには大手企業、中小企業のいずれを志望する場合でも何よりも自己分析が欠かせません。自己分析とは、自分は何をしたいのか、何ができるのか、長所短所、特徴を把握することで自分の強みを見いだすことです。そのうえで「自分の強みを活かし、成長できる企業はどこか」という視点が重要になります。自分の長所短所などはなかなか本人ではわからないものです。お子さまの身近にいらっしゃる保護者の皆さまのアドバイスが不可欠です。出典:就職みらい研究所「就職白書2024 就職活動・採用活動に関する振り返り調査 データ集」、就職みらい研究所「就職白書2023 就職活動・採用活動の振り返りと今後の見通し」より作成50.0%45.0%40.0%35.0%30.0%25.0%20.0%15.0%10.0%5.0%0.0%24卒23卒21卒19卒7月〜9月17.1%17.3%18.5%12.0%4割が3年次の6月以前、半数以上が9月以前に就活開始4月以降11.4%9.8%9.9%12.6%就職活動の開始時期(卒業年次前年〜卒業年次)3年次4年次保護者からの支援が求められる現在の就職活動5増加6月以前39.7%42.4%26.1%13.1%減少1月〜3月19.1%19.7%30.1%46.6%学生の就職活動スタートは3年生の春からが主流へ「隠れた優良企業」の発見こそが、成功の鍵採用試験のオンライン化によりエントリー者数が増え、書類選考や筆記試験の競争倍率が上がっていると思われます。特に大手企業はよりその傾向が強くなっています。企業研究や職種研究が十分でないまま、狭い視野で世間の価値観に縛られた就職活動は危険です。内定はゴールではありません。これから長い間働くことを考え、徹底した企業研究を行い、自分に合う「隠れた優良企業」 を発見することが成功への鍵となるはずです。
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