第97回公開講座「将来なんか恐くない~なんとなく幸せで、なんとなく不安な時代の生き方論~」 第2部 vol.2

2013/12/27

第97回公開講座 「将来なんか恐くない~なんとなく幸せで、なんとなく不安な時代の生き方論~」

就職・就活について感じている、学生たちそれぞれの想い

古 市8人のバラエティーに富んだメンバーです ね。皆さん前向きな方が多くて、こういう場所にいらっしゃるからかもしれませんけど、本当に怖いものってないですか? 例えば今3年生なら、怖いと言うと語弊があるかもしれないですが、就活が不安とか、そういうことを3年生の誰かに聞いてみたいんですけど…さっきの声が大きかった鏑木さん、今3年生で12月から就活が解禁ですが、もうすぐですよね。どうですか?

鏑 木すごく不安ですね。不安な中にも、絶対に社会に出て活躍したいという気持ちはあるので、ある意味わくわくしています…不安を持ちながらも。

古 市どんな業種で働きたいですか?

鏑 木業種というのはまだ決めていません。人を楽しませ、幸せを与えるような仕事がやりたいです。自分がしたことによって人に満足してもらえるような仕事があればいいなと思います。

古 市隣にいる髙野さんも3年生で就活の時期ですよね。どんな仕事をしたいとかありますか?

髙 野今は葬儀屋さんに勤めてみたいと思ってます。葬儀に関する本を読んで、こんな仕事があるんだというのを勉強したので。自分の人生で一番大事な日というのは、一般的には結婚式だと思われています。でも実際は結婚しない人もいるし…むしろ、人生のエンディングが大事なのではないかと。そういう日をお手伝いできる職業に就いてみたいと思うようになりました。

古 市どんな仕事をしたいかってすごく面白いですよね。もし かしたら偶然もあるかもしれないし、たまたま身近にいたから、か もしれないし。4年生の方はもう就職先は決まってますか。内池さんは決まってるんですよね。

内 池警備会社に決まりました。会社のビルやテレビ局などで常駐警備を行うことが仕事です。

古 市就活で一番大変だったこと、困ったことってありますか?

内 池特にないんです。就活を始めたのが10月の終わりで…。

古 市でも周りは1年以上前から始めてますよね? 焦りとか不安はなかったんですか?

内 池なかったですね。始めたほうがいいのかなという気持ちはありましたけど、部活の練習試合などで、時間が取れなかったので。部活が終わってからゆっくりやろうという感じでした。

古 市就活にもこうしたいろんなスタイルがあっていいと思うんですね。大学1年生から受け付けるとか…。4年生で卒業して、皆が同じタイミングで就職する必要は必ずしもないと思います。逆にそういう悠長な人がいてもいいし、悠長な人が許される社会であったほうがいいですよね。郷原さんは就職とか考えずにすんなり大学院に行こうと思ったんですか?

郷 原はい、大学4年になった頃に大学院で勉強したいなと思いました。就職についてはあまり考えなかったです。

古 市五十嵐さんは就活したんですか?

五十嵐はい。私は12月1日になったら就職情報サイトでエントリーして…という一般的な流れで始めました。大体の学生は、12月になったら焦って始めていると思います。私の就職先は建設業の会社です。

古 市地元ですか? 地元に帰ろうというのは前から思ってましたか?

五十嵐はい。地元が地震にあったこともありまして、地元に帰ろうというのは前から思っていました。

古 市加藤さんは就活についてどう考えていますか?

加 藤私の場合は特別支援教員を目指しているので、就活というよりは採用試験に受かるのかな、というのが大きいです。立正大学に入ったのも、それを見据えてのことです。

古 市大学に入る前から特別支援教員として働きたいと思っていた?

加 藤はい。ずっと障がい者に関わる仕事には就きたいと思っていました。高校で、特別支援学校との交流があって、生徒さんと3日間生活をするプログラムに参加し、それがきっかけで先生になりたいと思うようになりました。

古 市じゃあもともとあった漠然とした夢が、そういう方々と出会う中で、こういう仕事があると知って、どんどん具体的になっていったという感じですか?

加 藤そうですね。

古 市それも面白いですね。今の世の中、実際に何をしたらいいのか解らないという若い人は多いと思うんです。でもそれが具体的な出会いによって職業に落とし込むことができたっていうのは、とてもいいんじゃないかなと思います。

「自分が無理なく得意にできること」を把握できている人は強い

司 会事前アンケートの中で鏑木さんが古市さんに対してどうして社会学者になろうと思ったのか?という質問を見つけまして、それを聞いてみたいのですが。

古 市なんか…流れですね。僕は人生に主体性がまったくない人間で、大学卒業して大学院に行こうと思ったのも、そのとき仲が良かった先生に行ってみたら?と言われたからなんです。今友人と一緒に会社もやってますが、それも誘われたからで、本を出したりするようになったのも、たまたま書いた修士論文をその時の先生に本にしてみたら?と言われて本にしただけなので、本当に流れなんですよね。何も自分で決めてないんです。ただ流れのままに行ったらこうなっちゃいました、という感じなんです。

鏑 木僕も流れで就職が決まるでしょうか。

古 市僕は自分で決めはしないけど、抽象的に言えば世界が自分に向かってくるような構造にはしています。様々な準備はしておくんです。声を掛けられやすくしておくというか、声を掛けやすそうな雰囲気を作っておく。特になりたいものがあったわけではないですが、やりたくないものは明確でした。自分に出来ないことというのがすごく解りきっていて、どうしても変えられないところを変えようと努力するよりは、逆に自分が得意なことや、苦労しなくてもできてしまうこと、僕の場合は文章を書くことですけど、そういうことを伸ばしていくようにしていました。

司 会それをこれから学生さんたちは準備しておくといいと思われますか?

古 市そうですね。今日お話した学生さんたちというか、一般論として、自分の長所と短所をあまり解っていない人が多いなと。もちろん個人個人で把握はしているんだろうけど、それって人前だと実はそうではないということがあったりするんです。自分が無理なく出来ることや、自分が無理なく得意になってしまっていることを把握しておけば、就活や仕事を始めてからも様々な能力を発揮しやすくなるんじゃないかかなと思います。

司 会これを聞いて学生の皆さんはどうですか?

片 沼今の話は納得で、準備が大切というのを聞い て、いくらチャンスがあっても準備をしていないと、そのチャンスがあったことすら解らない、これに乗っかろうという気にもなれないというか、フラをやっている中でもコンペに参加するなどしていますが、何事も準備が大切だなというのはすごく感じていて同感だなと思いました。

古 市片沼さんは仏教学部宗学科ですよね。将来はお坊さんになるんですか?

片 沼そうなんです。実家がお寺で一人っ子なので、そういう資格はとっておこうかなと。

古 市寺を継ごうという気持ちは?

片 沼はい、あります。お寺って固いイメージがあると思うんですけど、それを打破する感じで、お寺でフラダンスを踊ったり、スタジオとして貸して皆が集まれる場所にしたいと思っています。

古 市すごくいいですね。職業って必ずしもひとつに絞る必要はないと思います。僕自身も友人と会社をやりながら研究者としての仕事もしています。一見両立できないようなことが意外と両立できたりして、逆に両立するとそれがお互い相乗効果でいい風になったりしますよね。郷原さんは研究者志望?それとも修士までいってそれから後はまた考えようという感じですか?

郷 原とりあえず修士を2年間がんばって、専門知識を活かせる会社に行けたらなという感じです。

古 市それじゃ研究者志望ではないんですね。

郷 原できれば…というのはありますが、まず修士で就職して、そこから考えようとは思っています。

古 市最近修士で卒業して、一旦就職して研究者に戻るという人も増えています。第一部でお話した、皆が同じベルトコンベアに乗る必要はない…というところに通じますけど、普通に学校を卒業して働いて、また大学に戻ってきてもいいと思うんですよね。清水さんは、将来のことは漠然とでも決まっていたりしますか?

清 水もともとやりたかったことがあって、今は就職よりも大学院に行って勉強してから働きたいなと思ってます。

古 市もともとやりたかったことっていうのは?

清 水心理学がやりたくて一般教養で心理学を取りましたが、私がやりたいと思ったのがどちらかというと社会学に近い分野で、今は、社会学なのか心理学なのかで悩んでいます。

古 市本当に自分が興味のあることだったら先生のところに押しかけていって話を聞いてみるのもいいのではないでしょうか。むしろ本当にそれをやりたいなら、それくらいしてもいいんじゃないかな。大学院って行ったからって別に何かになるわけではなくて、基本的には放任主義のところも多いと思うんですね。行ったからといって学問が自動的に身につくものではないとも思います。

清 水そうですね、先日高校の先生と話をする機会があったのですが、他の学部や大学のゼミに行ったりするなど、行動力が大切だというお話を伺いました。自分から行動していくように、これから頑張っていきたいと思います。

古市さんからのメッセージ

自分の面白さは、自分には分からない。

今日お話していてすごく面白いなと思ったのは、皆さん“何か”持っている人が多いということ。
人から見たら新鮮で面白いと思えるエピソードは結構あります。
でもそれは自分では気づきにくくて、周りの方が面白さを理解できるかもしれない。
だから周りとの会話や、自分の過去を振り返る中から、自分の良さを見つけてほしい。
無理に見つけるのではなくて、実はもうそこにある、
自分の中にあるということに気づけたら、
将来の見通しがもっと良くなるんじゃないかな…と思いました。

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