モラりすレポート

年度一覧

対談vol.3 探検部 竹内洋岳 × 文学部3年木村さん 地球環境科学部2年 池田さん 「東海道ゴミ拾い駅伝」で優勝! 探検部は、「現代の探検」を模索する。

スポーツ? それともボランティア?
「東海道ゴミ拾い駅伝」とは何か?

木 村私たち探検部は、「第8回東海道ゴミ拾い駅伝」で優勝しました。この駅伝は、お正月に行われている箱根駅伝の日本橋・箱根間をチームのメンバーでゴミを拾いながら走るというイベントです。以前は学生が主催していましたが、現在はNPOが運営しています。

竹 内これはいろいろつっこみどころがあるけれど…(笑)。先頭に行った人の方が絶対ゴミを拾えますよね。

木 村そうなんです! 後から行く人はゴミがない。

池 田でもスピードを競って走る人と、ゴミ拾いを重視して走る人がいて、どちらかが欠けてもポイントにはならないんです。

竹 内じゃあ、走っている間に「あ、ゴミがあった。でもあれを拾うと時間がかかるから拾わないでおこう」っていう戦略もあるわけね

木 村はい。たとえば女子はゴミポイントが1.5倍なので積極的に拾って、でも敵のチームが見えている時はゴミを拾っている場合ではなく、走りで競った方がいい。または、男子が走りに徹するとか。

竹 内これはいつからやってるの?

木 村8年目です。私たちは7年間連続出場して、7年目で優勝したんです。

池 田今年はNHKがきて、2日間全部取材して頂きました。

竹 内うーん、これは…スポーツなの?

木 村スポーツ…だと思います。ただボランティアの精神もあって、自分の野心だけで動いているものじゃないっていうところが…ちょっとちがう。

竹 内なるほど。でも私はこの駅伝のことは知らなかったなぁ。練習をしたりするの?

池 田各自、ラントレしたりしています。

木 村私は何かを持って走るという経験がなかったので、それは練習しました。

池 田僕も拾いながら走ってみました。近所の人が応援してくれたりして…。

木 村これが優勝の盾です。箱根の寄木細工でできています。熊谷の部室に飾っています。

竹 内立正大学のサークルはあんまり優勝しないので、貴重ですね。探検部は、他の活動もしているの?

木 村今年は天竜川の大会で準優勝になりました。川、山、洞窟、自転車、そして冬山などです。他の大学の探検部は、川なら川、山なら山のみ…。立正の探検部は海外、川、山、洞窟…それぞれがある程度できるように育っていくのが特徴です。どれかに長けているとか、絶対優勝できるとかはあまりないけれど多様性があります。

池 田やりたいことをやる…というのが基本ですね。

地理学がすでに発展した現代における探検とは。

竹 内探検というものが考え出されたのは、イギリスの地理学的見地における探検家たちによってだった。つまり、「地球ってどうなってるんだろう?」と、シャクルトンやナンセン、リビングストンなどが、南極や北極、アマゾンやアフリカに行ったのが、おそらく探検の発祥だと思う。地球についてもほぼわかってきて、人間が宇宙に行く時代になった。地球上には空白はほぼなくなったなかで、「探検部」は一体何をしていくのか?

木 村そうですね…。探検とは何かという問いは、部員同士で話すとみんながぶつかる問いです。みんなそれぞれの考えを持っていて、一概にはいえないです。

竹 内それは探検という概念が、昔は地理学的見地だったのが、今の時代は一概にいえないぐらい多様化したってこと?

木 村近代になるにつれて、未開の地とかわからないことがなくなって、探検部の将来がなくなっていくと考える人もいれば、個人が「自分の世界」の中の未知なるものに出会い、克服したいということも探検というのではないか…と思う人もいるし、ほんとに多様化しています。

竹 内まさに山も同様で、今まで私たちは自分たちで山に登って終わりだった。ヒマラヤとはどういうところか、どうやって登って来たのかを伝えることをサボってきたので、人々の中から、登山というものの存在が薄れてしまった。探検家というのもまた消え去ろうとしている。探検部にいるんだったら、どこかに行ってつかみとって帰ってきて、見せるということをしてほしい。そこまでが探検部の活動になるのだと思う。

木 村そんなに大切な部活だと思っていませんでした。

竹 内私はそう思っているよ。人間の歴史は探検で成り立っていると思う。宇宙に行くのも、新しい技術をつくるのも、就職して新しいコミュニティに入っていくのもその人にとっては探検。そもそも私たちの祖先が、海から陸に上がってきたときからはじまっている、綿々と受け継がれた、未知なるところに行こうとする好奇心によるもので、私たちは好奇心によって生きてきたようなものだ。でも大多数の人たちが、常にそれを意識することは不可能。ただ探検部という看板をあげる以上は、ナンセンから始まった探検家たちの意思を継承しないことは失礼だ。

木 村そうですね。

竹 内私も同様で、山登りは先輩たちから受け継いできたもので、私の行為さえも先輩たちが見ていると思う。探検なんてもっと長い歴史がある。自分たちの活動が、先輩である探検家たちにどう見られているのか…それを思えば、人に伝えること、次世代につなぐことを考えないとね。

木 村そうですね。自分の好奇心だけで動いていた部分が大きかったと今思いました。報告書や部報は書くけれど、それ以外にも外に発信していくことは大事ですね。それを知識や経験として、みんながもっていないものを還元することを、もっと誇りをもってやっていかなくてはいけないなと思いました。

竹 内探検とは外に向かうだけじゃなくて、内に向かっていく探検というのもある。その探検がしたい! という発露というものは、すごく大きいものではなくて、その人なりの探究心によるものでしょう。探検部は、立正大学では人類史的にもっとも歴史がある部といえる。偉大なる探検家たちの歴史を継承し、この駅伝も探検のレベルまで昇華させてほしい。

2013年、東海道ゴミ拾い駅伝の様子はこちらでご覧頂けます

ページの先頭へ戻る