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先生に聞いてみた(第10回:データサイエンス学部 高部勲教授)

2021/09/10

  • # 立正大学
  • # データサイエンス学部

総務省で統計指標の研究・開発を経験!
データを提供する側に求められる視点と役割とは?


総務省ではどんな仕事をしていたの?
 総務省では、主に統計局で、統計調査を実施する際の調査票・調査用品の作成や予算の要求、体制の整備などの調査の企画立案・実施に関する業務のほか、企業に関するデータベースの整備や、公的統計の作成・公表、新たな経済指標の開発など、『正確なデータを作る』ことに関する様々な業務に携わってきました。その過程で、時には、国会議員への説明やマスコミ対応、国会答弁を書くといった業務もしていました。
 その中でも印象に残っているのが、先端的な統計学の知識と公的統計データを活用した新たな統計指標の研究・開発に関する業務であり、当時組んだプログラムのコアな部分が今でも動いていて、都道府県別失業率や家計の消費支出に関する指数(CTI)などの結果が算出されています。


AIを導入する際に気を付けるべきことは?

 業務などにAIを導入する際には、どのような機器やアルゴリズムを用いるか、といった技術面での検討も重要ですが、一方で、AIの学習の際に用いるデータそのものに関する検討もまた重要であり、データが持つ偏りや(データバイアス)、偏ったデータをAIに入力して誤ったアルゴリズムを学習してしまう危険性(アルゴリズムバイアス)にも十分に配慮する必要があります。
 例えばSNSのデータを扱う場合に、若年層が多いなど年齢層に偏りがある場合には、こうした点を考慮した調整が必要であり、また、企業の採用業務に関するAIを導入する場合には、過去の情報から特定の年齢や性別に偏った採用傾向を学習してしまわないように注意するなど、データの特性に応じた配慮が必要です。


 

先生が考える、データサイエンス学習で一番大切なことは?
 データサイエンスの学習では、与えられたデータを分析するための統計学や機械学習の手法など、データのユーザ側の視点も重要ですが、一方で、そのような利用に耐えうる正確なデータを集め、作り出していくというデータのメーカ側の視点で学ぶことも重要です。
 データサイエンス学部では、データの利活用に関する講義とともに、社会調査の設計と実査、社会調査演習など、データの収集や作成に関する講義が用意されています。そういった場で得られる知識は、例えば行政機関において、データの特性を理解した上で根拠に基づいて政策立案を行う場合や、企業において顧客の構造やニーズを把握した上で商品・サービスのマーケティングを行う場合など、データの利活用に関する様々な場面で役立ちます。


高部 勲 教授
データサイエンス学部 データサイエンス学科
2001年に早稲田大学理工学部を卒業。翌年4月に総務省入省、統計局、(独)統計センター等を経て、2021年4月に立正大学データサイエンス学部教授に就任。2019年3月に博士(統計科学)取得(総合研究大学院大学)、統計検定(1~4級、準1級、専門統計調査士、国際資格等)、専門社会調査士、ディープラーニングG検定などデータサイエンス関連の資格多数取得

 

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