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先生に聞いてみた(第05回:社会福祉学部 新井美津江准教授)
2021/04/20
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大切なのは教え方?寄り添い方?
社会的構成主義から考える算数教育
なぜ小中学校の先生から大学教員に転身したの?
これまで中学校で9年、小学校で2年、オーストラリアのメルボルンにある日本人学校で3年間先生として勤めていましたが、JICA(国際協力機構)のボランティアでフィジーに行った際、先進国との教育格差や途上国の数学教育の問題を目の当たりにし、自分の中で何かできないかと考えるようになりました。
そんな時に本学から講師としてのお話をいただき、「一般的な学校教育ではなく、やる気のない子や算数が苦手な子に対して、どのようにやる気を起こさせるかという観点から教育を考える。」という点で子ども教育福祉学科での教育に魅力を感じ、研究機関で教鞭をとることを決めました。
「先生」が勉強を教える時に大切なことは?
教員を目指す学生やゼミ生が教育実習を経験すると、勉強の苦手意識をなくす「指導法」や、学習意欲を高める「指導法」の答えを求めるようになってきます。
しかし、教育には「構成主義」と呼ばれる、『知識とは、人間が自分自身の中で組み立てていくので、他人から与えられるものではない。』という重要な教育観があります。私自身も「学生が何を求めているのか」を常に考えながら、教師は知識を与える存在ではなく、知識を構成させるための刺激を与える存在だということを学生にも伝えています。
さらに、私は「社会的構成主義」と呼ばれる、『人と人との間に生まれる相互作用によって知識が構成される。』という考え方を非常に大切にしているので、講義ではディスカッションやアクティブ・ラーニングなどを重視しています。
子どもの頃に図形に触れておくことは重要?
幼稚園だと「つみき」や「ブロック」などがおいてある場所が多いので、例えば複数のパーツを組み合わせて、動物のシルエットをつくる。といった遊び感覚で多くの図形に触れておく事で、モノを空間的に見る力だけでなく、答えのない問題を解決するような創造力なども養うことが出来るので良いと思います。
日本の教育では、教科書問題の正答率が高くなるような教育をしていますが、社会に出たら答えのない問題を解決する能力が求められるようになることが多くなるので、このような創造力や数学の応用は将来的に幅広い分野で活用できると思います。
新井 美津江 准教授
社会福祉学部 子ども教育福祉学科
千葉大学を卒業後、数学の教師として中学校で9年務め、その後は小学校や日本人学校、英会話教室など様々な教育現場で活躍。2018年から本学の非常勤講師として教鞭をとり、2020年に本学社会福祉学部子ども教育福祉学科の特任准教授に着任している。自身の経験も踏まえ、教員の役割とは何かを常に考えながら学生と接し、子どもに寄り添える教員の育成にも取り組んでいる。
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