
HOME > 生涯学習・公開講座 > 過去の公開講座 > 立正大学スペシャル講義(2007) > 講義内容
環境のケア 中村征夫氏 「海の警告に耳をすませ」
2007年11月28日 環境のケア
中村征夫氏 「海の警告に耳をすませ」
1 2 3 4 5 6 7 
海中で出会った不思議な魚たち
(9枚目)
「そんな格好で恥ずかしくないの?」と聞きたくなるような魚ですね。
この写真はサンゴ礁で撮ったものです。
サンゴ礁というのは、色々な彩りがあります。その上、浅いところに太陽の光がさんさんと降りそそぐので、めまいがするくらい色が氾濫しているのですね。そこに、北海道のサケやニシンが来ると、目立ってしまってしかたがない。すぐ食べられてしまいます。この魚は、自分の身を守るために、こうやってドギツイ色になっていくわけです。「私を食べたら毒がありますよ」と言わんばかりです。
(10枚目)
今度の魚はお人好しに見えませんか?
ヒゲがあるので、名前はズバリ「オジサン」といいます。
このオジサンは、砂の中にヒゲを押し込んで、ごそごそと甲殻類を探して食べるのですが、すぐ横取りされます。実にお人好しです。
ベラのようないやしい魚が横についてきて、オジサンが苦労してやっと見つけたエサをパクッと食べてしまう。でもぜんぜんキレませんね、このオジサンは。
(11枚目)
見事なヒレを広げていますね。海の中でこの魚を見たとき、小林幸子さんを思い出して「今年も紅白で会えるなあ」と思いながら写真を撮りました。
これは、僕を威嚇するために大きくヒレを開いた瞬間なのですが、本来はめったに開くことはありません。おそらく、1年に1回か2回、あるかないかでしょうか。ますます小林幸子さんですね。
(11枚目)
この魚ねえ…
この魚の名誉のために言わせてもらいますが、これが全身ではないですよ。胴体としっぽがちゃんとあって、砂を全部払うと全身が出てきます。
泳ぎが苦手な魚というのもいるんですね。こいつも、砂から出して泳がせようとすると、とても嫌がる。「本当に海の生き物?」と思うくらいです。
この魚、口が上に向いています。それから、目も上に向いています。ふだんは口などは隠れていて、目だけしか見えていません。
これは、この近くに来た魚にバクッと飛びかかるようになっているんです。泳がずに魚を獲る。そのためには砂に潜るしかない。一生埋もれっぱなしの埋没生活者ですね。
この魚が、どうしてこんな「困ったような顔」になってしまったのかと思いますよね。それは、この魚の“人生”をひもといてみると、何となくわかってきます。
エサを獲るとき、ダッシュをして確実に捕まえられる距離というのは、せいぜい30センチくらいでしょうね。32センチだと空振りするわけです。一度空振りすると、まわりの魚みんなにバレてしまいます。また砂に隠れても、みんな知っていますから、一週間以上は飲まず食わずでいるしかなくなってしまいます。だから、100%の確率で捕らえなければならない。確実な射程距離まで近づいてきてもらわないといけないわけですね。
「今いったら失敗しそうだ」とか、相手が35センチくらいの距離にいるときには「もうちょっとこっちこい!」とか、絶対に思っていると思うんです。
そう考えると、「なんだか気の毒な魚だな。だからこんな顔になっちゃたのかな」ともおもうわけです。
これは「メガネウオ」という魚です。
1 2 3 4 5 6 7 
