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立正大学 第91回公開講座
自分らしく、チャレンジ!!オトタケ的教育論

※本稿は、講座内容をダイジェストしたものです。

【講師】
乙武洋匡さん
【プロフィール】

1998 『五体不満足』(講談社)を発表。500万部を超す大ベストセラーに。
1999 TBS系『ニュースの森』でサブキャスターを務める。
2000 『Number』(文藝春秋)での連載を開始。
2004 平和をモチーフにした絵本『Flowers』(マガジンハウス)を発表。
2005 東京都新宿区教育委員会の非常勤職員「子どもの生き方パートナー」として教育活動をスタート。
2007 小学校教諭二種免許状を取得、杉並区立杉並第四小学校に着任。3・4年生を担任(2010年3月まで)。

一人一人違う子どもの良さを見つけてほしい

そもそもスポーツライターから、なぜ教育の道へ進んだのか。僕の中では、あるきっかけがありました。6~7年前に長崎県で、12歳の子と11歳の子が殺人を犯すという事件が立て続けに起こったのです。僕は加害者である少年・少女に対して、かわいそうだなと思いました。なぜか。人間、犯罪者になってやろうなんて思って生まれてくる子なんて一人もいないはずなんですね。けど、育ってきた境遇や出会いなどによって、そういう事件を起こさざるを得ない状況に追い込まれてしまった。だから僕はこう考えました。「その時、周りにいた大人たちは、何もしてあげられなかったのか」と。大人たちは、子どもが育つということに対して、もっと責任を持っていかなければいけない。そんな感想を持ったのです。そこで、改めて自分の子どもの頃を振り返ってみた時に、「ああ、自分は大人に恵まれていたからこそ、こうして今の自分があるんだな」と感じました。だからこそ、「今度は自分が大人という立場で、次の世代に恩返ししていく番なんじゃないか」とそんな風に考えるようになりました。

事前に募った質問にもお答えいただきました:

乙武さんが担任されたクラスの保護者の方々とのエピソードを教えてください。

乙武さんの回答:

僕が保護者の方と良好な関係を築き、信頼を得るために心がけていたのは、保護者の方にこまめに電話をかけることでした。それは、なにかトラブルが起こった時ではなく、その子が頑張ったことがあった日に電話をするんですよ。僕のクラスにかなり大柄な女の子がいたんですけど、その子はクラスでいちばんの頑張り屋さんで、逆上がりの練習とか、もう泣けるんです。結局は出来なかったけど、何度も何度も練習して…。その時期は体育がある度にお母さんに電話していました。「今日はこんなに頑張っていましたよ」「彼女の頑張りで鉄棒が苦手な別の子も一生懸命やるようになりましたよ」って。また、4年生の時の運動会では応援団に立候補してくれたんです。運動会当日、お母さんが大きなカメラを買ってきて一生懸命その子を撮っていました。徒競走もダントツでビリになってしまうような子だったけれど、運動会でも自分らしく輝くことができ、お母さんもその姿を喜んで撮影していたことが、すごく嬉しかったですね。

子どもの良さは色々なところにあっていいと思っています。大人は、その子の良さを見つけて褒めてあげること。足りないところは、他の人に補ってもらえばいい。みんなが違っていて当たりまえ、その違う一人一人の良さを活かし合って生きていくことが大切だと思います。僕はこれからも活字や講演で、このようなメッセージを伝えていくつもりです。

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