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自分らしく、美しく生きるために 女性を応援する立正大学のケアロジーカレッジ 2010年11月6日(土) 立正大学・大崎キャンパス 9号館9B21教室
自己へのケア、記憶のケア 傷を愛せる女(わたし)に

※本稿は、講座内容をダイジェストしたものです。

【講師】
金井淑子 教授(立正大学 文学部 哲学科)
【プロフィール】

東京教育大学文学部哲学科倫理学専攻、同大学院文学研究科倫理学専攻。横浜国立大学教育人間科学部教授を経て、2010年より現職。専門分野は倫理学・女性学/ジェンダー研究。最新著に『依存と自立の倫理「女/母(わたし)」の身体性から』ナカニシャ出版、また『異なっていられる社会を 女性学/ジェンダー研究の視座』、編著に『ファミリー・トラブル 近代家族/ジェンダーのゆくえ』、『身体とアイデンティティ・トラブル ジェンダー/セックスの二元論を超えて』(明石書店)などがある。

心の闇に届くケアロジーを

立正大学は「ケアロジー学」という新たな研究領域の構築を創ろうとしています。ケアロジーとは「人間・社会・地球」の関係性を修復し、人としてよりよく生きる方法を探求しようというもの。次世代に大きな負の遺産を残しかねない現代世界のありようをグローバルな視座から反省的にとらえ返すところで立てられた、非常に重要な理念的価値というべきでしょう。しかし私は、「哲学・倫理学」と、「女性学・ジェンダー研究」という二つの領域を橋渡しする立場から、新たにもう一つのケアロジーの視点を加えたい。「人間存在のヴァルネラビリティー(弱さ)」に根差したケアロジーというケアロジーへのミクロな視点です。立正大学のケアロジー・モデルをマクロ・ミクロ両側面から補整を試みたのが、図1です。人間と社会の間に卵型の円を拡張し、そこに「人間存在のヴァルネラビリティー(弱さ)に根差したケアロジー」を位置づけ、さらにその下に「トラウマ化された記憶のケア」への視座を拓くための領域も加えてあります。人間は弱い生き物。その上、現代社会は固有の生き難さを抱え、人々の内面は様々な暴力に傷ついています。心の闇に届くケアロジーという観点が不可欠ではないでしょうか。今を生きる「私の私に対する関係の修復」、つまり自分を大切に思う自己尊重感が育まれていなければ、他者へのケアの感情も共感も育まれるべくもないでしょう。劣等感や孤立感が、他人を道連れにした大量殺人や、自傷行為、自死という道を選ばせないとも限りません。

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