●セルフチェック&セルフメンテナンス

 「きれい」を見えにくくする要因を取り除くには、毎日コンスタントに自前の「きれい」を発揮できるような方法を身につけたらいいと思います。そのために行うのが、自分に対して行う手入れ、“セルフメンテナンス”です。
 セルフメンテナンスは「今日の私ってなかなかいいじゃない」と自分で思えるように整えるのが、いちばんの意義です。そしてちょこちょこ、こまめにやるほうがラクで効果的。お掃除と似ていますね。一気にドーンとお掃除するより、こまめにするほうがお部屋はいつもきれいです。それと同じで、疲れやきれいを阻む曇りもできるだけこまめに取っておく。そのためには、ひとつひとつの対応策が簡単なこともセルフメンテナンスには大切で、今日、お伝えするのは、本当に拍子抜けするほど簡単なものばかりです。ぜひ覚えて帰ってください。

 不都合なく快適に、健やかに、自分に満足しているためには、自分をよく知らないといけないですね。「自分を知る」は、自分をよく点検するところから始まります。こまめに自分に「大丈夫?」「元気?」と聞いてあげる。ご家族やお友達に「どうしたの?」と声をかけてあげるように自分のことも気遣う。注意力を自分に向けること。それが自分を知るためにすることです。
 ご自分には案外ぞんざいな対応になっていたり、気づきそびれているということもあるでしょう。でも、皆さんの体は取り替えも下取りも利かない車みたいなものです。できるだけ長く快適に、トラブルなく動いてくれないと困りますよね。年齢を重ねていらっしゃる方は特にそう思われるかもしれません。若い頃ぞんざいにしないで、もっと大事にしておけば、今もうちょっと違ったかもしれないと。お若い方はそういう方の声に耳を傾けて、年齢を重ねた方はその過去の反省点を踏まえて、これからはご自分のことをできるだけ丁寧に扱ってあげませんか。遅いことはないのです。これからの私を、できるだけ良い状態で維持していくのは、いつからでも大丈夫。やってみてください。
 「気づいたら、すぐ、こまめに対応する」。そして、「自分に心を向けて自分の点検をする」。毎日この2点を心がけましょう。

 では、「きれい」を阻む要因をどんなふうに取り除くか?について、 日常によくあることを、お顔まわりを中心にお伝えします。ここでみなさんに修正点が見つかるかも知れませんが、気づいたことがあったら、それはもう本当に素晴らしいことです。気づいたら問題は半分解決したようなものですから、何が自分の「きれい」を阻むのか?が分かったら、めっけもの、だと思ってください。

〈 首 〉

□ 気づくと、りきんだまま首をすくめている
 首をすくめる原因のひとつは“りきみ”です。いつも力の入っている状態では疲れますね。人間、無駄にりきまない方がいいです。それから姿勢ですが、首をすくめるときは肩も上がっていることが多いのです。固まった恰好のままでは頭をまっすぐ保てず、首に対しての頭蓋骨の位置がずれたりしますが、これもこりの原因になります。肩こりは最初、首のこりから来ることが意外に多いので、もし首が亀みたいになっていると気づいたら、まずはすぐに肩を下げましょう。

□ 気づくとあごが上がっている
 頭と首の関係は、イメージとして大体90°です。垂直な首に対して、頭が90°の関係で接しているイメージです。これが90°以上だったり反対に妙に狭いと、首に負荷がかかることになって、よくないのです。もちろん「きれい」には見えません。これを直したらてきめんに“くすみ”が改善されたという方もいるほど、巡り(血行)を妨げるんですね。 “くすみ”や“くま”が気になる方は頭の位置を意識してみてください。そのとき、“パンダ座り”(後ろに寄りかかるような座り方)をしていますと伸びるものも伸びないので、お尻の骨の上に腰(上体)をちゃんと載せて、その姿勢で胸を張るようにします。もし顔だけ妙にぴょこっと前傾してる方は、頭の位置がちょっとずれていますので、気づいたらすぐ直しましょう。それから、肩と頭はできるだけ離し、首の長さを確保するのも大事なことです。胸は張って、良い姿勢で首を伸ばします。“首と頭の角度は大体90°”と覚えておいて、ご自分で微調整して、首がこらないようにしてあげてください。

「りきんだな」と思ったとき、からだの力をリセットする方法があります。
 これは本当に簡単。「深呼吸」です。5つ数える間、肋骨をふわぁーっと前と横に拡張するつもりで息を吸います。肩は上げずに、5つカウントするうちに肋骨を拡張し、次の5つのカウントで肋骨をぺったんこにするつもりで吐きます。吐き切ったときに、肋骨の一番下、みぞおちのあたりが左右からきゅっと締まる感じがするまで吐きましょう。これを合計5セットやってみてください。
 吐いたとき、鎖骨から胴体がぐーっと下がるはずなので、そこを意識してやってみましょう。胸・デコルテがぐーっと伸びる感じ、首がぐーっと伸びていく感じを意識できたら、その深呼吸は大成功です。出っ尻、鳩胸にならないで。息をするのに慣れてきたら、鎖骨の下に両手を置いてみましょう。両手で鎖骨をさわったまま呼吸してみると、鎖骨の位置が変わる手応えがあるはずです。これを繰り返していると本当に首がのびます。首こりに非常に有効ですから、首がつらいなあと思ったらやってみてくださいね。
 この呼吸法は、りきみが消えるだけではなくて、緊張したときや忙しくて気持ちがいっぱいいっぱいというときにも非常に有効です。これ、実はストレスマネジメントの方法でもありまして、ストレスを逃がすとされています。ぜひ、ご活用ください。
 頭の位置が90°より角度が大きいとどう困るのか? まず見ためが暗い印象になりますね。あごが上がると、目線が見下ろすような形になりますし、人間、下ばかり見ていると気分も落ちます。気持ちのコントロールの上でも姿勢は正しく、顔と目線はまっすぐな方がいい。逆に上ばかり見ているとお魚みたいでおかしい。だから、やっぱり90°。これを肝に銘じてください。
 また、頭の位置が首に対しておかしいと、若くても“二重あご”になります。日頃あごが上がっている人が、本来の正しい位置に頭の位置を戻しますと、あごの下にぷよぷよが出るのです。どんなに顔がちいさくてやせている人でも、です。それは、頭と首まわりの姿勢が本来の姿からずれていたことへの通信簿のようなもの。通信簿がぷよぷよであり、二重あごのタネですから、タネのうちに摘み取りましょう。姿勢を直すことで余計なものを溜めなくするのです。本当に簡単なチェック、日々の微調整でなんとでもなりますし、フェイスラインの「きれい」には頭の載り方という要素が大きいので、肝に銘じてやっていただきたいと思います。

〈 肩 〉

□ 気づくと上腕がわき腹にぴったりくっついている
 気づくと肘から上、上腕がわき腹にピタッとくっついているという場合についてお話します。肘の内側が前を向いていることが多く、ゴルフをなさる人だと、よく“猿手”と怒られるかと思いますが、この腕の形をしているときは肩が脇腹に沿ってせり上がりやすいのです。そんなときはまず、胴体から二の腕を離してください。こうした腕の形を取りやすい方は、普段かなりお荷物が重いなど腕に無理をさせているか、常日頃からからだがりきむくせのある方といえます。
ではここで肘を振ってみましょう。肘の内側が真ん前を向いていないかどうか、ブラーン、ブラーンとさせて。妙に胴体にくっついていないかどうかチェックしてみてくださいね。気づいて直せば、すぐに直ってしまうようなことです。

肩コリに効果的なメンテナンス方法があります。
 これも簡単。まず、右手で左の肩をつかんでください。こってるなという所、首に近い所、遠い所、どこでも、自分が辛いなぁという所をつかみます。つかんだまま左腕を振ってください。ちょっとウキウキしているかんじに、肘の内側でわき腹をポーンポーンとリズミカルに叩くようにして、軽く軽くバウンドさせましょう。肩を腕ごとゆすることに意味がありますので、つかんでいる位置はどんどん変えていって構いません。ただホールドしているだけでいいです。
こうやって動かしているうちに、肩まわりのこわばりが取れるのです。逆もどうぞ。首はすくめず肩を下げたままやってくださいね。終わったら、首を左右に動かしてみて、ラクだなぁと思ったらこのメンテナンスは成功です。

〈 頭 〉

□ 額の横じわが気になる
 額の横じわは、過剰に目を見開くクセがあるかどうかと大きく関係します。写真に撮られるときや人に声をかけられて振り向くとき、パッチリ目に見せたいと思うあまり、くわっと異様な力で見開くクセがある方がおいででしたら、この“異様な力”が問題です。妙なりきみはからだだけでなく顔にも害。変なりきみは捨てる。これ大事です。本来の表情で十分素敵なのに、自分の顔に変な力を入れてデフォルメして、しわを作ってるかもしれません。自分の表情を点検してみてください。歌舞伎の“見得”みたいに見開かなくてもお顔はちゃんとしているはずですから、普通の自然な自分の目や顔に慣れるのが、こういう場合の最初の解決策です。
 額に横じわができるもうひとつの原因として、前頭部がこっているために、上から額が押さえられて横じわが出る、ということがあります。頭をよく使う、悩みやすい、寝不足といったことでもこりますが、こりでしわが出るのであれば解決策は簡単。ほぐしてあげればいいですね。
 ほぐし方は、生え際をグルーッと揺すっていくやり方をおすすめします。耳のすぐ上、メガネのツルが通るあたりからスタートして、両手で小さい丸を描くつもりで、額方面に昇っていってください。そうしていくと、額の生え際の頂点で両手が出合うと思います。これを何回かやりましたら、もうワンライン後ろ、髪の毛の中も。それからさらにもうワンライン後ろへ、といった具合に3ラインぐらいやると、頭の前半分は大体ほぐすことができます。頭が温かくなったように感じるかも知れません。お顔も血色が良くなってきます。こうしておいて目を無理に見開かずに自然にあけたら、額にしわは寄らないと思います。スキンケアで肌をやわらげると同時に、頭もやわらげましょう。こりを取ることとスキンケアの両方で、しわはある程度なくすことができます。ぜひ、日常的になさってみてください。

□ 耳をひっぱると硬くて痛い
 最初にお伝えしておきますが、顔まわりをさわるときは必ず両手でさわるものです。耳も片一方だけひっぱるとお顔にゆがみが出る恐れがありますので、気をつけてくださいね。
 「耳をひっぱると硬くて痛い」のは側頭部がこっている証拠です。いま行った頭のマッサージである程度側頭部もほぐれますが、ついでに耳を放射状にひっぱりましょう。指でしごくように上の方、真ん中、下とやさしくひっぱり、ゆっくりとほぐしてあげます。この耳ほぐしには、いいおまけがついています。それは、目の疲れが取れるということ。
 ところで、耳の下にくぼみがありますか? くぼみがあればいいですが、むくんでいるとくぼみとしてさわれない場合があります。そんなときは、両手を逆手にして4本の指を耳のすぐ下に当てます。当てるだけで押しません。あご全体をくるむように当てたら、静かに口をまっすぐ開けて、閉じて。開閉をやわらかく繰り返します。そのうちにくぼみに指が入りやすくなってきます。次に下あごを横に動かしてみます。口を開けたまま下あごだけ左右に揺すりましょう。下あごが硬いと表情まで硬くなりやすいですし、口角に縦じわが入りやすいですから、できるだけ下あごはやわらかく、笑顔が映えるようにしておきましょう。
 最後に頭ほぐしの仕上げです。耳の後ろに硬い骨がありますが、この骨を両方の親指でぐっと持ってください。そのまま首と頭の接点を両方からたどっていきます。下からぐいっと頭蓋骨を持ち上げながら進む感じです。口は少しゆるめておいて顔の緊張を取りつつ、耳の後ろの骨から真ん中のくぼんだ所まで、ほぐしてあげます。押されて違和感があるところがあれば重点的にほぐします。パソコン仕事の多い方々や老眼鏡がちょっと合わなくて、という方にもおすすめです。

〈 口元 〉

□ 気づくと必要もなく食いしばっている
 ご存じない方が多いので声を大にして申しあげますが、基本的に、食べているとき以外は、「歯は合いません」。普段、歯は口の中で浮いています。1日24時間のうち上下の歯が合うのは約10分といわれています。ですから、四六時中歯を食いしばっていると、下あごに圧がかかって、顔が横に張ってきたりします。本来ならきれいな卵形のお顔の人が、ベース盤みたいな四角い顔になるかもしれないので、必要もないのに噛まないことです。日中噛んでいますと、夜、寝ている間に歯ぎしりをする方が多いようです。歯ぎしりをなさる方は、昼間どれだけ気をつけるかが改善の鍵になります。
 気づくと歯が上下かちっと合ってないか、気にしてみてください。前歯だけでなく奥歯まで全部、舌一枚分位は浮かせておくこと。これはとても大切ですね。
 食いしばるデメリットはさらにあって、口まわりに強い緊張が常にあると、顔の下半分に、ほうれい線や口角に縦に入るマリオネットラインというしわを呼びやすいんですね。ですから、かなり噛んでいるかも、と思ったら、口の力を抜くように心がけることと、硬くなった口まわりのこりは、ゆっくりゆっくりほぐしてください。

□ 気づくと必要もなく口を強く引き結んでいる
 「必要もなく、口を強くひき結んでいる」。これは意外に多いんです。口元を緊張させてギッチリ閉じている方がいらっしゃいます。上唇と下唇がふわっとふれる位、唇に花びら一枚を挟むほどの軽い力加減でも、口はちゃんと閉じて見えます。しかも、ふわっと閉じると「へ」の字にならない効用もあります。口がへの字になることがお悩みの方も多いですが、口角がほんのり上がって見えるだけでも、お顔の感じ、印象が変わるんですね。
 口元が緊張している方は、さわると分かると思います。硬いところを見つけたら、“ピンチング”といって親指と人差し指で軽くリズミカルにつまんでほぐしましょう。こわばりをほぐしていれば、おかしな表情のしわはなくなりますので、スキンケアのときに硬いところを見つけたら忘れずにやってみてください。根を詰めた作業をしていたり、なにかに一生懸命になってお顔に力が入るのはよくあることで、それ自体、悪いことではありませんが、そのとき溜まった疲労はすぐチャラにしてあげることが大事なのです。溜まってすぐなら取りやすいですね。お掃除と一緒です。

 お顔まわりを中心としたメンテナンス方法は、どれもほんとに簡単で当たり前のことばかりです。ですから、あとはどれだけ自分に注意を払って、対応策を実行するかどうかです。エラー解除はすぐに、という心構えでいていただければと思います。

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●スキンケアについて

 当たり前すぎるほど当たり前の方法ですが、意外にできていない方、知らなかったという方も多いので、ご存知とは思いますが、念のためお伝えします。

〈スキンケアの意義とは〉

    外から → 汚れを取る・水分保湿・油分保湿のステップで、表面のコンディションを安定させる。
    内から → 肌の呼吸や排出をラクにできる状況に整えてあげることで、肌の生成を安定させる。

 スキンケアは単なる習慣ではありません。毎日のルーチンのように機械的に何かを与える・取る。それだけになってしまうとご自分の状態を計りにくい。これは肌と意思の疎通ができていない状態です。顔を洗うのなら何のために洗うのか? その意義を明確にしながら顔を洗ったり、お化粧を落とします。落としたつもりなのに落ちていない、という方が多いので、必ず意義をよく飲み込んだうえで、ひとつひとつの動作をしていただきたいんですね。
 肌は生き物なので呼吸もしますし、汗や皮脂も出すわけです。だから、外からただ塗ってもダメです。どれだけ風通しのよい、排出がしやすい、呼吸がしやすい、柔軟な肌であるか。生き物として健康であるか。これが大事なんですね。活動しやすい状態に整えてあげないと、どんなに高い化粧品や良い化粧品を使っても効果は得られません。これ、私に合わないんじゃないかしら、ということになりますが、それは、化粧品が悪いのではなく使い手が悪いのです。商品を生かすも殺すも使い手次第です。ご自分の手持ちのもので、もう一回、意義をきちっと持ちながら、やってもらいたいと思います。

〈クレンジングの確認ポイント〉

 クレンジングの各段階をきちんと踏んでほしいなと思って、3つポイントを挙げました。

(1)くまなくなじませる
 拭き取り以外のクレンジング剤は、基本的にまず顔の隅から隅までちゃんと塗ります。顔は、鏡で見る中心だけではなく、近くの横顔まで全部が顔の範囲です。あごの下も、生え際も全部、顔の一部です。そういうところまで全部塗ったかどうか、確認をしていただきたいんですね。きちんと全部塗ったら、初めて、肌表面の汚れをゆるめるようにそっとなじませてゆきます。マッサージの動作と混同しないように。肌の上の汚れとクレンジング剤がちゃんと混ざったかどうか手ざわりで判断し、良しとなったら初めてすすぎます。

(2)くまなくすすぐ
 ある特定のクレンジング剤を除いて、基本的にすすぐ温度や回数、これはまったく関係ありません。温度は好きな温度でいいです。寒いときは温かい方が、暑いときは冷たい方が気持ちいいですよね。その代わり、すすぎ残しがないように。回数はクレンジング剤によってすすぎの遅い早いがありますから何回とは言えません。とにかく塗ったものがきちんと落ちるまですすぎます。

(3)必ず触って確かめる
 すすぎ終わったら、クレンジング剤を塗った範囲は全部きれいに落ちているかどうか、隅々までさわって確認なさってください。鼻の下は? 鼻の孔と孔の間は? 眉毛の間は?もみあげは? 全部確認してください。必ず両手でさわって確認します。そこまで確認するのがクレンジングや洗顔です。ここまでなさっていますか?ここまできちんとすれば、大丈夫です。

〈水分保湿の確認ポイント〉

 洗ったら、すぐ保湿をします。しばらくおいてからでは肌に気の毒なので、洗い上がったらすぐに保湿。肌の構造は水分と油分との薄いミルフィーユのようなラメラ構造ですから、水分と油分両方要ります。どちらかではだめで、両方含まないとふっくりできないという習性があります。水分保湿の確認ポイントは3つあります。

(1)量や回数を目安としない
 量や回数を気にする方が多いですが、商品の表記は気にしないで。というのは、ユーザー側のコンディションがその時その時で違うからです。毎日“私は一緒”ではないんです。乾くときもあれば脂っぽいときもあります。

(2)くまなく水の膜でひと膜張るようになじませ、最終的にどこも同じような手触りになったか、触って確認する
 つけるときは、水の膜を自分の顔の上に張るつもりで、ヒタヒタになるまで。なじませるというより、肌の上にお水を盛る感じですから、手の平で水を盛りつけのせていくようなつけ方がいいですね。広い部分だけでなく、小鼻、目の際まで必ず全部お水でおおわれるように。盛り終わりましたら、さわって確認ですね。最終的にどこも同じような手ざわりになったかどうか確認します。
 化粧水が、肌にきちっとキャッチされると、肌は冷たくひんやりします。と同時に肌色が少し白くなります。どこかはヒタヒタだけど、どこかはまだ皮膚温が高い、きれいな肌色に変わらないというときは、もしかするとつけ方が甘いのです。特に冬は乾きやすいので、水分も奪われやすいです。水分が抜けるから皮膚温が上がるわけですから、ほてりやすいという方は特に、朝のスキンケアで化粧水を、顔の色が白くなって皮膚温が下がるまで、きちっとつけてあげましょう。忙しい朝ですが、洗顔後にひとまずシートパックなどを顔にのせてから家事をするなり、朝ご飯の支度をするなりしておいて、それからスキンケアをしてはどうですか。秋から冬に乾燥しやすい方は特に、とにかく朝のスキンケアが大事です。肌も自分もお互い快適でいたいですから、朝はできるだけ保水力を高めてあげることを心がけてください。

(3)手の甲で頬などを触ったときに、ひんやりもっちりしていたら完成と判断する
 ひんやり、もっちりというのが目安です。皮膚温が下がるまでつけるということをよく覚えておいてください。

〈油分保湿のポイント〉

 そして、いま含ませた水分を飛ばさないようにするのが、油分保湿です。ですから、水分ちょっとで油分でコーティングすれば冬は持つだろう、という考えは成立しません。

(1)量や回数を目安としない
 油分も、量や回数にきまりはありません。いま入れ込んだ水分がこれなら飛ばないぞ、化粧のくずれもないぞ、というつけ方をします。よく5点置きというつけ方をする方がありますが、これですと厚くつく所、薄くつく所のムラができて、コーティングという点では均一にいかない場合があります。

(2)手にのばして、その手で顔を覆うようにしてつけていく
 このリスクを避けるために、まず手にクリームをのばします。クリームのついた手で、顔をペタペタとさわって覆い薄い膜を作ることを繰り返します。1回で済むときも、重ねて加減をみたいときもあるでしょう。きちんと適正な仕上がりになるまで、くるみ続けます。もし、くるんでいる途中でまだ水分が足りないな、ひんやり、もっちりがちょっと薄いぞと感じたら、もう一回、上から化粧水を薄く手でなじませてあげてください。これを何回か繰り返せば確実に均一にコーティングされた肌ができます。お顔だけでなく、デコルテまで出る服のときは、首や出るところも全部やります。そうでないと、お顔とそれ以外の箇所の肌色がずれてきてしまいます。

(3)手の甲で頬などを触ったときに、ぷりっとした弾力を感じることができたら完成と判断する
 そして最終的に「これでよし」という目安は、手の甲でそっとさわったときに、いい弾力だなと思えることです。硬いと思ったら、まだちょっとスキンケアが足りていないかもしれません。肌は、水分も油分もお腹いっぱい含むと本当に弾力が出ます。お年は関係ありません。痩せていても太っていても、どんな方でも、いい弾力が肌から出ますので、そのプリッとした感触を毎朝、毎晩、感じてスキンケアをしていただきたいと思います。

 本日、お話したメンテナンス法は、「今日も私は、いい感じだな」と、ご自分に満足して快適に過ごしていただくためのお手入れです。鏡や窓に映った自分をふと見たとき「私、顔色がいい」「イキイキしてる」と自分で自分にOKが出せたら、うれしいですよね。見慣れた顔ですけどイキイキして見えたらうれしいですし、ちゃんと手入れされた満足感が顔に出ていたら本当にうれしい。お顔立ちをさらに輝かせるタネになります。小さいけれど、そういう「わたしって、いいじゃない?」といううれしい発見を、日々、できるだけたくさんしていただきたいんです。そのためにも、こまめにご自分を見ていただきたい。そうすれば、いい循環で「きれい」がさらに輝きます。
 毎日、自分がのびやかにいられるように、自分で自分の手入れをする。いいお顔で「おはようございます」と自分から挨拶をする。そういう小さいことは華々しさがないので、つい忘れてしまったり、後回しにされがちですが、今日の話を聞いてくださった皆さんは、きっと、その大事さを再認識してくださったんじゃないかと思います。
 ご自分の「きれいさ」を、どうぞ出し惜しみしないで、皆さんの存在そのもので周りの方々を明るく照らしてあげてください。のびやかにきれいな皆さんがいてくださったら、ご家族、職場の方、お友だち、地域の方などの方々がどんなに心嬉しいことでしょう。「きれい」で居続けることは、ひいては社会全体にとって良いと思いますので、そのためにもぜひ、ご自分をぞんざいにしないであげてください。
 ご静聴どうもありがとうございました。

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