教員インタビュー・ゼミ紹介 : 本柳ゼミ

本柳 亨ゼミナール

一人前の「浮いた存在」になって、日常に違和感を覚えてほしい

本柳ゼミでは消費行動の原因、背景、影響、結果となる消費文化について研究をしています。ショッピングモールや漫画喫茶のような消費空間、原宿ファッションやヒップホップのようなサブカルチャー、プリクラやInstagramのようなメディアと、消費文化を研究する切り口は多様です。

担当教諭:本柳亨 講師
研究テーマ:消費社会論、消費文化論
担当科目:社会学、消費社会論、ビジネスと社会、ゼミナール、フィールドワーク、卒業論文

ゼミ生には、まず消費文化に関する基礎的文献を読んでもらいます。文献に関してはディズニーランド、SNS、グラフィティ、アイドル文化、J-POP、ロックフェスなど、ゼミ生が関心を持ちそうなテーマを選んでいます。研究書だけではなく『散歩の達人』『東京人』『小悪魔ageha』『POPYE』のような雑誌もサブテキストとして使用しています。
文献を読んだあとは「書を持って街へ出よう」の精神でフィールドワークを実施します。都心キャンパスの立地の良さを活かして、東京を歩き回り、東京との出会い直しをしてもらいます。

普段の自分とは異なる「誰か」の視点から「シブヤ」を捉え直しイメージを拡張していく

ゼミで取り組んでいるテーマのひとつが、渋谷の研究です。渋谷は「若者の街」と紹介されることが多いですが、同じ渋谷でもSHIBUYA109で買い物をする女子高生と、スクランブル交差点で写真を撮る外国人と、ハロウィンで集まる仮装集団と、宮下公園のブルーシートで生活をしているホームレスの人たちとでは、異なる渋谷を生きています。彼らの視点から切り取られた渋谷には、どのような光景が広がっているのでしょうか。
本柳ゼミでは普段の自分とは異なる「誰か」の視点から渋谷を捉え直し、渋谷のイメージを拡張していくことを目的としています。渋谷は再開発が刻一刻と進んでおり、現在私たちが目にしている渋谷の風景は今しか見ることができません。今の渋谷をゼミ生の目に焼き付けたいです。

自分の好きなことをとことん追求するタイプが多い本柳ゼミ

現代の若者は周囲の空気を読み合う「同調志向」が強いと言われていますが、私のゼミ生は他人の目を意識せずに自分の好きなことをとことん追求するタイプが多いと思います。観たいものを観て、着たいものを着て、食べたいものを食べて、会いたい人と会う。授業と授業の空き時間に大学の隣の銭湯(万福湯)に通っている一匹狼気質のゼミ生がいます。隣に座っている増山君のことですが(笑)。ひとりの時間の過ごし方が達人レベルに上手だなと感心しています。ゼミ生を眺めていると、さまざまな要素を併せ持った「自分の分身」と出会えるので楽しいです。

本柳ゼミの印象深いゼミ活動

渋谷で撮影された乃木坂46の『世界で一番孤独なlover』のミュージック・ビデオ(MV)にちなんで、山手線のガード下、宮下公園、シスコ坂、東急プラザ 表参道原宿の階段など、フィールドワークの一環としてMVの聖地巡礼をしてきました。宇田川町のシスコ坂は、かつてレコードショップが軒を連ねていたヒップホップの聖地でしたが、今ではほとんど姿を消しています。移り変わる渋谷と聖地の姿をゼミ生と見ることができました。

本柳ゼミのエピソード

本柳先生:本柳ゼミでは夏合宿で「Wii Sports」を使ったボウリング大会を開催しました。
増山さん:Wiiリモコンを振り過ぎて、みんな筋肉痛になりましたよ(笑)。
本柳先生:戦いはバーチャルでも痛みはリアル。「人生の痛み」をゼミ生に伝えたかったんです。
増山さん:上手くまとめましたね(笑)。

ゼミでの学びで「身につけてほしいこと」や「将来に役立ててほしいこと」

本柳ゼミで勉強をすると、これまで当たり前のように見えてきたものが当たり前に見えなくなり、周囲に対して居心地の悪さを感じるようになります。 この「浮いた存在」という周囲から適度に距離を保った状態は、日常や社会と出会い直す絶好の機会です。周囲に同化する必要はありません。私のゼミではゼミに入る前からすでに「浮いた存在」の学生がちらほらといますが、ゼミでの学びを通して「一人前の浮いた存在」になってほしいです。

本柳ゼミ生の進路について

IT・情報、アミューズメントパーク、金融、食品メーカー、流通など、幅広い業界で活躍しています。本柳ゼミではフィールドワークでさまざまな体験ができるので、就職活動の面接で話すネタに事欠きません。ある男子学生は、ゼミ大会で発表したプリクラの話でIT企業から内定をもらいました。彼はプリクラのコーナーに何度も通い、機種別の利用状況を丹念にリサーチしていましたので、ゼミでの努力が実を結びました。

自分の好みにぴったりで衝撃を受けた本柳先生の「社会学」の授業

1年生のときに受けた本柳先生の「社会学」の授業で紹介された人物や本、テーマがすべて自分の好みにドストライクだったんです。特に浅井リョウの『何者』という本は、後半になると先を読むのがつらくなって本を閉じるほどの衝撃を受けました。本柳ゼミに入れば、このような切り口で研究ができると思ったことが選んだきっかけです。
またゼミナール発表大会で本柳ゼミが当時創設1年目であることを知り、できたてほやほやのゼミを成熟させたいという思いもあったと思います。とにかく「自分の居場所はここしかない」と強く思ったので、一途にゼミ希望を出しました。

身近にあるものが変わって見えてくるのがおもしろい

ゼミに入って2年次では先生から提示される文献と自ら興味のあるテーマについての調査に取り組みました。例えばディズニーランド化するショッピングモール、プリクラの変遷、新宿二丁目の観光バー、J-POP歌詞のフラット化などの文献を読んで実際にフィールドワークを行い、自分の身の回りで関連した現象はないかを付け加えて発表していきます。本柳ゼミで学ぶと身近にあるものが変わって見えてくることがおもしろいですね。ジム・キャリー主演の『トゥルーマン・ショー』に触れている文献を読んで、テレビ番組や広告の見方がガラッと変わりました。

ゼミの仲間を「あっと言わせてやろう」という意識が個性豊かな発表につながる

本柳ゼミでは、グループに分かれて興味のあるテーマについて研究したことを毎週発表します。他のグループが何を発表するのか分かるまでわくわくしますし、おもしろい発表を聞くと嫉妬することもあります。その刺激がゼミの仲間を「あっと言わせてやろう」という意識につながり、良い発表が生まれる原動力にもなります。他のゼミ生たちもゼミが終わってからも教室に残って、次の発表の打ち合わせをする光景をよく見ます。各グループが一味違う視点からおもしろい発表をしようとしている意識がいつも伝わってくるので、それぞれ個性豊かな発表が毎週できていると思います。

増山さんから見た本柳先生

フィールドワークでは「居心地の悪さをあえて体験しよう」と言われています。居心地の悪さは私たちの思い込みを揺るがすことを先生から教わりました。
本柳先生は経営学部以外の学生とも交流があり、学生の話を聞くのが上手だと思います。この前も仏教学部の学生がゼミに参加していて驚きました(笑)。少しミステリアスな先生の魅力は、自分自身について多くを語ってくれないところにあるのかもしれません。

将来の進路について

ゼミに入るまで将来の進路について具体的なイメージを持てず不安でした。しかしゼミ活動を重ねていくうちに、社会人になっても、日常の中から問題を見つけ出し、その問題を日々考え続けていきたいと考えるようになりました。今は調査会社やマーケティングリサーチといった業種に興味があります。街に出るときにも、いつもと違う道を歩いたり、普段入らないお店に入るなど、自ら刺激を与えて色々な角度から普段の生活を眺めるようにしています。

これからゼミを選ぶ学生へ

ゼミにはそれぞれ特有の色があります。学生の個性が反映されたものなのか、教員の個性が反映されたものなのかわかりませんが、そのゼミにしか出せない色があります。まずは自分の色と合ったゼミを見つけてください。
入ったゼミがたまたま同じであった。たったそれだけの理由で、一生の付き合いになる友人が見つかることがあります。結婚相手と出会うこともあります。私は結婚相手を見つけることはできませんでしたが、今でも付き合いのあるゼミの友人、先輩、後輩がいます。みなさんがゼミとの良い出会いがあることを願っています。

立正大学経営学部をめざしている受験生へ

立正大学経営学部の特徴は、学生と教員の距離が非常に近いところです。私の研究室には、ゼミ生ではない学生もたくさん遊びに来ます。研究室でお弁当を食べて帰っていく学生もいれば、黙って本を読んでいるだけの学生もいます。教員として一番喜びを感じるのは、研究室で学生たちとくだらないおしゃべりをしている時です。いろいろな学生がそれぞれの目的をもって研究室にやって来ます。美味しいコーヒーこそ用意できませんが、喫茶店のマスターになったような気分です。みなさんが立正大学経営学部の学生となって、私の研究室に遊びに来てくれるのを楽しみにしております。

これからゼミを選ぶ後輩へ

ゼミの選び方として先生を基準に選ぶのもいいと思います。授業中とゼミで雰囲気の違う先生もいますので、授業だけで判断してしまうのはもったいないです。ぜひ個性豊かな先生方と積極的に話してみてください!
また定員制限で好きなゼミに入れなかったり、ゼミでの人間関係、人前での研究発表、授業外の調査などストレスを感じることもあると思います。そのことをプラスと捉えるかマイナスと捉えるかは自分次第。ゼミ選びに「正しい選択」などはありません。後付けでもいいので、自分に合う部分を探し出して「正しかった選択」にしていくのが大切だと思います。

立正大学経営学部をめざしている受験生へ

高校生からすると経営学は全員初めての学問。つまりスタートはみんな同じです。しかし1年が経つと成績の差がはっきりと出始めます。楽しく充実したキャンパスライフを送るためにも、思考を止めないことが大切だと思います。
それから大学生活は本当に空き時間が多いんです。私の1週間の通学時間と大学での空き時間を計算したら、なんど約24時間もありました。この時間を決して侮ってはいけません。
品川キャンパスは都内へのアクセスが便利なので、空いた時間を使ってイベントへの参加やアルバイトもできます。立正大学の情報メディアセンターを利用して、授業の課題や資格の勉強をすることもできます。1日の生活を組み立てるための豊かな素材が、立正大学にはたくさんあります。

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