史学科
教員インタビュー

知りたいなら、耳をかたむけてみよう。
歴史上の偉人と対話する方法を学べます

史学科
野沢佳美 教授

「本当に坂本龍馬って、あんなすごいことをやったの?」 そう思ったなら、その時代の坂本龍馬のまわりにいた人たちの言葉に耳をかたむけて、直接話してみればいい、と話す野沢佳美先生。自分が興味をもった過去の人たちと対話する方法を学べる史学科について聞きました。

過去のできごとを研究し、
社会に貢献できる人材へと育てるカリキュラム

ー 立正大学の史学科で学べることについて教えてください。

史学科では、専門知識を身につけるだけでなく、過去を客観的に判断し、さまざまな知識から社会に貢献できる人材を育成することを目的としています。

史学は、過去のできごとを研究する学問です。過去から現在までの時間の経過だけでなく、客観的になぜそうなったのか、なぜそこでおこったのかということの検証をくり返しながら証明していきます。
そのため史学科では、自分の研究する分野の手がかりとなる史料を広く探し、それを読み解き、自分なりの歴史像を組み立てる力がつくようにカリキュラムを編成しています。

検証を重ねると見えてくる
過去のできごとへの推論

ー 史学科には、どんな学生が多いのでしょうか。

歴史が好きだと話す学生が多いです。ただ歴史好きな人によくあることですが、好きなだけの段階では自分勝手な歴史の解釈である場合が多いんです。
史学科では、客観的に歴史上のできごとを検証していくために、いろいろな史料を読み解いて、内容を突き合わせていきます。そのうえで複数の史料から共通したできごとが出てくると「だから、こうなんだろう」という推論ができるわけです。あくまでも断定ではなく推論だというのが、史学の世界での共通認識です。

その時代の人へ近づくために
記録の検証からはじまる一歩

ー 歴史上のできごとは、どのように検証するのでしょうか。

過去のできごとを題材にしながら、いろいろな史料を集めて検証していきます。検証に必要な史料の多くは、個人の日記や公的な記録です。理系学部でいう実験に相当するこの検証を私たちは史料批判と呼んでいます。
まずは検証に使う史料が本当にその時代に書かれたものなのかを調べることからはじめます。善意であっても、悪意であっても、少しあとの時代の人が手を加えて書き直すことはいくらでもあり得るからです。

次に、その時代の人に近づいていくためには、その時代の記録を読んでいきます。実際に読み解くことができると楽しくなってくるのですが、そこまでいくのには技術が必要なので、その訓練に時間がかかるんです。

1000年前の人との対話を実現する
史学科で得られる技術

ー 歴史の記録を読み解くには、どんな技術が必要になるのですか。

歴史が記されている史料を読むとなると、その時代や地域の言葉や文書の書き方を学ぶ必要があります。日本の文献でも100年以上前のものは書式や文字の書き方が現代と変わっていたりしますから。文字が読めたら、次は行間を読むことも重要です。それが過去の文献を読み解く技術です。

この技術を身につければ、100年前、1000年前の人と文献を通じて直接対話ができるわけです。そのための学びを「古文書学」の授業で行っています。

さらに、授業で学んだことを品川キャンパスの古書資料館や熊谷キャンパスの博物館で現物にふれて確かめることができる「古文書学実習」や「考古学実習」の演習があります。フィールドワークは現物にふれるのが一番ですから、学生には実際にふれることで歴史の香りを感じて学んでほしいと思います。

自分の成長を感じて、
さらなる挑戦へと進める場所

ー 野沢先生が受け持った学生について聞かせてください。

ゼミナールがはじまった2年生のときに「とくに自分の意見はありません」「文章が書けません」と言っていたのが、4年生になると立派に自分の主張を文章化していく学生を何人も目にしました。史学科での学びのなかで自分の成長を感じた学生は、その後もさまざまなことに挑戦していきます。

ほかには、崩し字の草書体でテストの解答を書く学生がいましたね。提出された解答を見て、読みづらくて「なんだ、これは?」ってビックリしたことがあるんですよ。崩し字の方が早く書けるんでしょうね。その学生は古文書研究会に所属していて、大学を卒業したあと、大学院の修士課程へ進んで、千葉にある資料館へ就職しました。

卒業論文を書くことは卒業のためではなく、
その先の自分のため

ー それでは、史学科の学生のみなさんに4年間で身につけてほしいことを教えてください。

大学での学びの集大成でもある卒業論文は、書き上げればこれで最後というものではないのです。社会に出るための準備として卒業論文があって、社会に出たら卒業論文を執筆するのと同じ手順で物事を検証して、自分なりの意見を導き出さないといけないこともある。そして、それを論理的に説明して、人に納得してもらうことが人生のなかで必ず来るんです。そういう話をした卒業生から「大学のときに勉強したことが、卒業してからも役立っている」と聞くことがあると、私もうれしい限りです。

まだだれも解いていない課題を探して、
一緒に読み解いていきましょう

ー 最後に、受験生のみなさんへメッセージをお願いします。

高校までの歴史に関する学びは知識の暗記が中心だったかもしれません。もちろん歴史学において、知識があることは前提条件ですが、歴史学のおもしろさは知識を集めてみると、その先にこれまでの研究ではわからない「課題」、本当の意味でのなぞが見えてくることにあります。
大学での学びで重要なのは、その課題が解けたか解けないかではなく、課題を探究することで情報収集の力や洞察力を培うことにあり、それが人生のさまざまな課題を乗り越える力につながっていくのだと思います。
だれも解いていない課題を見つけ、読み解くことに挑戦してみませんか。


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