相互に関係を持ち合って一つに纏まっているものを系(システム)と呼び、系外とのエネルギーや物質のやり取りの有無により、系を孤立系と開放系とに区分します。唯一の孤立系は宇宙全体であり、その他のあらゆる系は孤立系(全宇宙)の一部分からなる解放系です。特定の開放系と相互作用をする外界を当該開放系の環境と呼びます。環境とエネルギーや物質のやり取りはするが、その流れが時間的に変化せずに自己を維持し続ける系を定常開放系と呼びます。個体としての人間、人間の集団としての社会、人間社会を含む生態系、これらはいずれも定常開放系であり、それらの環境もまた定常開放系です。環境問題に対処する際にはこの視点が極めて重要です。立正大学地球環境科学研究科は、様々なレベルの環境を定常開放系(システム)としてとらえ、フィールドワーク、化学分析、数値シミュレーション、そして種々の情報収集・処理技術を駆使してその特性やその変化の実態を正確かつ定量的に把握し適切な対応措置をとれる人材、即ちエキスパートの育成を目指します。
 環境問題に対処するためには、環境を定常開放系(システム)として認識しその実態を正確に把握することが先ず必要であり、その結果に基づく種々の分析・考察を経て、再現性のある因果率を明確にする必要があります。このアプローチは、フィールドワークをベースに置く本研究科の二つの専攻、「環境システム学専攻」と「地理空間システム学専攻」の視点と方法論にほかなりません。
 本研究科の何れかの専攻に入学された方は、上記のアプローチにより環境に関わる未解決の問題をテーマとする学位請求論文作成を目指して頂くことになります。未解決の問題ですから、正解はおろかその求め方すら本人はおろか指導教員にも不明の状況からのスタートとなります。だからこそ学位請求論文完成時の喜びや感動は一入です。現在の環境の状態を心配されている方々、環境を支配するさまざまな現象を理解したいと思われている方々、そして地球上のさまざまな環境の実態を正確に知りたいと思っておられる方々の入学をお待ち致しております。


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